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人生を語ることは、イノベーションの一歩目でもある

スタンフォードに来て気づいた事なのですが、起業支援プログラムやシリコンバレーとの接点と同じくらい、あるいはそれ以上に大切にされているのが、お互いの人生ストーリーを共有する場です。

スタンフォード生は、毎週人生を語る 日本人学生が見た「起業文化」

人は誰しもが井の中の蛙だ。狭い世界が全てだと思い込み、その狭い井戸の中で誰が一番空の青さを知っているかを競い合う。しかしそこで競えるのはあくまでそこでも空の青さに限られ、他の井戸の「深さ」に思慮が至ることはない

それだけならまだしも、その狭い井戸の中の常識やルール、当たり前に縛られ、誰かの価値観を押し付けられて、無思考に行動している人が圧倒的に多い。押し付けられているとは気付かずに。

こと日本においては学校教育すら、その体たらくだ。時間のたっぷりあり、自らや人生、世界についてじっくり考えることのできる人生で唯一の贅沢な時間に、誰かの定めたレールを走ることだけを求めて、思考よりも知識を優先する。時にレールからはみでようものなら、強烈な同調圧力で尖りをとって染まるか、自死を選ぶかの二択を迫る。

自らの価値観が狭い井戸に陥っていることを知るためにこそ、誰か他人に「人生」を語らねばならない。

自らの価値観を井戸の外に出してアップデートするためにこそ、誰か他人の「人生」に耳を傾けねばならない。

自らの価値観を新たな境地へアップグレードしたことを確認するためにも、自らの考える理想の「人生」を語らねばならない。

日本では、学校教育においても、家庭においても、会社組織においても、人生を語り合う時間が少なすぎる。

語り合いをせずに、視野を広げることはできない。視野が広がらずにイノベーションに至るConnectint the Dotsを成すことはできない

井の中の蛙にも価値観は多様にある。まずは身近な誰かと、青臭くても「人生」を語る時間を作ってみてはいかがだろうか。

こうした場での内省の繰り返しと、巨大ビュッフェでの試行錯誤の末に、スタンフォード生はそれぞれの「人生のミッション」を見出し、具体的な変革行動へと強く踏み出していくのだと思います。実はスタンフォード発の起業とは、こうしたプロセスを経て、一部の学生にとっての「人生のミッション」として生まれているのでしょう。このことは、ここに来てみないとわからなかったことだなあと思っています。



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