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創業ストーリー #5

この頃、ブロックチェーンの仕組みについて知った私はとても興奮していました。今でこそ、ゲームやトレーサビリティなどその活用事例も多く出てきておりますが、当時は暗号通貨の基幹技術として話題となり、“インターネット以来の発明”とも言われ、その動向が注目されていました。

そのような中、私は一つの記事と出会います。ここにはエストニアのスタートアップについて書かれていました。そのスタートアップは「Funderbeam」という名の会社で、ブロックチェーン技術で巨大なサーバーを不要にし、非上場のスタートアップの株式を権利の売買を通じて、同じ市場の中で取引できるようにしたのです。

これにより、スタートアップは上場のための審査も証券会社も不要となり、一般の誰もがスタートアップに投資できるようになりました。つまり、誰もがエンジェル投資家になれるということです。このサービスを知ってすぐにエントリーし、わずかなお金でしたがいくつかのスタートアップに投資をしてみました。

実際に使ってみるとこのサービスの良さがすぐにわかりました。スタートアップからの丁寧な情報発信や投資家とのコミュニケーションも図られ、まるでビジネスを一緒に推進するチームの一員としてコミットしている感覚が味わえたのです。

そこで、この感動をFunderbeamに伝えたいと思い、CEOのKaidi Ruusalepp氏にメッセージを送りました。するとすぐに返信があり、そこには私のメッセージに対する感謝とSlush Tokyo 2017に登壇するため近々来日する予定があるとのことで、「会場で会いましょう」と提案をしてくださいました。

当日は、会場のミーティングスペースで待ち合わせ、登壇の合間を縫って時間をつくってくださり、お話をさせていただきました。このとき、私はせっかく会うのであればただ話すだけではなく、何か良い提案をしたいとも思っていました。そこで考えたことが、Funderbeamの日本語版ハウツーサイトです。どれだけ革新的でどのような体験ができるサービスなのか、その良さと使い方を日本で広めたいと考えました。

このことをKaidi氏に提案するととても喜んでくださり、その場でエストニアのチームに繋いでくれました。私もそのテンポの速さに感銘し、そうであればエストニアで打ち合わせをしたいと伝え、すぐにエストニアの首都タリンにある彼らのオフィスへの訪問を決めました。

エストニアのオフィス訪問を経てから、同社のスタッフとは頻繁な交流が始まりました。クロアチアの起業家や投資家と出会うツアーを組んでくれたり、日本で一緒にお酒を飲んだり、楽しい日々を過ごしました。同社のスタッフやそこを離れた友人、Funderbeamに会社を上場させた起業家やそれらの投資家の方などとの交流は今でも続いています。

そんな中、日本の企業との出会いもありました。それが、Funderbeamへの出資もしているMistletoe株式会社でした。そして、2018年にMistletoeで一つのプロジェクトが動き出します。

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