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【完全保存版】 Android11がリリース! 新機能・仕様変更を徹底解説🔥 〜PlayStore・PlayConsole・AdMob の機能追加・仕様変更もまとめて解説〜

■ はじめに
こんにちは!Repro Growth Marketerの稲田宙人(@HirotoInada)です!

9月9日に遂にAndroidの最新OSである「Android11」が一般ユーザー向けにも正式リリースされました。フルパッケージ版であるAndroid11はまだPixel端末を主とした一部端末のみでの利用が可能ですが、RAM2GB以下の端末向けに軽量版OS「Android11(Go Edition)」も10日にリリースされており早速試している方も多いのではないでしょうか?

さて、本noteではアプリ事業者・マーケターが知っておかなければいけない「Android11」の最新機能を徹底解説します!その他、Google Play Store・Google Play Console・Google Ad MobもOSのリリース前後で重要な変更点が存在したのでまとめて取り上げます!少々ボリューミーな内容にはなりますが早速いってみましょう!

尚、Android11の概要はGoogle公式の以下の動画とリリースをご覧ください!

A:Android11

まずはメインテーマであるAndroid11の新機能と仕様変更に関してです。チャットアプリの利便性とプライバシーの強化が主軸に置かれた機能追加・仕様変更が多いですが、他にもアプリ事業者は把握しておかなければいけないトピックが満載です。それぞれ見ていきましょう。

①:メッセージの通知設定の強化

チャットアプリの通知は他の非チャットアプリの通知よりも上部に別枠で表示されるようになります。さらに、アプリごとに通知がグルーピングされるように。 この別枠に表示させるには、ConversationShortcutの実装及び、通知にMessaginStyleを採用することが必要です。

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Source:Top Features in Android 11

尚、通知を長押しすることで通知設定が開き、メッセージをミュートにしたり、Bubbleにすることもできる他、優先設定にすることもできます。優先設定を適用した会話に関しては、常に最上部に固定されて表示される他、通知拒否設定時間も超えて通知を受け取ることができます。

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Source:Top Features in Android 11

②:”Bubble”機能の追加

前述の通知設定の強化に加えて、新しい通知機能である”Bubble”が導入されました。”Bubble”機能を実装したチャットアプリの会話は、画面上に丸のアイコンで表示されるようになり、アプリを切り替えることなく会話をポップアップさせることができるように。ユーザーはどの会話を”Bubble”として表示するかを、先述の通知画面などから選択することができます。

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Source:Top Features in Android 11

Android11以前もFacebookMessangerでは同様の機能がありましたが、満を辞して全てのチャットアプリにも適用される形となりました。尚、”Bubble”機能の使用にはConversationShortcutの実装及び”Bubble”のメタデータの設定が必要になります。

通知設定の強化と”Bubble”機能の詳細は以下の公式動画が非常に分かりやすいです!

③:One-time permissionの導入

マイク・カメラ・位置情報の許可に新たなオプションが追加されました。旧来は、許諾するかしないかの二択であったものが、「一度だけ許可する」のオプションが追加されています。
iOSではiOS13から同様のオプションが追加されていましたが、Androidにおいても踏襲された形となります。
もし、ユーザーが「一度だけ許可する」を選択した場合は、次回ユーザーがアプリを起動した際に再度許諾リクエストを行うことができます。

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Source: Turning it up to 11: Android 11 for developers

④:権限の自動リセット

ユーザーが一定期間アプリを使用していない場合に、カメラ・マイク・位置情報取得の権限を自動的にリセットする仕様に変更となります。
リセットされる際には、ユーザーには以下画像のように通知されますが、自動リセットされる点には注意が必要です。
もし、リセットされた場合は、次回ユーザーがアプリを起動した際に再度許諾を求めることで権限が復活する可能性はあります。

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Source:Top Features in Android 11

尚、ユーザーが実際にアプリを起動しなくてもバックグラウンドでの利用が前提になっているようなアプリの場合は、以下の画像のように、デフォルトで権限自動リセットをオフにするように依頼することもできます

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Source:Permissions updates in Android 11

⑤:バックグラウンドでの位置情報取得の厳格化

バックグラウンドでの位置情報取得の手順が更に厳格化されました。

もし、アプリがバックグラウンドにある際にも位置情報取得をしたい場合は、まずフォアグラウンドでの位置情報許諾をユーザーから取得した上で、別途バックグラウンドでの許諾を求める必要があります。もし、ユーザーがバックグラウンドでの許諾意思がある場合は、当該アプリから設定アプリに遷移して許諾を完了する形になります。

尚、2020年2月に発表された通り、バックグラウンドで位置情報取得をする場合は、Googleから認可を受ける必要があります。既存のアプリに関しては2021年までに認可を受けなければいけないでの注意が必要です。

⑥:対応スクリーンタイプの追加

通常のスクリーンタイプとは別に、Android11からはパンチホール型ウォーターホール型のスクリーンも対応するようになりました。APIを実装することで、ウォーターホール型のエッジに合わせた新しい機能やUIを適用させることが可能になります。

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⑦:スクリーン録画機能

Android11ではユーザー待望のスクリーン録画機能が遂にデフォルトで実装されます。動画画面だけだなく、音声・タッチモーションまでキャプチャできるようになります。

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Source:Top Features in Android 11

B:Google Play Store

次にGooglePlayStoreの新機能・仕様変更に関してです。Android11のリリース前後で、PlayStoreにおいても大きな変更や新機能の発表がされました。アプリ事業者であれば絶対に知っておかなければいけない項目ばかりなので要チェックです!

①:キーワード検索結果にフィルター機能が追加

キーワード検索をした際の、検索結果にフィルター機能が追加されました。フィルターでは、「アプリの評価」と「新着」や「エディターのおすすめ」などで絞り込みが適用できるようになっています。

この中でも、「アプリの評価」での絞り込みは特に事業者にとってインパクトが強いです。以下の図は、星4.5以上で絞り込んだ結果ですが、オーガニックの検索結果1位で表示されていた「Omiai」が「Feliz」に置き換わっているのが見て取れます。
このように、たとえDL数やAU数の複合的要因でオーガニック1位に表示されていても、アプリの評価が悪ければ検索結果からは消されてしまうようになります。逆に言えば、DL数の規模が小さくてもユーザーに評価されるアプリであれば、しっかりとユーザーの目に留まるようになるということです。

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これは、Googleが2019年5月に今後レビュー・評価をますます重視していくという公式発表をした流れに乗っており、今後はよりユーザーに評価されるアプリをつくるということが重要になってくるということを表しています。
尚、UAC広告に関しては上画像の通り、フィルター条件の対象外となるようです笑

②:強調スニペットの導入

検索結果でアプリ名の下に、検索ワードが含まれるアプリ説明文の一部が表示されるようになっています。現状は一部の端末・一部の検索キーワードのみが対象にはなっていますが、今後正式導入される可能性もあるでしょう。Google検索本体でも、検索ワードが含まれる文章へのアンカースニペットが実装されていたので、PlayStore上でも踏襲されている模様です。

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Source:ASO Monthly #49

ASO観点での影響としては、文章として戦略立ててライティングする能力がより求められていくと僕は考えています。理由としては、検索結果に表示させるために闇雲にキーワードを詰め込むと、意味が分からない文章が検索結果に強調スニペットとして表示される可能性がある為です。これは、結果としてCVR低下に繋がり得る為、より本質的な小手先ではないASO施策の重要性が高まります。

③:Youtube動画がストア詳細ページに表示されるように

こちらも一部のアプリ・検索キーワード・端末のみでの実装にはなりますが、重要なアップデート内容になります。
変更内容としては、デベロッパー自身がストアに設定されているプレビュー動画だけでなく、一般ユーザーがアップロードした当該アプリに関する動画も、ストア詳細ページに表示されるようになっています。
現状はPUBGのような超巨大アプリにのみでの実験段階のようですが、CVRにどのような影響を与えるかは要チェックと言えるでしょう。

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Source:Google Play Store tests showing popular gameplay videos within game listings

個人的仮説としては、本変更は昨今のサクラレビューや、広告クリエイティブとゲーム本体の内容の乖離問題を是正する為なのかなと思っています。前述の通り、本セクションで表示されているYoutube動画はデベロッパー公式の動画ではなく、一般ユーザーが投稿したものです。
これはつまり、アプリ評価とは別に、動画によりユーザーの声を届ける・アプリの使用イメージを伝える目的で実装されているということではないでしょうか?

本機能が正式実装されるかは未定ですが、ユーザーが本当に求めるプロダクトを作るのはもちろん、UGCが生み出されるような体験・コンセプトをユーザーに提供するということが重要になるのではないでしょうか?

④:ネイティブレビュープロンプトAPIの登場

旧来AndroidではiOSと違い、アプリ内でレビューを求めるダイアログが公式には用意されていませんでしたが、遂に公式のAPIが提供開始されました。これにより、アプリから離れることなく評価・レビューが完結するようになり、ユーザー評価を集めやすくなります。

現状のガイドライン上では使用はあくまで推奨であり強制ではないですが、iOSでも今年3月に使用が強制化されたこともあり、ゆくゆくはAndroidでも義務化される可能性は高い
でしょう。

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Source:Google Play In-App Review API

海外では既に実装を開始したアプリにおいてiOSで実施した際と比較して、あまり評価が集まらなかったという声もありますが、早い段階で試用することをお勧めします!

⑤:Custom Details Page(CDP)機能の登場

こちらに関しては、現状一部のデベロッパーのみにアーリーエントリーとして解放されている機能ですが、ゲームチェンジャーになり得る重要な機能になっています。
この機能は簡単にいえば、ユーザーが踏んだ広告に応じて、ストアページの説明文・スクリーンショットを変更することができるようになるものです。元々、踏んだ広告に応じて初回アプリ起動時の体験を変更するディファードディープリンクは機能として存在しましたが、今回のCDP機能と合わせることで、認知からランディング・利用開始のユーザー体験を認知のきっかけに合わせたシームレスな体験を提供することも可能になります。

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機能の詳細や具体的なユースケースに関しては、以下記事が手前味噌ですが最も詳しく、且つ日本唯一の解説記事となっている為ぜひご覧ください!

C:Google Play Console

GooglePlayStoreの変更に合わせて、Androidアプリの管理コンソールであるGooglePlayConsoleにも大きな変更が為されました。多くの記事では、機能レイアウトなどのUI刷新ばかりが取り上げられていましたが、機能強化や指標・ソースタイプの定義・計上先変更など、重要な変更点が盛りだくさんです。以下重要な変更点を箇条書きにします。

A:獲得レポートの機能拡充
①:時系列で獲得レポートが見られるように
②:フィルターの複数組み合わせが可能に

B:指標定義の変更
■ ソースタイプ構造・計上定義の変化
①:ストア掲載情報経由の数値のみがユーザー獲得の分析に計上
②:再インストールも獲得レポートの対象に
③:既存アプリ保持ユーザーの除外
④:アトリビューション期間の短縮と判定基準

■ GooglePlayの検索の計上定義変更
①:GooglePlayの検索にストア内広告が含まれるように
②:キーワードサジェスト経由は「GooglePlayの検索」に計上

機能強化の詳細や指標定義の変更に関しては、以下記事が手前味噌ですが最も詳しく、且つ日本唯一の解説記事となっている為ぜひご覧ください!

D:Google Ad Mob

最後に広告関連のアップデート情報もまとめておきます。広告モデルのゲーム向けの機能強化がメインでしたが、非ゲームの広告運用を効率化させるような重要機能も追加されている為、この機会にチェックして見てください!以下重要な変更点を箇条書きにします。

・App Open
・Rewarded Interstitial
・UnityとAdMobの連携の簡易化
・Open Bidding
・LTV Pingback
・Pre-Registration Ads
・Target Cost per Install
・Target ROAS
・クリエイティブサイズの仕様変更
・App Campaigns for engagement

機能強化の詳細や仕様変更に関しては、以下記事が手前味噌ですが最も詳しく、且つ日本唯一の解説記事となっている為ぜひご覧ください!(今までアップデート情報はわりと日本の方が早かったイメージありますが、ここ数年は中国でまず発表されるケースが多いですね…)

最後に

以上が最新OS”Android11”、及びそれに連動したGooglePlayStore・GooglePlayConsole・GoogleAdMobの機能追加・仕様変更のまとめ徹底解説でした!

Android11の新機能はチャットアプリ特化の内容でしたが、プライバシー関連の変更点は全デベロッパーに関係する点なので把握が必須です。
また、PlayStoreやPlayConsoleはアプリ運営にとって切っても切れない機能になる為、最新情報のキャッチアップをお勧めします。

個人的印象としては、Androidはプライバシー関連はAppleiOSに追従する流れを見せていると感じており、今後も遅れてAppleと同様の動きを取る可能性は大いにあると思います。
一方で、Androidが昨年から一貫しているのがユーザーが真に評価しているものを推し出す姿勢です。Appleのようにエディターがお勧めするアプリではなく、一般ユーザーが評価しているアプリをユーザー自身が選択できるようにする、まさに集合知のAndroidらしい考え方だなと思います。

盛りだくさんな内容でしたが、どれも重要な変更点なので参考にしてご自身の事業に活用頂けると嬉しいです!

また、PlayStore・PlayConsoleに関しては、Podcastで詳しく解説していますのでそちらも良ければご視聴頂けると!
シェアする際にはハッシュタグ #モバアプ をお忘れなく!

最後までご覧いただきありがとうございました!また次回のMobileUpdateでお会いしましょう!

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