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第24回定期勉強会

こんにちは😊

去る6月2日(金)に、第24回オンライン定期勉強会が行われました✨✨
今回は、”広島県立障害者リハビリテーションセンター”の三谷良真先生から、
「Family Centered Service/Care」
というテーマで講義をしていただきました🥸✒️

今回の勉強会では、
Family Centered Service/Careって何?
Family Centered Service/Careって具体的にどうやって実践するの?

という2つの疑問に対して、
Family Centered Service(FCS)の理解を深めるために作成されたFCS Sheetについて講義が行われました。

✅ CanChild:Family-Centered Service

Sheet1. FCSとは?

FCSの歴史は1951年に心理学者のCarl Rogers家族中心のサービスに関する考えを提唱したことに始まります。
その後、1960年代にAssociation for the care of Children in Hospital「家族中心ケア」の議論を展開し、
1988年にRosenbaum博士FCSの概念的枠組みを発表しています。
日本では、以下の文献でFCSについて解説されています。
また、以前の勉強会でもFCSの前提・原則・要素などについて解説しているのでこちらもご参照ください。

✅樋室伸顕. "家族を中心とした理学療法 (特集 エキスパートが語る小児理学療法)." 理学療法ジャーナル 51.12 (2017): 1095-1102.

✅第7回オンライン定期勉強会「FCSについて②」

次に、FCSにおける重要な定義として、
・Family Centered Service:家族中心サービスは、特別なニーズを持つ子どもとその家族に対するサービスに対する一連の価値観、態度、アプローチで構成されている。また、家族中心サービスは、それぞれの家族がユニークであること、家族が子どもの人生において変わらない存在であること、そして家族が子どもの能力とニーズに関する専門家であることを認識するものである。
・サービス提供者:子どもと家族に直接関わる人(教師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、サービスコーディネーターなど)を指す。
・組織:子どもと家族がサービスを受ける場所や団体(地域プログラム、病院、リハビリテーションセンター、学校など)を指す。
・介入:子どもや家族と一緒に働く人が提供するサービスやサポートのこと。介入には、直接的な治療、あなたにとって重要な問題を解決するための会議、あなたの子どもを支援するための電話、他の親とあなたを結びつける行動などが含まれる。

また、FCSについてもっと知るための手段として、
以下の方法が挙げられていました。

・記事や本を読んでみる。
・CanChild内の情報源(Resource)セクションに掲載されているウェブサイトをチェックする。
・他の人に、FCSについてどのような考えを持っているか聞いてみる。
・FCSについて、家族やサービス提供者のための教育セッションを組織で開催してもらう。

Sheet3. FCSはどのような違いがあるのか?

ここでは、FCSを行うことの効果について、
FCSは小児リハビリテーションにおけるベストプラクティスであり、
FCSを行うことに関するアウトカムとして以下が挙げられました。
・子どもの発達促進、スキルの獲得
・親の満足度の向上と精神的な健康の増進
・医療者と親の協力関係の向上
・ケアに対する満足度

Sheet4. より家族を中心に考えるために

ここでは、FCSを実践する上で生じる障壁として、スライドのようなことがあります。

その障壁に対してそれぞれの立場についてFCSを実践するための以下の例のような手段が紹介されました。
・組織:ミッションやビジョンステートメントでFCSに対する組織のコミットメントを明文化する。理想的な文化的・物理的環境を作るなど。
・サービス提供者:家族にわかりやすい形で情報を提供する。家族が追加で情報を得られる場所を提案する。親と一緒にサービス計画を立て、サービスに関するあらゆる選択肢を提示する。
・家族:自分を子どものチームの対等なメンバーとしてとらえる。子どもの目標設定やサービスプランの作成に積極的に参加する。自分の欲求、ニーズ、理想、目標を子どもと関わる人たちと共有する。

Sheet6. 両親・家族の強みと資源の特定と活用

ここでは、すべての家族が強みと資源を持っていると仮定し、オープンな話し合いで強みや資源を引き出すこと。親族や友人を通じて利用できる資源を探るために周囲の資源に目を向けることなどについて紹介されました。

Sheet7. 親同士のサポート

ここでは、親同士のサポートが提供することとして、
・親が同じようなニーズや悩みを持ち、同じような障害を持つ子どもを持つ他の親と出会う機会。
・障害のある子どものきょうだいが互いに出会う機会。
・家族全員が参加できる社会の機会。

といった機会があり、それにより期待される効果として、
・「自分だけ」という感覚(孤立感)の軽減
・家族の強さの促進
・家族や子どもの強みに目をむけることなどを挙げられていました。

また、親同士のサポートについてサービス提供者のための戦略として、

・親同士のサポートが重要であることを認識する
・地域の支援プログラムを知る
・支援プログラムに参加した他の家族の記事を提供する
・地域に支援プログラムがない場合は作る
が挙げられていました。

Sheet8. FCSにおける効果的なコミュニケーション

ここでは、効果的なコミュニケーションを行うために以下の原則や影響する要因について説明がありました。

また、コミュニケーションがうまくいかない場合についての態度や考え方、環境について以下のポイントが紹介されていました。

Sheet12. 一緒に決断する 何が最善かを決める方法

ここでは、意思決定の支援について以下のスライドなどについて紹介されていました。

また、意思決定をするための情報について、
SNSなどの媒体を含めて、家族が手に入れる情報のすべてが良い情報ではないことを家族は知っておくべきであり、支援者は家族を惑わさないようにすることを忘れてはならないと説明されていました。

Sheet16. 学校における家族中心サービスの促進

ここでは、学校でのFCSを促進するための方法についての説明があり、
ミーテイングや目標設定の場面に家族が積極的に参加できるようにすること、家族と学校のコミュニケーションはオープンで頻繁であること、学校は子どもや家族の権利を守ること、などについて紹介されていました。

Sheet18. 私たちは本当に家族中心なのでしょうか?

ここでは、組織やサービス提供者がFCSを実践できているかの評価として、
MPOCMPOC-SPの紹介がありました。

まとめは以下になります🙋‍♂️

今回の講義を通して、FCSを実践するためには組織や支援者としてどのようなことを意識すべきなのか多くの気づきがありました。また、介入の定義に会議や電話、他の家族と結びつける行動など間接的な介入が多く示されており、改めてそのような支援の重要性も感じました。🙃🔥

今回も多くの方に参加していただくことができました!
参加していただいた皆様、お忙しい中ありがとうございました😆🙏

次回は7月21日(金)21:00〜
重症児デイサービスあすかの小柳翔太郎先生/中谷知矢先生
「放課後等デイサービスにおけるFCSの実践について」
をテーマに講義していただく予定です🙋‍♂️
今回紹介されたFCSを放課後等デイサービスの現場でどのように取り入れているかなどについて具体例を紹介していただきます。

広島県近辺で活動している方で興味を持たれた方は、是非とも参加していただければと思いますのでよろしくお願いいたします🥺🤲

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