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私(ダルマ)の仏教理論

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私(筆者)の考え等に関する記事を主にまとめたものです。
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#説一切有部

仏教認識論

仏教認識論

上座部仏教・大乗仏教における認識論的立場は、主に「無形象知識論」「有形象知識論」「有形象唯識論」「無形象唯識論」に分けられます。前半二つは内界・外界ともに実在として存在するという立場で、後半二つは外界は存在せずに内界だけが実在として存在するという立場です。それぞれの立場において、「我々の意識体験」がどのように作られているのかを、「今、私がリンゴの木を見ている」体験を例にお話ししていきたいと思います

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一即一切・一切即一③

一即一切・一切即一③

上の記事の続きになります。
前回は西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一により、中国天台宗の性具説と中国華厳宗の性起説における相違点を見て行きました。今回はまた急ですが、量子論の多世界解釈を少し見ていきたいと思います。

「電子のダブルスリット通過実験」を例に見ていきたいと思います。

そもそも、ダブルスリット通過実験は、19世紀初めにイギリスの物理学者ヤングが光の干渉という現象を発見した実験方法でもあり

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