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見逃してしまう「助けて」のサイン

子どもの動きにヒントあり

算数の授業で、子どもが次のような動きをしたとします。

  1. 消しゴムを落とす

  2. 椅子の上で正座・曲げた足の上に座っている

  3. 開いたノートの途中から字を書き始める

  4. 正面ではなく、斜めの方向に向かって座っている

  5. 消しゴムや定規を雑に置いている

  6. 消しゴムがない

現役の小学校教師であれば、クラスにいる数人の子どもたちを思い出していませんか?子どもが無自覚にこの行動をして、しばしば見られる行動ならば、この行動パターンは「サイン」です。

その行動には理由がある

下の図を見てほしいです。(筆者作成。字が小さくてすみません。)

見落としがちなサイン

まず、教室空間にいる子どもになったつもりで読んでほしいです。

先生から発せられた言葉を耳で聞きます。
→聴覚音声系の情報を認知したということです。
黒板に書かれた文字を目で読みます。
→視覚運動系の情報を認知したということです。

先生が何を言ったか理解できません。
→聞き逃し、聴覚音声系の特性によるものと考えられます。
どこまで書いたか分からなくなった
→見落とし、視覚運動系の特性によるものと考えられます。

ちょっと分かりづらい説明になります。聴覚音声系とか視覚運動系とは、外からの情報をキャッチするのは、耳からなのか、目からなのかということです。そして、誰もが、苦手な情報キャッチの仕方(主に耳から情報を得るのか、主に目から情報を得るかといういうことです)をカバーすように、もう一方の情報キャッチの方法が優れているのです。

しかしながら、教師の宿命として、「できないことをできるようにしてやりたい」気持ちから、見ていない子には「よく見なさい」、聞いていない子には、「よく聞きなさい」と苦手な情報キャッチの方法を強いてしまうのです。先生たちは、このような行動パターンを繰り返す子どもたちを、日々の観察からきちんと把握しているのです。

じゃ、見落としがちな子どもや聞き逃してしまう子どもにどうアプローチすればいいの・・?

子どもへのアプローチの仕方については、次回に続きます。

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