カスタマーサクセスがスクラムイベント・スプリントレビューに参加する超具体的な3つの効用
こんにちは、朝でも夜でもヒルマ(@hiruma_poker)です。
この記事は【株式会社ログラス Productチーム Advent Calendar 2022】の24日目の記事です。すっかり年の瀬ですね。皆さまふるさと納税アイテムは決まりましたでしょうか?私は今年ゴルフをはじめたので、ゴルフボールが返礼されるところにしようかと考えています。皆さんも趣味の軸で探すのもいいかもしれません。
この記事では生産的なスクラム開発を行うための工夫をお伝えしていきますので、最後までお読みいただけますと幸いです。
自己紹介
私は株式会社ログラスで3人目のカスタマーサクセス(以降CS)として入社し、主にCSOps・Adoptionの役割を担っています。前職は独立系のコンサルティング・ファームでIT・業務改革コンサルタントとして働いていました。
ポーカーが好きで、Asian Poker Tourというポーカー大会で優勝したことがあります。
「ポーカープロなんですか?」とたまに訊かれることもありますが、新卒からずっとフルタイムで社会のために働かせていただいています。ポーカープロはなろうと思えばいつでもなれますが、ログラスというスタートアップで働くことは今しかできないのでログラスで働いています。私のキャリアやログラス入社の経緯については、以下の記事をご覧ください。
CSの一般的な役割
エンジニアの読み手の方向けにCSの役割を概説します。CS職のご経験がある方は読み飛ばしていただいて問題ありません。
CSは、便益を提供するステークホルダーが非常に多い職種です。ゆえに役割も多岐に渡ります。
対お客様:プロダクト活用をサポートし、プロダクトを通じて事業/組織/業務上の価値を感じている状態を生み出し、維持します
対自社事業:売上向上、利益創出に貢献します
対自社開発:お客様の声(VoC)を届け、プロダクト開発に必要なインプットを提供します
対自社マーケティング:活用事例を届け、マーケティングターゲットの磨き込みや、セミナー企画などに必要なインプットを提供します
対自社セールス:既存お客様からの紹介案件を繋ぎます
上記は代表的なものであり、すべては書ききれませんが、CSはSaaS事業におけるハブのような存在とご理解いただければと思います。
スクラムイベント・スプリントレビュー
スプリントレビューを知らない読み手の方向けにスプリントレビューを概説します。スクラム開発経験のあるエンジニアの方や、スクラム開発の流れを知ってるよ!というCSの方は読み飛ばしていただいて問題ありません。
スクラム開発のフレームワークは以下とされています。
1番右のオブジェクトがスプリントレビューです。これだけではなにか分からないため、ログラスエンジニアの@YuuSatoh がオススメしてくれた記事からスプリントレビューの目的を引用します。
ビジネス職の方には「インクリメント」という言葉は聞き慣れないかと思いますが、言い換えれば「価値を発揮する単位で追加開発された機能」になるかと思います。
つまり、スプリントレビューは平たく言えば「開発された機能をレビューする活動およびそれを行う会議体」と捉えていただければ、後述するこのnoteの本題はお伝えできるかと思います。
超具体的な3つの効用
さて、ここからが本題です。ログラスでは、スプリントレビューにCSが参加して、プロダクトに対するフィードバックを行っています。
私はログラスでしかスクラム開発に携わったことがないのですが、エンジニアメンバーの話を聞くに、スプリントレビューにCSが参加することはまれで、スプリントレビューの参加者は開発チームメンバーや担当プロダクトマネージャー(以降PdM)であることがほとんどだそうです。
ログラスでは、カスタマーサクセスの一般的な役割
を飛び越えて、スプリントレビューに参加することで、開発チーム、CSチームともに効用を感じているので、それらをお伝えしていきます。
効用①お客様と開発チームの距離が縮まり、プロダクト品質が向上する
一般的には、
開発チーム
↓
お客様
↓
お客様の声(VoC)の受け口としてのCS/開発チームへの伝言役としてのCS
↓
開発チーム
という流れで、追加機能に対するフィードバックが行われます。
プリセールスやCSの現場で「明日、新機能リリースされるらしいけど、よく分かってないやハハ。」と冗談交じりのコミュニケーションが行われてはいないでしょうか?
この状態だと、お客様が機能を触ってから、CSはサポートに入りますし、要望(VoCのひとつ)もリリースされた後に集まることになります。リリースしたが、実際はお客様の業務運用に組み込めるような機能ではなかった、といったことさえ起こります。
ログラスでは、
開発チーム
↓
お客様の代弁者としてのCS
↓
お客様
という流れで、追加機能に対するフィードバックがリリース前に行われます。
もちろんお客様に提供したあとに要望をいただき、開発チームに連携することもありますが、お客様の業務をよく知るCSの目線でまずレビューすることにより、リリース時点でのプロダクト品質は間違いなく高まります。
効用②スプリントレビューで修正チケットが起票される頻度が向上し、価値提供リードタイムが短縮する
ログラスでは、スプリントレビューで発表者とCSが話している間に参加者が修正チケットを起票したり、スプリントレビュー開催後に修正チケットを起票したりすることがよく起こります。(既存チケット更新も同様)
このようなイメージ。
一般的には、スクラム開発チームメンバー同士は、同質的な価値観・バックグラウンドを持ちやすいです。そこに、CSのように観点が異なる職種が存在することで、別の目線からフィードバックすることができます。
修正チケットがないに越したことはないですが、よりお客様目線に近しいCSから得たフィードバック、つまり観点の異なる質の高いフィードバックに基づき、修正チケットが起票されます。これにより、リリース後に修正が発生する頻度も減るため、お客様に本質的な価値提供ができるまでのリードタイムも短縮されます。
効用③お客様解像度の高いエンジニア、PdMが育つ
ログラスのスプリントレビューは毎週開催され、エンジニアチームメンバーのほかにチーム担当のPdMも参加します。
毎週少しずつでも、社内でもっともお客様のことを知るCSからレビューをしてもらっていたら、イヤでもお客様解像度は上がります。
こうした小さな積み重ねが、開発チームの血肉となり、複利が利いてくるので、とてもLTV firstな取り組みだと確信しています。
有名過ぎるネットミームですが、システム開発の現場では以下の画像のようなことがよく起こります。
私たちはたまたま同じシステム開発の現場にいるだけで、スキルも職歴も異なる人間同士です。そうした人間同士が「お客様に価値を届ける」という方向性のもと、同じ絵(顧客が本当に必要だったもの)を見ていくために厚いコミュニケーションが必要です。
参考
コストのかかるコミュニケーションではありますが、ログラスは組織拡大し、エンジニアもPdMも増えていくフェーズであるため、ワンショットの「研修」というかたちで育成するよりも、スプリントレビューという「スクラム開発運用」のなかでお客様解像度を醸成しながら育成する効用を感じています。
おまけ・ログラスの良い会議体文化
ログラスはNotionとSlackがもっとも用いられるコミュニケーションツールです。
スプリントレビューの発表はNotionページで行われ、発表内容のほか、リリース予定日などいくつかのプロパティを付けてNotionのデータベース機能を使って管理をしています。
スプリントレビューは基本的に発表者のエンジニアとレビュアーのCSが話すことが多くなる会議体ですが、ログラスにはスプリントレビューに限らず、会議体があるとSlackのスレッドでワイワイする文化があります。
「チームメンバーがあまり関係のない会議体で内職をする(そのためチームでの意見交換が活発にならない、相互協力が起きない)」というのは世の中の7,8割のマネージャーが抱える悩みではないでしょうか。
ログラスはこうした問題への対策としてはじまった訳ではないですが、自分が発言しない会議体の時間があっても、Slackで感想を言い合ったり、質問をしたり、称賛をしたりしています。
Slackで出た質問や重要な観点は、スプリントレビューのNotionページに転記し、フロー情報のストック情報化を欠かさずしています。これもスプリントレビューという会議体の生産性を高める要素となっています。
最後に
生産性の高いスクラム開発を目指す方はぜひ採り入れてみてください!自社でワークしなかったらやめればいいだけなので、トライするコストは低いと思います。
ログラスでは【株式会社ログラス Productチーム Advent Calendar 2022】を更新しており、ついに明日最終日となります!最終日はCTOの坂本龍太さんの記事が公開されます!
坂本さんの過去記事はこちら
お楽しみに!
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Marek Piwnicki, Jason Goodman, Taylor Smith, James Thomas, Markus Spiske, Patrick Hendry
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