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身体の使い方を説明する表現

体操、スポーツに限らず身体を使う動作においてどの様に身体を操るか、動かすか、そんなことを他人から説明されるとき、あるいは他人に説明するとき、どの様な表現を使うのかは結構重要である。

この1年ほど、猫背を矯正するため、前屈みの姿勢を直すためにいろいろ試している。ボディワークで使わずに眠っていた深層筋(インナーマッスル)を目覚めさせるためや呼吸法を学ぶためにスタジオに通ったり、整体院に通って姿勢の直し方の指導を受けたりしている。会社員時代からずっと1日のうちデスクワークをして過ごす時間が大半で身体の使い方、正しい使い方に普段無頓着だった。遅ればせながらその正しい身体の使い方を知れば知るほど今まで全然自分は身体の基本を知らずにいたのだなとつくづく思う。

通っているスタジオでどうしても視線が下に下がる癖が出てしまう自分にトレーナー(もう専属と言ってもいいほどで感謝感謝です、有り難うございます!)の方が「喉を前に(出して)」とアドバイス。はっとなった。なるほど、喉の位置を意識すれば良いのか!!視線が下がるということは目が向かう角度だから顔や頭を意識していたがずっと上手くいかなかった。ところが、顔や頭ではなく喉を意識すると(自分にとっては)分かりやすい。無意識に頭が垂れる姿勢に気づく新しい意識の仕方、取り方を知り霧が晴れた気分になった。

身体の使い方をどの様に表現するか、説明するかは普段身に染み付いた悪い癖を直すのが目的だから分かり易く直感的なものであれば効き目があるし有難い。例えば、ゴルフのスイングで「頭を動かすな」と言うより「あごを引いて」とアドバイスする方が意識がし易く身体をコントロールし易い。先程の「喉を前へ」も「頭を上げて」より意識し易く思った通りに動かし易いのである。どちらも結局は同じことを言っているのだ。それでも効果は違う。身体が連動して動く動作を熟知した専門家、スペシャリストがどう伝えれば分かり易く早く習得し身につくのかを経験を通して教えてくれているのだ。単に身体の動かし方を知っているだけでは十分ではない。身体の構造を理解していない、あるいは理解不十分な生徒やクライアントにどう表現すれば正確に伝わるか、理解してもらえるかを試行錯誤の上に経験上最も効率的な方法を編み出してきた、そんなところだろうか。

身体の構造、骨と筋肉は下の足から上の頭まで密接につながり相互作用して動く、連動する。最近は皮膚表面から一枚ずつ筋肉を剥がして断面を見せる解剖写真の3Dの様なアプリも利用することが出来る時代になった。工夫の仕方はいろいろ広がっていくのだろう。

正しい身体の使い方を習得するには使う筋肉を意識して脳から命令し動かす。その意識することが大切な以上自分に合った意識、つまり顔や頭ではなく自分にとっての「喉」を見つけることが一番の近道になる。

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