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【閲覧注意】要約サイト・要約チャンネルの罠

こんにちは、ヒロタです。
今の時代は便利ですよね。本を買わずに本の内容を知ることができます。

その方法とはズバリ、ブログやyoutubeで要約サイトや要約チャンネルを見てしまうことです。そうすれば無料かつ数分で有料級の情報を得ることができてしまいます。

そんな一見便利そうな要約サイトに、隠れたデメリットがあることはご存知でしょうか?

今回はそのデメリットを挙げていきます。

誤情報に惑わされる

一番のデメリットはこれです。
内容の齟齬、つまり筆者の言いたいことを誤解してしまうことです。

具体的に。

今回はハンス・ロスリングの『FACTFULNESS』を例にとってみます。


この本の内容を簡単に要約してしまうと、

「データを見て、ネガティブな情報ではなくポジティブな方に目を向けよう」ということです。

現にどの要約サイトでもそのような内容が書いてあり、それを現在のコロナ禍についてまで適用しているサイトもあります。

しかし、この本をよく読むと筆者はこう言っています。

大災害がまさに起きている最中に、「世の中は良くなっている」と言うのは場違いだ。とてつもなく大きな苦しみの中にいる被害者や、被害者の家族の気持ちを踏みにじるだけだ。人としても完全に間違っている。

ファクトフルネス
日経BP社

要約サイトしか見ないとこういったただし書きを見落とします。
「データを見て、データ上は世界はよくなっているのだから恐れるな」という要約サイトの情報だけだと、

「なんだ、世界は悪くなってないじゃん。何も怖くないじゃん」と誤解し、
自分さえ良ければ関係ない、日本を含めた世界で紛争が起ころうが疫病が蔓延しようがお構いなしの危険思想が生まれかねません。
それが要約サイトの怖いところなのです。

ファクトフルネスをコロナ禍や現在起こっている戦争に適用したサイトやチャンネルの運営者は、「人として完全に間違っている」ことを自身の要約で証明してしまってるのだから皮肉です。

ちなみに僕自身の意見を言うと、ファクトフルネスの考え方自体、何か非情さが感じられるので好きではないです。オススメはしません。ただ、ニュースを見て必要以上に怖がってしまうタイプの方はパラっと読んでみてもいいかもしれません。
逆に元々ニュースとか世界情勢を見て怖いとか思わないタイプの方は読まないほうがいいです。

これはかなり極端な例ですが、僕自身がいくつかの本を読み、かつその要約サイトを検証した結果、このような内容の齟齬、ズレは多数起こっているように見受けられました。

読書をしない人になってしまう

これはシンプルな理由で、要約サイトの存在で読書をしなくなるというデメリットです。

厚生労働省によると、高ストレス保持者の人は読書をしていない人が多く、低ストレス保持者の人は読書をしている人が多いらしいです。


つまり、読書はストレス解消にいいと言う話です(要約)。

そんなストレス発散の手段を、要約サイトに奪われてしまうというのは勿体無いと感じたので挙げてみました。

語彙力の低下

読書の真骨頂は美しい文章に触れることができたり、難しい言葉に触れては調べて覚えることだと個人的には思っています。
要約サイトの存在は、文字を読むという行為をスキップする習性を植え付けるものです。

ですので、これも先ほどのストレス解消と同じような理由です。
語彙力を増やす機会を損失してしまうのは勿体無いと思います。

要約サイトはアマチュアが書いた文章なので、そこから語彙力が向上する可能性は皆無と言っても過言ではありません。要約チャンネルはサイトよりも顕著です。耳で聞き流してしまっては、語彙力を増やしようがありません。図解サイトは言うまでもありません。

まとめ

要約サイトは上記に挙げたように、機会損失の塊だと思います。本はなるべく自分で読むほうが良いと思っています。

※要約サイトは活字が読みたくない、そもそも読めない方にとってはありがたいなくてはならない存在ですし、完全に否定するつもりはございません。

今日のおすすめは、セネカ著『生の短さについて』です。

快楽主義のエピクロス派と禁欲主義のストア派とあって、セネカは後者のストア派です。

かと言ってこの本はひたすら禁欲や我慢を勧めてくるわけではなく、この世の理や心の保ち方(特にピンチ時)について書かれていて非常に有用だと感じました。

岩波文庫の中では比較的読みやすいというのもあり、おすすめです。


記事を最後までご覧いただきありがとうございました^^

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