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文京区日記1

文京区には大学進学を機に住んだ。八王子に住み続けても良かったけど、とにかく八王子から出たかった。今は八王子の良さが分かるけど、18歳の私には、1日でも早く八王子を出たいという思いがあった。だから、八王子で通っていた高校の卒業式ではみんな泣いていたけど、これから楽しい生活が始まる私はもう嬉し過ぎて、高校卒業という悲しさよりも嬉しさが優っていたので、心の中では、笑うしかなかった。


文京区は本当に住みやすい街だった。住んでいた当時は、犯罪発生率も23区で一番低くて、住みやすくて、静かで、心地よくて、街中の人もみんな親切だし、東大の本郷キャンパスもあって、とても文化的で歴史的な街だ。家の近所には、木村カエラさんも通っていた高校があった。生徒を見ると、金髪の子とかいた。マジで東京、オシャレ過ぎてスゲー、と思った。八王子も東京なのに、本場、東京という巨大都市が持っているパワーにカルチャーショックを受けた。これが東京だ。世界の東京だ。東京駅を見たら分かる。やっぱり、日本の中では、東京すごいでしょ、と思う。大阪や京都の駅や街中ももちろんすごいけど、やっぱりあの東京駅、目の前にしたら、圧巻だよ、さすが東京。


話は変わり、文京区は坂がとにかく多い。自転車をこいだりしたり、歩いたりすれば、あらゆる場所が坂だらけというのが分かる。だから、健康的になる。東京ドームもある。でもこの坂と街の雰囲気のコントラストが好きだった。お金は無かったけど、歩いたり、自転車で走るのは無料だ。文京区には、あらゆる人種を受け入れる深くて大きな度量があった。いろんな外国人も見かけた。下宿先のアパートには、東大大学院に中国から国賓留学生として通っている、年上の中国人留学生がいた。むちゃくちゃ頭が良い。なんせ、中国を代表して、東大に学びに来てるからね。そりゃそうだ。日本語はカタコトだけど、ほとんど理解していた。彼とは基本的には英語でやりとりした。人生で一番英語を使った。私が課題で、Excelと格闘していると、一瞬でグラフを作りあげた。凄まじかった。あとは、お互いの文化を話しあったり、一緒に散歩に行ったりした。数年間の友だちだ。


文京区には東京ドームがあって、たまに巨人戦の当日券の外野席を買ったりして観戦した。東京ドームに自転車で行けたのは、いま回想すると最高な環境だった。野球好きからしたらたまらない。お金が無かったから、数回しか行っていない。もう野球は吐くまでやったから、少し野球とは距離を置きたかった時期だったのかもしれない。


文京区からは、巣鴨、上野、秋葉原ぐらいだったら、自転車で行ける。浅草や池袋も自転車でたまに行った。文京区は23区でも真ん中辺りだから、他の区に行くのは、本当に便利。地下鉄で、新宿、池袋、渋谷、みんな近い。八王子に住んでいたら、これらの街に行くのは、だいぶ時間とお金がかかるし、少し計画をして行くレベルだ。でも文京区に住んでいると、思いつきで、23区ならどこでも行ける。地下鉄1日フリーパスを買って、東京巡りもたくさんした。最高だった。だから、23区は狂ったように行きまくった。


そんな文京区。教育水準も無茶苦茶高い。頭が良さそうな子どもたちや親御さんがたくさんいた。大学附属系の学校もたくさんある。私は本が好きだったから、本屋にたくさん行った。本屋にもたくさん賢そうな人がいた。みんないっぱい買っていた。治安が良い街なので、争いや奇声を発する人がいない。平和な街。少し八王子が恋しくなった。なにせ、八王子は夜になるとたまに暴走族の爆音が聞こえてくる。


文京区では、そんなの一回も聞いた事がない。住むなら文京区。学ぶなら文京区。最高な街だった。文京区は23区の中でもトータル的にバランスがとれている街だ。行った事が無い方には、ぜひとも文京区散歩をオススメしたい。

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