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いち調香師は、画家に憧れ、音楽家に憧れる

画家に憧れる。
音楽家に憧れる。
小説家、漫画家、イラストレーター。
演奏者、歌手、役者。
表現できるすべての人に憧れる。

なぜなら。

最低限の道具があれば、その場で人を魅了することができるから。

調香師、香りの処方箋を書いて香りを創る事ができる特殊技能を持ちながら、その場で何もすることができない。

処方箋があっても、何もできない。

その場で香りを創ることはできない。
その場で即興ということができない。

調香師と境遇の似た職業に、大型飛行機のパイロットを挙げようと思う。

大型飛行機のパイロットは、そもそも飛行機がないと技術を役立てることが出来ない。
調香師も香りの原料がないと話にならない。
数百、数千種類の原料だ。
その場で、香りを創る事ができない。

楽器を演奏できるひとは、楽器があれば演奏できる。
画家、漫画家、イラストレータは、クオリティーを抜きにすればその場でさらさらと絵を描き、サインも添えることが出来る。
その場で人を喜ばせることが出来るのだ。

調香師は、原料がないとその場では何もできない。
それがもどかしい。
今色々考えている。その場で楽しませる方法。
即興で人に喜んでもらえる方法。

もうひとつ欠点がある。

香りは残せない。

楽譜は残せる。
後世、演奏することができる。
絵も劣化するだろうが残せる。

香りは処方箋は残せても当時の原料がないと正確に再現できない。
創った香りが残せたとしても、使いものにならない。香りが発掘でもしたかのように劣化した状態で残るだけで実際は使えない。

香りは飾れない。何度も再生できない。目に見えないため観賞できない。

調香師は、砂の城のような職業。
何か創っても、時という波に少しずつ消されてしまう。

だから、画家に憧れ、音楽家に憧れる。

香りは残せない。
創ったものがなくなればなくなる。

処方箋以外、香りは文字で伝えられない。香料名が書いてある処方箋があっても、ただの設計図。設計図から香りを想像できるひとは限られる。
だから、文字にも憧れる。

調香師という仕事は好きだけと、その場で人を喜ばせる事には向いていない。

画家の個展、音楽家の演奏会、歌手のライブ。

調香師はリアルタイムが苦手な職業。
砂の城のような職業。

そんな仕事だから今までなかった事、香りで出来そうなチャレンジをしたいと常に考えています。

チャレンジは、いろんな形で進んでいます!

人の役にたてる事

これがテーマです(^-^)

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