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マインドフルネスのポジティブ心理学的考察

マインドフルネスをポジティブ心理学の側面から考察してみる.


ポジティブ心理学とは,マーティン・セリグマン(元全米心理学会長)が提唱した,人のポジティブな側面に焦点をあてた最も新しい心理学の分野である.

ポジティブ心理学では,幸福のための2条件として
快楽
充足感
をあげている.

快楽とは楽しいこと,スリルを味わうようなことを体験することである.美味しいモノを食べたり,お笑いを見て大笑いしたり,ジェットコースターにのってスリルを楽しんだり.
これは容易に体験できる.しかし,快楽には終わりがない.もっと楽しいことを人は欲してしまうそうである.(わかるわかる)

つまり,快楽だけを味わっても幸福の条件は満たすことはできず,もう一つの充足感も味わうことが必要となる.

充足感は,充実感,あるいはflow(フロー)ともいうが,
活動に没頭して我を忘れているような状態をいう.
前者の快楽と違って,楽しいといった感情などはあまり伴わない.

例えば,趣味である絵画に打ち込んで一心不乱に絵を描き続けているとき,
ひたすらパソコンに向かって研究論文を執筆しているときなどである.このような時は,今,目の前の活動に注意を向け,集中し続けている状態である.

しかし,快楽と違って,この充足感を味わえるようになるには,スキルやある一定の努力の時間が必要と言われている.
(たしかに研究を学び始めた大学院生の頃を思い出すと,なかなか頭の中には文章が浮かんでこず,苦労していたのを思い出すw)

このように,
ポジティブ心理学では,快楽と充足感(フロー)の両者を日常の中で体験することを幸福の条件としている.

では,マインドフルネスをポジティブ心理学の側面から捉えてみる.

マインドフルネスとは,Jon Kabat-Zinn(MBSR開発者)によれば,
「今ここでの経験に評価や判断を加えることなく,意図的に注意を向けることによってあらわれる気づき」と定義されている.

このマインドフルネスの定義と充足感(フロー)を比較すると,非常に類似している.あえて,相違点をあげるとマインドフルネスはフロー状態を味わうための最初の段階とも解釈できる.

石川善樹氏は著書「疲れない脳をつくる生活習慣」において,フロー状態究極のマインドフルネスであると述べている.

そうすると,マインドフルネス瞑想は,ポジティブ心理学で示されている幸福の条件であるフロー状態を味わうための方法であり,瞑想の習慣化や熟達は幸福に着実に近づいているとまとめることができる.

(しかし,私はマインドフルネス瞑想ビギナーなので,呼吸瞑想を行っても呼吸に意識・注意を向け続けることはなかなか難しい=つまり,幸福を感じるのは遥かかなたということかw)


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