【明清交代人物録】洪承疇(その九)
陝西から北京防衛に呼ばれた洪承疇は、すぐに東北の対後金の戦いに送られます。この戦場は、勝つためには皇帝に逆らわざるを得ず、そうすると皇帝に殺されてしまう、皇帝の命令に従うと後金の軍隊に殲滅されるという、明の将軍達の死屍累々たる墓場でした。
洪承疇も同じ憂き目に遭います。これは、逃れることのできない運命だったのでしょう。そして、そのことはこの戦場に送られる時点で、彼にはある程度想像できていたのではないでしょうか。過去20年に渡ってここに送られた明の将軍が、どの様な運命を辿って