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はじまりの時

連休最後の日に帰宅して
不在伝票の再配達を依頼し受け取ったDVD 
送り主はステンドグラス作家、
最近は詩人としても活動をしているという市川洋子さん

『Sluggish Waltzースロッギーのワルツ』
齋藤徹さんのコントラバス、作曲
松本泰子さんの歌うのはどれも、詩人たちの詩。
そして庄﨑隆志さんの舞。
市川さんもそのなかに一編の詩を寄せられていて、
そのライブのお知らせを以前より頂いていたものでした。

ようやく市川さんへお礼の便りをしたためて投函し、
ここにも記録したいことがあります。

自分の絵本『キャベツのくすくす』編集真っ最中に
再会の時をもった市川さん。
当時の暗中模索だった気持ちを話し、
かけてもらった言葉たちに本当に救われたものでした。
出版に至るまでの編集のプロセスはもちろん
この時期の自分の有り様と、市川さんに気づかせてもらったことは
本当に学びで、
今も折々に触れて思い出し、軌道や、呼吸を整えるものです。

また、そのとき市川さんに教えてもらい読んだ本のこと。
かの名著『夜と霧
このころは改訂版の新訳を読み、その後、旧訳も読みました。
ユダヤ人精神分析学者がナチス強制収容所での体験を綴っている本だけど、
わたしのなかでは『キャベツのくすくす 』と繋がっていたりします。

ホロコーストでの極限状態と、平穏なひとりの人生の節目での孤独。
到底、並べられるものではありません。
それでもわたしがひとつの闇のなかで見つけた
キャベツのくすくす笑い声は、確かな光でわたしをここまで導いてくれた。

市川さんは、光で描くステンドグラスのひと。そして、詩人。
わたしに、自分の創作について、トーチランプのような灯火をくれたひと。

この『Sluggish Waltz』に市川さんが提供していたのは
「はじまりの時」という詩。
そして舞台には、光と影を生みながら、
彼女のステンドグラスが置かれていました。
ステンドグラスの存在に3度目に見たときにやっと気がついて、
なんだか涙が出そうになるほどあたたかな気持ちになりました。
思わず画面を写真におさめました。

作家 市川洋子については、こちらでの紹介文
リンクで貼らせていただきたいと思います。

立夏のことでした。
令和となり、自分の誕生日を過ぎたこともあり、なんだか本当に、
あたらしい節目を感じるこの頃です。

「生きることからなにを期待するかではなく、
……生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題」
amazon内『夜と霧』商品案内にあった、同書からの引用です。

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