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多様性とは、ありのままを理解することから始まる 〜絵本「みえるとか みえないとか」

自分がいるコミュニティにおいて「普通」なこと。それが他のコミュニティにおいては普通とは限りません。

多元多様性とは、それぞれがそれぞれに「普通」があることを認め合うこと。理解はできなくても存在することを認め合うことです。

しかしそれは同時に「普通」のなかで生きる人には難しい。井の中の蛙は大会を知らない。月の存在を知らない井の中の蛙は、月について想像することは出来ないから。

それを様々な表現で本作は語ります。

「みえないから できないこと」は たくさんあるけど、
「みえないからこそ できること」も たくさんある。

そもそも ぼくたちは みんな ちょっとずつちがう。
みんな それぞれ そのひとにしか わからない。
そのひとだけの みえかたや かんじかたを もっている。

人は本来人それぞれ違うのです。

しかし、人間はコミュニティに所属する生き物。そのコミュニティの中で「同じ」であることに安心を感じます。そしてそれが「普通」だと勘違いしてしまうのです。

そこから外れた人に心の奥底では「恐怖」を感じています。可哀そうと見下し、排除しようとすることで、コミュニティを守ろうとしてしまうのです。

しかし、同質であればあるほど、環境の変化に対応できなくなっていくのです。社会の変化が激しく畝りをあげている今の時代に、その変化へ対応することは避けては通れません。

多元多様性あるコミュニティにし、変化に複数のシナリオを検討し、複数のシナリオを実行することが重要で、そのためにこそ異質でコミュニティを多様にすることが必要です。

じぶんと ちがうひととでも、
おたがいの くふうや しっぱいや はっけんを
おしえあったら、 きっと みんな「へ〜!」ってなる。

未来が不確実な時代だからこそ、自分の価値観にだけ固執してはいけません。

目の前にある丸を丸としか認識できなければ、それは丸でしかありません。しかしそれを別の角度を知る人からみれば、それは円錐かもしれないし、円柱かもしれないし、球かもしれない。

その選択肢を知ることが、不確実な未来の扉を自ら開くために必要なことなのです。

しかしその多様性を一人が身に付けることはほぼ不可能に近い。世界の変化に対応するためにこそ、多様な人たちと理解を深めることこそが重要なのです。

おなじところを さがしながら
ちがうところを おたがいに おもしろがれば
いいんだね。


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