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大学教員・研究者になるには

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卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
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#大学教員公募

大学教員公募へのチャレンジの記録⑤

あけましておめでとうございます。 前回の記事から半年近く経ってしまいました。 大学内定後に、現職の仕事や退職にかかるいざこざ、 退職に向けた準備や赴任前の諸々の準備、 非常勤講師の仕事などなどに日々忙殺されていました。 前回の記事は以下から 公募戦線に残っている大学;  ④ジャンル一致のC大学(助教)  ⑤ジャンル一致のD大学(助教・助手)  ⑥ジャンル一致のE大学(助教) それでは時系列で、まずは⑤D大学の面接から。 締切は8月でしたが、7月下旬に面接を実施。

大学教員公募の振り返り①

需要はないかもですが、私も以前諸先輩方が書かれた文章を参考にさせていただいていたので、誰かの参考になれば・・・と忘れないうちに書いておこうと思います。 私は教員ではないお仕事からの転職でした。 博士の学位を取って、実際に公募を出し始めたのが、転職活動1年目の10月頃・・・その当時、大学公募戦線は、夏がピークで10月も過ぎたあたりからは募集がフェードアウトしていくことすら知らなかった・・・ 1年目は2件出してみました。1件目は書類選考で落ちました。 しかし、ここで業績の書き方と

【大学教員公募】若手のチャンス時期

9月に入り、学生は夏休み真っ盛り、教員は研究・雑務真っ盛り、そして公募戦士は大方中休みの時期です。公募戦線の前半戦がほぼ終了したといってよいでしょう。 多くの若手研究者が一次選考のお祈りレターorメールをもらい、沈んでいることと思います。以前の記事でも書いたことがありますが、前半戦のほとんどが計画人事であり、経験豊富で(割と若めな)現職の教員がポストを奪っていきます。このため、若手や常勤経験のない公募戦士の多くが前半戦で散っていくのです。私が自分の公募戦線を振り返り、誰が着任

【大学教員公募】選考を通過しない人の特徴

 最近、研究者間の対面での交流がようやく復活しつつあり、私と同世代(20代、30代前半)の若手と語り合う機会が増えてきました。結婚や子育てといった研究外の話からアカデミックな話まで、色々なことを話しますが、一番盛り上がるネタはやはり大学教員公募に関する話でしょうか。採用から1~3年ほどしか経っていない、あるいは公募戦線真っ最中の人がほとんどである若手ならではの話題だと思います。  話していれば、悲しいかな、選考を通過しポストを掴んだ人と、なかなか選考に通過しない人の差が見えて

【若手の方へ】研究者の道と恋愛

研究者の道を目指す・博士課程に進む人向けの記事を見ると、大方、「研究以外のものを捨てる覚悟を持て」的な脅し文句を見つける。 ・同級生が人並みの給料をもらって出世していく中、むしろお金を払う側の学生を続けていかなければならない ・結婚はあきらめた方が良い ・ポストは保証されていない ・孤独 等々。 間違いではない。が、個人的には、捨てて捨てて研究者を目指すよりも、欲しいもの全て手に入れて研究者になっていく人の方が心惹かれる。金の問題も改めて書こうと思うが、本記事では博士課程

大学教員公募で工夫したこと:「公募餌に群がる魚群の1匹」から釣り手を唸らせる「金の魚」になるには

魚釣りをするとき、我々は餌を撒くか、餌付きの針を水面下に垂らします。仮に魚が多くいるところであれば、時には魚群が押し寄せてきます。ふつうは、そのうちの一匹が連れればいいやという感覚で釣りをします。ここで、餌に食らいつく魚群が目に見えるとしましょう。そして、魚群の中に、ひときわ大きく艶も申し分ない魅力的な個体がいたとします。釣り人は、是が非でもその魚を釣りたい!と強く願うでしょう。この瞬間、釣り人と魚の立場は逆転します。釣り人は、その魚の魅力に釣られているのです。 回りくどい

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大学教員という職の魅力

大学の先生方が、仕事量、学生の質、研究に関する愚痴を語っている記事をよく見かける。納得する部分も、しかねる部分もある。 私は、この職について、もちろん不満なところもないわけではないが概ね満足している。 本記事では、私が感じている大学教員という職の魅力について綴る。 第一に、自分のしたいこと、思い描いていることを、実際に形にできる点だ。研究・教育に関わる中で、既存の価値観や授業の仕方等に対して疑問や物足らなさを感じることが多々ある。それらは、深く突き詰めていくことで新しい研究

大学教員になるためにすべきこと:公募の書類作成、面接、模擬授業に向けて(更新用)※2023年4月3日更新

 私が執筆した中で最も閲覧数が伸びているのは、大学・研究関連の記事です。大学教員公募に関する有料記事へのアクセスも伸びています。ご購入いただいた方、感謝申し上げます。  本記事は、1か月に1度くらいを目途に更新しつつ、私が執筆してきた大学教員公募、学振、研究関連の記事の道案内的な役割を目指すものです。トップに固定しているのは、こうした理由からです。  最後の部分では、私が公募戦線で戦うにあたり、特に参考にさせていただいた記事を紹介させていただきます。公募は、学問分野によって状

大学教員公募裏ワザ白書~短編エッセイ:科研採択で業績アップ~

皆様ごきげんよう、某私立大学で専任教員として勤務している「裏ワザ暴露太郎」です。 今回は短編エッセイ的に、「科研採択による業績アップ」についてお話したいと思います。 無料なので最後までお付き合いください(*^-^*) ご存じの通り、科研とは「科学研究費助成事業」の略であり、研究を発展させることを目的とした助成金事業です。 この助成金はもちろん競争的資金であり、「科研に採択される=研究者としてのステータス」に繋がります。 私も科研に初めて採択された時は、「やっとこれで研究者

【生々しい話】大学教員になれるか、なれないかー両者を比較ー

大学・研究業界の生々しい話、現実について綴ります。大学教員を目指して奮闘中の公募戦士にはなんとしても戦線を勝ち抜いていただきたく、研究者としての一歩を踏み出した院生の皆さんにはやがて直面する現実への備えをしていただきたく、研究者を志す学部生・中高生には覚悟を固めるために現実をお見せしたく、錯綜する気持ちを正直に本稿に込めます。自分の体験談と、身近にいた(いる)方のかなり生々しいお話しです。 モチベーションを是非上げていただきたく、今回は大学教員に「なれた」後の話から始めます

「大学の教員になるにはどうしたら良いですか?」という質問について

はじめに毎年、1~2人の学部学生から「大学の教員になるにはどうしたら良いですか」というざっくりとした質問を受けます。研究者になることをリアルに考えている学生は、具体的なことを尋ねてくることはあっても、あまりそういうざっくりした質問はしてこないように思います。 大学の教員には初等中等教育のように「教員免許」はなく、大学教員のカタチは多様であると思われます。「大学の教員になるにはどうしたら良いですか」の質問に対して、「こうすればいい」というわかりやすいアンサーを返すことは難しい

大学教員になるには。(つづき)

 穏やかな天気が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。私は朝から2回目の洗濯に勤しんでいます。  さて、突然ですがみなさんは大学教員という仕事にどんなイメージをもっておられるでしょうか。私は大学教員になる前は、好きなことを研究して好きなことを発言できる偉い人だと思っていました。しかし、実際になってみるとそうでもないことが何となくわかってきたのです。そこでなるべく普段の何気ない大学教員の日常を綴ることによって、みなさんに大学教員のリアルを知ってもらった上で大学教

大学教員になる道のり

この記事では、大学教員になる道のりと準備物を概観する。 ここで示す方法は、ネットで調べたり、先輩に聞けば簡単に得られる情報である。なので、気楽にご一読いただきたい。内定を取るために重要な部分は、後日に別の記事として紹介する。 1 公募を探す JREC-IN PortalというJSTが運営する就活サイトが最もよく使われている。大学教員だけでなく、国立の研究所や企業の研究所が博士号をもった研究者を雇用する際にJREC-IN Portalを利用することが多い。まずはJREC-

コネな方の大学教員公募に関する覚書

大学教員になるプロセスは、学位取って研究業績持って(専門職養成の場合は実務経験も問われることがある)公募を受けることが一般的である。 採用プロセスの透明性担保のために、公募制を高等教育機関が多いけど、私募によって教員になる場合もある。また、公募という名を借りながら、なかば私募みたいなケースもある。いわゆる出来レース。 本記事は、そうしたケースに関するメモです。 過去に、公募というプロセスを経て内定を貰ったけれども、その背景でコネがコネコネしてたことがあったので、一例とし