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023. イノベーションとは 「直観」と「直感」に従うことである

イノベーションに「直観」と「直感」は欠かせません。

物事の本質を捉え、そのモノのコアを見つめた時に感じる雷のような「閃き」そしてやらずにはいられないという「衝動」。それに突き動かされた時、イノベーションの一歩目は始まります。

方法論は科学することはできます。科学とは「再現性のある仕組み化」のこと。リーンスタートアップやデザイン思考のように、先人たちの試行錯誤を科学した結果のメソッドが確立してきています。

一方で、成功確率は科学できません。特に最初の一歩の「閃き」は、モノの見方であり価値観そのものです。世の中にある「当たり前」に疑問を呈し、あえて違う角度からみたからこそ見出せ、定義できる未来の「当たり前」がイノベーションに繋がります。

だから、新規事業を生み出す力、イノベーションを起こす力は、個人の「個性」と「センス」によるものなのです。それは継承できるものではなく、個別に発露するのです。

もちろん、サスティナブルな経営のためには、科学された方法論も重要です。みんながみんな「閃き」を重視していたら事業のボラティリティがとてつもなく大きくなり、とてつもない運任せの経営になってしまいます。

安定した経営のためには、オペレーションをロジックによって整え、成功確率を一定にする組織づくりが必要で、大多数の人がその中で活動することになります。

だから世の中にイノベーターは少ないのです。「直観」と「直感」だけにしたがって行動し始め、行動し続けることができるセンスを持っている人も、それができる立場にいる人も少ないから。

イノベーションのためには「直観」と「直感」の多様性を増やし、打席に立つ回数を増やすことだけが成功確率をあげる方法なのです。

結局のところ両利きの経営が重要なのです。両利きの経営とはいわば経験則に基づいて科学されたオペレーションで粛々と売り上げを上げる既存事業と、直観と直感に基づいてリスクをとってチャレンジし続けてイノベーションを狙う新規事業の両方にチャレンジすることです。

前者が今を安定させ、後者がその安定が崩れた時に次の成長の機会を創る。両利きの経営こそが、変化の激しい時代のその変化に柔軟に対応し、サスティナブルな経営を実現するために必要不可欠なのです。

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