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鏡のなかの言葉(定期購読)

映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等のワークショップ、そして編集長がお勧めする… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

Yumikoの映画玉手箱 11

牛若丸と炭次郎 コロナ禍の今年の暮に、アニメ映画「鬼滅の刃」が日本映画史上最高の興収を上げたそうですね。  実は私はまだ見ていないのですが、メディアによる内容や話題を聞くにつけ、私の大好きなドキュメンタリー映画「山中常盤」(羽田澄子監督、2004年)と重なる部分が大きくて興味深々です。 「山中常盤」の世界 「山中常盤」は、近世初期(江戸時代)の絵師・岩佐又兵衛の作といわれる絵巻で、極彩色の全12巻、広げると150mに及ぶ絢爛豪華な大作です。内容は、牛若丸(後の源義経)とその

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Momokaのヨガ・レッスン 11

皆さんこんにちは、momokaです。 今回のヨガは、「首」にフォーカスしたクラスです。 手足が冷えやすいこの時期に、少しでも健やかに過ごせるよう、 「手首・足首・首」周りを呼吸と共に温めていくレッスンです。 日常的にその3点を冷やさないように意識しながら、 こちらのビデオも併せてお試しください。 全て座った状態で行える動きですが、 ベッドや椅子に座ったままでも出来ますので、 皆さんの状況に合わせて色々なシチュエーションでやってみてくださいね!

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切る、干す、イモを植える。もっと強くなるために冬を思う  【つくり手であること】

毎度ながら冬の暮らしの仕事はなかなか地味です。しかし寒さに反比例するかのごとく豊かな食で溢れているため、もう地味かどうかなんてどうでもよくなるほどの充足感。今日のコラムは、冬の食の手仕事についてご紹介します。 秋には柿を干したことを書きましたが、 約1ヶ月後、それはそれは濃厚な旨味に満ちた、おいしい干し柿になりました。 干し柿を開いて柚子皮を巻き込み、スライスしたら茶色に黄色のうずまき模様がかわいいお茶うけをつくったりしてます。 こうして並べると本当に地味なんだけど(

自分史コラム 来年から「心 =マインド」が肝になる世界がはじまる

私が自分史で勝負したかった「教育」私が肩書きにしている「自分史活用アドバイザー」という資格は、2011年に出版社社長や元記者や、ライターの方を中心に発足した一般社団法人 自分史活用推進協議会という団体の認定資格です。 「自分史をつくるだけではなく、どう人生に活かすのか」が重要だというコンセプトに基づいてあえて「活用」という言葉が含まれています。   協議会は全国各地でこの資格認定講座を行っており、約400名ほどの自分史活用アドバイザーが活躍しています。 その多くは自分史出版の

体温も自分で上げる。身体は替えの効かない「発酵機」だと思う【つくり手であること】

今年ほど行く先々で体温計を向けられたことありませんでしたね。おでこや手首にバーコードリーダーみたい形の体温計を当てられたり、中には顔センサーと合わせて画面の中で勝手に計られていたりして。 必要なのだろうし別に構わないけど、正直まったく慣れずにいます。しかも大抵の場合、実際の体温よりも低く表示されますよね... 私の平熱は36.7度ですが、かつて毎日が体調不良だった会社員時代は、自分でも心配になるほど冷たい手足をした、典型的な冷え性でした。今ではそれも過去のこととなり、普段

自分史コラム 地域と自然が子どもを育てる「森のようちえん」

幼いお子さんをお持ちの親御さんにとって、お子さんの教育は最重要課題のひとつではないでしょうか。 愛する子どもに素晴らしい教育を受けさせたいのは当然の親心。 その方針は親御さんによって異なるとは思いますが、私は個人的に「命の大切さ」とか「危険を自分で察知できる」とか「食べものは自然からの恵みをいただいている」みたいなことを実践を通じて学べることが大事だと思っています。 ただ現実的には怪我も心配だし、街中では存分に遊べる場所も少ないこともあり、なかなか悩みは絶えないかとも思いま

LEONIEとマイレオニーの旅 09 番外編②

クリスマスプレゼントにもうひとつ、資料の中に見つけた『Home,Sweet Home, in Japan 』という短編小説をお届けします。 この小説(エッセイとも言ったほうがいいのかな)はレオニー・ギルモアが日本にいたとき、もちろん英語で書いたものの翻訳です。 これを読んで改めて思うのは、レオニーがただヨネの原稿を編集者として整えるだけでなく、才能のあるなしは別にしても、自分も物書きになりたかったのではないか?ということです。言葉も通じない異国の地で、収入のために英語教師の仕

LEONIEとレオニーの旅 08 番外編①

レオニーのメイキングを書きながら、昔の資料の中にイサム・ノグチが両親について語った貴重な資料を見つけました。マガジン『鏡のなかの言葉』の読者の方だけに読んでいただきます。

LEONIEとマイレオニーの旅 07

ここで再び、日米の往復を繰り返しての作品づくりのメイキング・ストーリーに戻りましょう。 マイレオニーができた時点は、まだ資金調達も整う前の段階で、その段階を映画製作の専門用語では、Development=「企画開発」と呼ばれます。 2003年の春にレオニー・ギルモアの映画をと思い立ってから3年が過ぎ、その間も沢山の人と、出会いと別れの連続でした。 企画開発期の出会いと別れ映画もテレビドラマも、そして劇場で上映されるお芝居も、「ドラマ」と名づけられるものの要は「脚本=シナリオ

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稲木紫織のアート・コラムArts & Contemporary Vol.14

クリスマスに贈りたい 珠玉のアートブック 河内タカさんの『芸術家たち』 この一年間、リビングルームの傍らに置いて、何かある度に繰っては、確認したり楽しんだりしていたのが本書である。河内タカさんの著書で、2019年に上梓された『芸術家たち 1〔建築とデザインの巨匠 編〕』と、2020年に続けて出版された『芸術家たち 2〔ミッドセンチュリーの偉人 編〕』(ともにオークラ出版)の2冊だ。      『芸術家たち 1』と『芸術家たち 2』(河内タカさんのFacebookから)

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LEONIEとマイレオニーの旅 06

映画『レオニー』の製作実現を応援する観客コミュニティ「マイレオニー」ができて、稲木紫織さん、脇田亜希子さんを中心に会の公式サイトが立ち上がったのは2006年の7月。マイレオニーブログの場で「この指止まれ」との呼びかけが活発に行われたのでした。 はじめまして。マイレオニーサイト編集長のShioriと申します。 このたび、「松井久子監督の第三作を応援する会 マイレオニー」のサイトを立ち上げることとなりました。みなさまのご意見、ご感想、ご質問など幅広く受け付けますので、どうぞよろ

オンラインショップ・セレクション ひなた農園07

早いもので今年ももう終わりですね。畑は秋じゃがの収穫も終わり、残す大仕事といえば、大豆の収穫や里芋掘りです。力仕事は夫に任せて、私の12月は経理とお餅をつく日々です。 今年は、まさかこんな事が起こるとは夢にも思わなかった1年でした。と言っても、私たちの生活が変わったか?と言われると、ありがたいことに何も変わらす毎日毎日畑仕事に勤しんできました。 前にも書きましたが、何か大変な事が起こったときは「大切なモノ」が明確に見えるチャンスのような気がしています。この1年で自分の周り

LEONIEとマイレオニーの旅 05

心細さに耐えかねてニューヨークでは、著名なキャスティング・ディレクターと契約を交わし、彼女が紹介してくれた有名女優と会いと、今にも映画製作が実現しそうな気分になっても日本に戻れば、日米合作映画など「夢のまた夢」という状態が続いていました。 「企画が地味で、エンターテイメント性がなさ過ぎる」 「主人公の女性像が強過ぎる。観客の共感を得られるとは思えない」 「こういう形の日米合作を過去に実現できた人は一人もいない。従って、あなたのキャリアでやれるわけがない」 相談に行った日本映画

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LEONIEとマイレオニーの旅 04

キョーコさん2006年6月に、久美子の計らいで宮本亜門さんと対談したジャパンソサエティの『折り梅』上映会に参加した折、日本からイサムさんの一番弟子であり、死後17年もの間師の遺志をついで札幌モエレ沼公園をつくりあげた建築家・川村純一さんと京子ご夫妻が同行してくださったのは、他でもない上映会後にイサムノグチ財団に映画化の協力を仰ぐためでした。 「とても閉鎖的な組織だから、あなたがいきなり飛び込んで行っても上手くいかないと思うの。私たちが一緒に行ってあげる」と京子さんが言ってくだ