深月流架

50代のサラリーマンです。自作の小説中心にアップしております。よろしくお願いします。

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  • 深月流架の人生を共に歩んだ名曲たち

    様々なジャンルの名曲を紹介したり、エッセイにしたり、そんな文章を集めています。

  • 深月流架雑文集

    日々の雑感、昔の思い出、ショートストーリー等を集めています

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    自分の好きな曲の歌詞を深読みしていきます。

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    読んだ本の紹介、感想、批評などをまとめています。

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B'z「いつかのメリークリスマス」の歌詞を勝手に深読みしてみた

⭐️B'z「いつかのメリークリスマス」〜歌詞に表現されている二重の死別  素人作家、深月流架の勝手に歌詞分析のコーナー。今回は、B'zを取り上げてみました。B'zの数ある名曲の中でもクリスマスソングとして、極めて知名度の高いこの曲なのですが、歌詞もクリスマスらしく具体的な物語になっていますよね。全体的な構造は、過去の回想と現在の心境、つまり二つの時間軸が交互に表現される構成になっています。では、早速、歌詞を見ていきましょう。  ※※※※※※※※※ 「ゆっくりと12月のあ

    • 「僕のボヘミアンラプソディ」

      scene❶  時を遡ること五年前。僕はイギリスのロックバンド「クイーン」のボーカリスト、フレディマーキュリーの自伝的映画「ボヘミアンラプソディ」にハマっていた。  映画が趣味とは言えない僕が同じ映画を四回も映画館で見た。これは僕の人生の中でささやかな事件だと思う。  僕はあの映画をストーリー云々ではなく、長い長いミュージックビデオの感覚で鑑賞していた。そのスタンスは一回目から変わらない。つまり、ビジュアルが主で音楽が従ではなく、音楽が主でビジュアルが従として観ていたわ

      • B'z「calling」を自分勝手に深読みしてみた

        ⭐️B'z「calling」〜真正面に恋愛を歌った歌詞だと思って分析してみる さて、昨日に引き続き自分勝手に歌詞を考察。またB'z(笑) 無類のハードロック好きの僕から言わせると、B'zのサウンド自体は、限りなくハードロックに近い。が、やはり彼らのサウンドをハードロックと呼ぶにはいささか無理がある。その最大の理由は、あまりに洗練されていてカッコ良すぎるからだ。つまり音そのものではなく、その精神性がハードロックとは違うというのが僕の勝手な解釈。 ハードロックという音楽ジャ

        • 「イカすバンド天国」という番組を覚えていますか?

          僕の人生には常に音楽が付きまとう。 というわけで、今日は、学生時代、夢中で見ていた番組、「イカすバンド天国」について少し話そう。 三宅裕司が司会を務めていた番組、「イカすバンド天国」、通称、イカ天は、89年から90年にかけて土曜の深夜に放送されていた番組である。数多くのバンドが鎬を削る中で、見事イカ天キングに輝いたバンドたちは次々とメジャーデビューの切符を手に入れた。とはいえ、出場バンドはピンキリ。 今日は無数のバンドが出演したイカ天の中で、好きだったバンドと曲を紹介し

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          「イトーヨーカ堂のBGMをまとめて聴いてもらえませんか」

          僕はイトーヨーカ堂の社員として働いているかたわら、小説を書いているわけですが、音楽も好きなので、音楽ネタもよく投稿します。 さて、今回は僕が働いている会社、イトーヨーカ堂で流れているBGMを公開していきましょう。 さて、一曲目はこちら。 菅野夏子さんの「JOY of sharing」。開店時間に流れるお馴染みの曲。仕事場にいると何気に聞き流してしまうのですが、曲だけを集中して聴くと、なかなかどうして良い曲です。透明感のあるピアノの旋律は朝の爽やかさを、スラップバリバリの

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          「トリオ編成バンドは自信の表れ」

          トリオ編成バンドが好きだ。 最低限の人数で、最大限のパフォーマンスを演じる彼らの演奏は、聴く者の心の琴線を震わせる。 まず人間椅子。 もう30年以上も現役で演奏を続けている日本ロック界の至宝。彼らの演奏の凄さを知ってもらうには、オリジナルの曲よりむしろこの曲が良いだろう。キング・クリムゾンの名曲をここまで再現できるバンドは彼らをおいて他にない。 そして、お次は僕個人的には、世界一演奏が上手いロックバンドだと思っているRush。名曲が多い彼らだけれど、結局のところ、究極

          「トリオ編成バンドは自信の表れ」

          「super beaver「小さな革命」の歌詞を読み解いてみた」〜その根底に流れる「ネガティヴ・ケイパビリティ」と「反抗的人間」のあり方

          「super beaver「小さな革命」の歌詞を読み解いてみた」〜その根底に流れる「ネガティヴ・ケイパビリティ」と「反抗的人間」のあり方 「小さな革命」 ⭐️これは外側に向けた革命ではなく、内側に向けた革命であること。自分の意識を変えていくこと。それを小さな革命と表現している。 「歓びがもし倍になったって
哀しみは半分になったりしない」 ⭐️世界のあり方とはそういうものだ。人生から哀しみが消え去ることはない。歓びを増やすことで哀しみを消そうとしてはいけない。哀しみを受

          「super beaver「小さな革命」の歌詞を読み解いてみた」〜その根底に流れる「ネガティヴ・ケイパビリティ」と「反抗的人間」のあり方

          『super beaverの「小さな革命」とキーツの「ネガティヴ・ケイパビリティ」とカミュの「反抗的人間」』

           「死にたいとか 絶望とか 今日まで堪えたのも、誰だ」〜super beaver「小さな革命」より⭐️  「年の行を四季が満たし、    人の心にも四季はうつる。  人には瑞々しい春があり  晴れやかな想像がその時  あらゆる美をたやすく力を及ぼし抱きとる。  人には夏がありらこころ豊かにその時  美しい春の想いの蜜の味を味わい反す、  ついに 心の奥で溶かされ その想いの  おのが身の一部になるにいたるまで。  秋が来て安息の港や泊地があり  疲れた翼はその時  たたみ了

          『super beaverの「小さな革命」とキーツの「ネガティヴ・ケイパビリティ」とカミュの「反抗的人間」』

          📕ガルシア・マルケス「百年の孤独」〜極彩色に彩られた壮大なタペストリー

          「この一族の最初の者は樹につながれ、最後の者は蟻のむさぼるところとなる」〜ガルシア・マルケス「百年の孤独」単行本470Pより抜粋  この長い長い物語を読んで何を感じるかは人それぞれであるので、僕はそこにはあまり触れないでいわゆるマジック・リアリズムと言われているガルシア・マルケスのその独特な文体を中心に読後の感想を書きたいと思う。  「百年の孤独」とは、マコンドという架空の街【南米】に住むブレンディア一族の100年にわたる盛衰の物語である。もっと言えば、マコンドという街そ

          📕ガルシア・マルケス「百年の孤独」〜極彩色に彩られた壮大なタペストリー

          「近況」

          💐「無料でしかも短時間で取れる資格に挑戦してみた件」  仕事の必要上、「熱中症アンバサダー」という資格を取った。取ったと言っても、30分ほどの講義を3本視聴して、その後、確認テストを全問正解させるだけ。しかもその確認テストは何度挑戦してもよくて、さらに同じ問題で、なおかつ間違えたところの答えまで出してくれる。つまり、何も知らなくても、3回4回やれば誰でも合格できるというわけ。むしろ、90分ほど講義を視聴しなければいけないのが苦痛。僕の場合は、4回目で全問正解を果たし、晴れて

          「これからもずっと僕は、大切な人のために言葉を探し求める」

          ⭐️窪美澄「夜のふくらみ」を読んで 『手のひらにすっぽり収まりそうな黒猫の小さな頭を撫でながら、ふいにこみ上げてくるものがあって顔を上げた。雲間から今にも消えそうな星がひとつ瞬いているのが見えたが、またすぐに雲に隠れて見えなくなった。   誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。   顔も名前も思い出せないけど、あの夜、美しいあの人は確かに僕にそう言った。   「裕太、おめでとう」   さっきよりもさらに大き

          「これからもずっと僕は、大切な人のために言葉を探し求める」

          「インテリジェンスラウドロック〜究極のハードロック進化形」

           もう7年も経つのか、と思う。仕事で大きな挫折をした。その時に出会ったバンドが彼らだった。  この曲を聴いた時、何かが弾けた。  あくまでもヘヴィなサウンドだが、その曲構成は複雑怪奇だ。デスボイスのハイトーンボイスのツインボーカル、スラッシュメタルばりのギタリフが出てきたと思いきや、JPOPばりのキャッチーなサビ、うねりまくるベースライン、正確無比なドラミング、、、、ハードロックに何か他の音楽性を加味したクロスオーバー的なサウンドは昔からちらほら出現しているとは思うんだけ

          「インテリジェンスラウドロック〜究極のハードロック進化形」

          「迷宮❷」

          『迷宮②〜傷の共有』 僕は今日も彼女の心の迷宮にいた。 もう、いくつ、入口を見つけたのだろう。 入り組んだ迷路は、時折僕の方向感覚を見失わせる。 松明が時には明るく輝き、時には消えそうなくらい暗くなる。 迷路の中に落ちている様々な記憶の断片。 一つ一つの断片を丁寧に拾い、僕の記憶にしまっていく。 一つ一つの断片が一つ一つの傷になって、彼女を苦しめている。 入り組んだ迷路に無数に存在する入口と 無数に落ちている記憶の断片。 僕は何度か心が折れそうになった。 心に傷

          「迷宮❷」

          「迷宮」

          『迷宮〜愛する人と過去を共有することについての思考』 いよいよだ。 僕は彼女の心の迷宮に足を踏み入れた。 全てを受け入れようと決めたからだ。 その迷路の出口は一つしかない、おそらく。 【しかし、入口はいくつも存在する】 一つの入口からは、他の入口は見えない。 入口から入った僕は、未来への希望の光を松明にしながら、一歩一歩前に進んでいく。 いくつもの曲がり角があり、いくつもの十字路があった。 僕は手探りで進んでいく。 一瞬、出口から射す光が僕の目に止まる。

          「トナカイの悩み」

           街はずれの書店でさがしていた短編集をやっと見つけ、お会計をしようとレジに向かうと、トナカイが包装の練習をしていた。二本足で器用に立っているトナカイのツノにはサンタクロースがかぶる白のぼんぼんがついた赤い毛糸の帽子がちょこんとひっかけられている。帽子の真ん中くらいの位置には、merryXmas!、という文字の金色の刺繍がされていた。  クリスマス用の袋に本を入れ、口を閉じ、後ろ側をクリスマスシールを使って貼り付け、そのあとリボンをかける。人間がやるなら大したことはない作業な

          「トナカイの悩み」

          「November Rain」【前編】

          【1991年11月】  「ちょっと、校長!あいつらの要求を呑んだって、本当ですか?」  教頭の猿田は、酒の飲み過ぎで赤くなった頬をさらに紅潮させて、校長の白木に詰め寄った。ワックスでガチガチに固められたバーコード頭が、蛍光灯に照らされて醜く光っている。  「要求を呑んだって、教頭も大袈裟だわね。たかだか合唱大会の合間に、バンド演奏をさせて欲しいって頼まれただけじゃない。しかもたった一曲。七分だけよ。何をそんなにキリキリしてるの?また血圧上がっても知らないわよ」  白木

          「November Rain」【前編】