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「相対音感」と、「楽譜を書く」能力を同時に身につける方法

独学か、習いに行くべきか?」の記事でもちょっと触れましたが、僕自身20歳を過ぎてから身につけたこの「相対音感」と「楽譜を書く」スキルは作曲や編曲をする上で非常に役に立っています。

電車の中でも出来る簡単なトレーニングで、「相対音感」と「楽譜を書く」という2つのスキルを同時に身につけることができますので、ここにシェアさせていただきますね!

「絶対音感」は無理でも、「相対音感」なら、今からでも身につけられる!

音楽を演奏する人にとって「絶対音感」って憧れますよね!
しかしながら、ある程度の年齢になってからでは、なかなか身につけられるものではありません。

でも相対音感であれば、年齢問わず誰にでも身につけることが可能です!
ただし誰にでも…と言っても、たった一つだけ条件があります。

それはドレミファソラシドが正しく歌えること。

日本人であれば学校の音楽教育で叩き込まれていますから、ほとんどの人はドレミファソラシドを歌えるはずです。

「相対音感×楽譜を書ける」=メリットいっぱい

【メリット1】
楽器を使わずにメロディーを書き留められる

シンガーソングライターなど曲を自分で作るという人には、このスキルを身につけるメリットはとてつもなく大きいと思います。

たとえば電車の中で、メロディーを思いついたとします。
周りに誰もいなければ、スマホにハミングして録音することも出来ますが、乗客の多い電車の中でスマホ片手にハミングも気が引けるし、約束の時間があるから途中下車は出来ないし…。

そんな状況にあっても紙とペンさえあれば、簡単にメロディーを書き留めることができます。
もし五線紙がその場に無くても、オタマジャクシの代わりに音符の旗の先にカタカナでドレミで書いておけば、とりあえずのメロディーストックは可能です。

実はそういう僕も、このスキルを身につける前は録音機材を常に持ち歩いてみたり、電話で家の留守電に鼻歌で録音したりしてましたが、このスキルが身についてからは、メロディーを思いついても録音機材はまったく使わなくなりました。

【メリット2】音感が良くなる

僕も20歳を過ぎるまで、感覚だけで曲を作っていましたから、自分が一体何の音を出しているのかもわかりませんし、ただ気持ちの良い音だけを拾って歌にしている感じでした。

そしてある発表会で一生懸命に作った自信作を歌った時のこと、審査をしてくれていた編曲家の先生に「ココのところ、音がぶつかっているからコードを変えた方が良いね…」と言われました。

自分ではとても気持ちの良く歌っていましたし、そこのコードの響きも気に入っていたので、何を言われているのかさえわからない状態…。

ところが楽譜を書くようになって、その部分を目で見ながら音を聞くようになってから、初めて編曲家の先生が言っていたことが把握できました。
そしてそのうちに聞くだけでも音のぶつかりや不協な和音などがわかるようになってきました。

また編曲を習い始めて、いろいろな楽器の音を書くようになると、それまでまったく耳に入っていなかった楽器の音さえもが、浮き出すように聞こえるようになってきました。

やはりただ耳だけで聴くよりも、目と耳で確認することで、音に対する把握力が高まる=音感が良くなるんだということを実感しました。

【メリット3】メロディーの記憶力が高くなる

相対音感が出来てくると、例えばライブに行った時などに初めて聞いた曲でも、そのメロディーが何の音で出来ているかがわかるようになります。

・・・と言っても、絶対音感ではないので「移動ド」で何の音かがわかるということ。
たとえば実際の曲のキーがGだったとしても、Eだったとしても、相対音感で出来るのは、すべてCキーにみなしたドレミファソラシドで把握する能力なんです。

だけどこれさえ出来れば、後でキーを調べて、原曲を再現することが出来るわけですから十分ですよね。

そして不思議なことに一度しか聞いていない歌でも「あのサビのメロディーはソファミレ~♫だったな…」と頭の中で音符に変換することで、一旦忘れてもまた思い出すことが出来るんですね。
このスキルがない頃は、気に入ったメロディーでも一度忘れるとまず思い出せなかったのですが…。

「相対音感」×「楽譜を書く」2つの能力を身につけるトレーニングのやり方

さてそれではいよいよ、このスキルを身につけるためのトレーニングの方法を伝授しますね!
まず、五線紙ノートを用意して下さい。
そして、そらで歌えるくらい知っている曲がたくさん入った楽譜集を用意して下さい。
最初は出来るだけ短くて、転調がない簡単な曲の方がベターです。
童謡や音楽の教科書に出てくるような曲から始めるとスムーズです。

まずトレーニングに使う曲は必ずCのキーの曲を選んで下さい。
(Cキー=ト音記号の横に#bがついていない)
そして選んだ曲の最初の音が何かを調べておきます。

そして五線紙を開いて楽器を使わず、最初の音だけを頼りに間違っても良いから楽譜にしてみるということをします。

たとえば最初の音が「ソ」だったとして、メロディーの音が下降している場合には頭の中でソファミレ・・ソファミレ・・ソファミレ・・と何度も繰り返すうちに、次の音が「ミ」なのか「レ」なのか、何となく検討がつきます。

逆にメロディーが上行しているならば、ソラシドレ・・と頭の中で何度も反芻していると次の音が「シ」なのか、「ド」なのかがわかります。

これを繰り返して、一音一音探って行けば良いわけです。

もちろん音が飛んでいるほど、次の音を探るのが難しくなります。
メロディ自体がソファミレドレミミみたいに隣の音がつながったようなメロディーほど探るのが簡単です。

ですから、最初はあまり音飛びの少ない流れるような曲から初めて、徐々に音飛びが激しい曲にチャレンジすると良いと思います。

そして音の長さについては、8ビートの曲なら、8分音符をWの一辺として数えます。(♪=\ ♪♪=\/ ♪♪♪=\/\)
これ、たぶん小学校の音楽の授業で習ったんじゃないでしょうか?
そして16ビートなら倍にして16分音符をWの一辺にします(♬=\/)

そして全部書き終えたら、なるべく早めに楽譜と照らし合わせて答え合わせをして下さい。

おそらく童謡ばかりでは飽きてしまうので、少し慣れてきたら自分の好きなアーティストの曲や知っている曲を片っ端から書いて行ってみましょう。

そしてCキー以外の曲については、その曲が「移動ド」だと最初の音が何の音になるかを調べて、同様にトレーニングします。

そして楽器なしでCキーの楽譜を書いたら、それをオリジナルキーに移調して書き直してから、市販の楽譜と答え合わせをします。

この移調作業も実は各キーの音を知る上でとても役に立ちます。

また部分転調や、転調がある曲は、一気に難易度が上がります。
おそらくこの作業をする中で、どうしても頭の中で音がしっくりこないことが出て来るはずです。
そんな時はおそらく部分転調で、答え合わせをしてみるとメロディーに#bがついていたりして、「なるほど~」と逆に納得が行くものです。

途中からごっそりと転調している曲は、先に何のキーに転調しているのかを調べておいて、転調部分からまた変わったキーの移動ドで拾って行きます。

大学時代、素直だった私(?)は、この方法を信じて学校に行く電車の中、楽譜を持っている曲を片っ端から、楽譜にしてみました。
このトレーニングのおかげで、今では、頭に浮かんだメロディーを楽器なしでいつでも、楽譜に書きとめられるようになりました。

楽器なしで楽譜が書けるって何となくカッコいいと思いませんか?
でも、冒頭でお伝えした通り、ドレミファソラシドが歌える人なら誰でも身につけられるスキルだと僕は感じています。

だって、小さい頃にピアノを習ったわけでもない、音大に行ったわけでもない僕が20歳を過ぎてから身につけられたのですから…。

毎日、通勤、通学電車の中で繰り返していれば、1年後には相当書けるようになっているはずです。

興味ある方は、ぜひ試してみて下さいね^^


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