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【US事業開発記】植物性卵「UMAMI UNITED」1ヶ月のアメリカ訪問を振り返る

こんにちは!UMAMI UNITED JAPAN 代表の山﨑です。弊社は「ONE TABLEで未来を創る」をミッションに植物性卵を開発しています。ヴィーガンやアレルギー等、様々なバックグラウンドを持たれた方がONE TABLEで食べる事ができる社会を創造し、その一食が社会にとってやさしい選択肢でありたいという想いで創業をしました。

前回の記事(植物性卵「UMAMI EGG」 2023年の振り返り&今年の意気込み🔥)でも触れた通り、2024年の重要なマイルストーンの1つに「アメリカでの成果」を掲げております。

2024年 年初、満を持してアメリカでの在庫、ディストリビューション体制が整ったことをきっかけに、ベースの事例創出と提案体制構築をお題目にして、2月から約1ヶ月間渡米することにしました。

日本発フードテックスタートアップとして、アメリカに挑戦するケースはそこまで多くはないかと思いますので、うまくいっているところも、うまくいっていないところも、可能な限り発信をして、近しい境遇の方の少しでも助けになれれば幸いです。(我々も道半ば of 道半ばなので、あまりにも助けて頂くことが多く、教えて頂いたことや気がついたことを発信することで少しでも還元できればという想いです)


渡米成果

今回の最大の成果はターゲットである「大学給食市場」の導入に至った点です。まだまだ課題は絶えませんが、0から1、仮説から事実(実績)に変わったという点では、大きな手応えを感じました。

カリフォルニアにあるCal Poly Pomona(カリポリポモナ)大学の朝食メニューのパンケーキ、エッグサラダでUMAMI EGGをご利用頂きました。当日の様子を動画に収めましたので、宜しければご覧ください!

実際に現場の方々に手を動かして頂き、無事に提供されたこと。生徒の90%以上がプラントベースと気がつかずに食べていたこと。これらはポジティブな評価として受け止めております。味のクオリティ面はクリアできたので、再現性(誰が調理しても一定レベルのメニューに仕上がる状態)に拘って誠意フォローアップ中です。(後述しますが、アメリカは日本と比べものにならないぐらいダイバーシティ豊かな国である為、阿吽の呼吸は全く通用しません。とにかく分かりやすい(Simpleな)オペレーションを意識しないと広がらないと痛感しています)

UMAMI EGG SALAD!
UMAMI EGG PANCAKE!

そもそもなぜ大学をターゲットにしているのかを少し補足させて頂きます。アメリカの大学は約6,000校存在し、学生は2,000万人近くいると言われており、若年層のプラントベースの意識が高く、またアレルギーや宗教対応の観点からも、植物性メニューの導入が加速しています。大手学食ケータリング会社のSodexoは2025年までにメニューの50%をプラントベースに切り替えると宣言をしています(詳細ページ)。UMAMI社が掲げるONE TABELの概念にも通じるものがあり、事業的にも、企業理念的にも、注力をしたいターゲットであると考えています。

少し話が逸れましたが、大学を中心に事業開発をしていく中で、有難いことに沢山の仲間に恵まれました。この点も大学での初事例に並ぶ大きな成果です。

Cal Poly PomonaのKris Chef
College of DupageのNancy先生
Glass BoxのEthan Chef

特に苦労した(している)点

さて、綺麗事はこれぐらいにして(笑)
1ヶ月の間でぶち当たった壁をいくつか紹介させてください。

1. 異文化との戦い

いきなりど定番からですが、やっぱりハマりました。単位や原料の違い、味の好みの違い等、文化の違いにはかなり手こずりました。単位でいうと、gやozの違いって別に大したことないじゃん!と思えるのですが、ベーカリーの提案はサイエンスな部分があり、少しの違いがブレを生んでしまったり。またグルテンフリーの粉といっても、日本だと米粉が中心なのに対して、アメリカでは、アーモンドフラワー、オーツフラワー、アマランスフラワー、〇〇ガム系等、とにかく種類が多い…加えて、同じメニュー名でも、日本の卵サラダとUSのEgg Saladでは食感、風味は全く異なる始末。

そこでやったことは2つ。1つは徹底的な現場主義。仲良くなった大学のシェフにお願いをしてキッチンの中身を隈なく見させて頂き、徹底インタビュー。ネット上や資料からは得られない貴重な生データや生の声を集めることができましたし、困った時はいつでもチャットしてと言って頂けるような関係値になれたのは大きな財産です。もう1つは客観的な視点で判断する為に主語を意識しての会話。試食時のあるあるで「お!美味しいね!」となった時が要注意。それって誰にとって?という会話を徹底。「”私は”美味しい」「”○○さんにとっては”美味しいのかな?」という感じ。当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、渦中にいると陥りやすい間違いあるあるな気がします。

2. とにかくシンプルに!

アメリカが多様な人種で成り立っている点。教育レベルの格差が存在する点。人材の流動性が高く、頻繁に入れ替わりが発生する点。これらの事情を加味して、いかに「シンプル」なオペレーションであるかが、日本以上に重要になってくると痛感しました。明日誰かが急に来なくなっても回るようオペレーションを確立する必要があるのは、アメリカの流動性の高い転職市場だからこそなのかもしれません。確実に言えることとしては、日本でいう阿吽の呼吸は存在せず、分かりやすくシンプルに伝えることが、兎にも角にも重要だということ。先の大学での導入事例をキッカケに課題が見えてきたので、シンプルなオペレーション提案を絶賛強化中です。 

大学給食現場の皆様には色々教えて頂き感謝!

3. 何者でもないということを再認識

有難いことに日本国内ではUMAMI UNITEDの知名度が少しずつ上がってきているように感じております(もちろんまだまだです!)。一方でアメリカはというとまだまだ0に近い状況です。UMAMI創業前にお世話になっていたGreen Monday / Omni Foods(香港発の代替肉スタートアップ)のCEOと久しぶりの再会を果たし、有難いお言葉を頂きました。

Green Monday / Omni Foods CEO David氏

「アメリカはタフなマーケットだ。アメリカでは誰もUMAMI(Hiroto)のことを知らないし、自分たちがいかに小さな存在であることを忘れてはならい。どんな規模(小規模)でも良いから、個人店や1つの大学カフェテリアでカスタマーが大満足した(≒ Profitable(儲かった))サクセスフルケースを作ることに集中しよう。」

実は彼からはアメリカの厳しさを教えて頂いたのですが、それでも決意を変わらないし「やり続けます」という話をさせて頂きました。ただし、自分の現在地を認識すること。足元の実績を固めること。カスタマーのサクセスフルケースを創出すること。これらは何をやるにせよ間違いなく重要です。初心に立ち返る機会を頂けたことに心から感謝です。 

お役立ち TIPS

1にLinkedIn、2にLinkedInです。LinkedInはビジネス版SNSのようなサービスで、日本ではそこまでの利用者がいないと聞いてますが、海外では肌感ですが、結構な割合で使っています。(商談して8割以上はやっている感覚)

私はLinkedInで日々の活動ログやニュース配信を行なっていますが、海外の事業開発や仲間探しにもフル活用をしています。

ちなみに私のLinkedInはこちらです。
https://www.linkedin.com/in/hiroto-yamazaki-3abb33188/

例えば、どこどこに住む、●●の会社/業界、●●の役職(シェフ、購買、Exective)の方と繋がりたいと思ったら、検索をかけると近しい方がヒットします。あとは自己紹介とセットで連絡するだけ。

こんな感じ

今回の提案アポもLinkedIn経由で結構な数を獲得していますし、仲間探しにもピッタリ!フォロー頂いている方からタグ付けやDMで紹介してもらえたりします。実は今回レシピ開発者の採用が1つのミッションだったのですが、無事に出会うことができました!ただし、条件は英語で発信をし続けること。どんな些細なニュースやログでも良いので発信をしていると思わぬ出会いにつながります。

この「レシピ開発者探してます!」の投稿から最高のレシピ開発者と繋がりました!

余談ですが、アメリカで感じることは、新参者に優しいということ。もちろん、優しさや自由には責任がセットですが、チャレンジする人を応援してくださる風土がこの国には根強く存在しているように感じます。ホテルや大学のキッチンに入り込んだ提案時も、困ったり、疑問に思ったことは、優しく丁寧に教えてくれる人が多い印象です。(たまたまそういう出会いが続いているだけかもしれませんが笑)

ですから、LinkedInやInstagram等、SNSを使った仲間探しや事業開発は本当におすすめです。まだLinkedInやっていない方は是非!(回し者並におすすめしてしまう程恩恵を預かっています笑)

今後の展望

冒頭触れた通り、2024年の重要なマイルストーンの1つに「アメリカでの成果」を掲げています。当然ながら、日本での事例創出は継続して参りますが、UMAMIとしての急成長・ブレークスルーはアメリカにあると信じています。無謀な挑戦だという人もいますが、ここはブラさずやり抜く所存です。まだまだ書ききれないぐらい想い・可能性・苦悩はありますが今回はこれぐらいに!

アメリカへの挑戦は引き続き強化をしていく予定でいますので、UMAMIの取り組みに興味を持って頂けた方は、いいねやフォロー、シェアをして頂けますと幸いです!また継続的に仲間探しは行っておりますので、UMAMIに加わってみたいと思って頂けた方は是非Wantedlyや会社のnoteをご覧ください!ご連絡お待ちしております!


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