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空港で火災?・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第25話>

あなたがもし空港や百貨店の中にいた時に火災報知器が鳴ったらどうしますか? 

出張でロンドンの空港をよく利用します。その日もチェックインして手荷物検査も終わらせ、まだ時間があったのでロビーで休んでいました。
その時、突然 火災報知器が鳴りだしました!

ショップはいくつか入っていますが、割りと整備された建物だし、どうせ誤報(センサーが何かの異物を感知して発信すること)だろうと軽く考えて、そのままソファーに座って周りの様子をうかがっていました。 

日本で私が勤務していた工場では、火災報知器が鳴ると、即座に次のような館内放送を行います。
・まず、どの場所の報知器が鳴ったのかの通知
・合わせて、至急現場点検をするように指示
・その後、実際の火災なのか誤報なのかのアナウンス
そのため、すぐに何かの館内放送があるだろうと悠長に構えていました。

 ところが、「現場を点検します」というような放送は全然入ってきません。
ロビーに来ていた多数の乗客は、迷うことなく、今通ってきた手荷物検査室へ向かって平然と戻って行きます。ロビー内のショップの店員も、次々と電動シャッターを下ろしていきます。

え!本当に火事なの? と少々焦ってきました。
さすがにこのままソファーに座っているのはまずいと思い、パソコンを閉じ、手荷物をまとめ、みんなが歩いて行く方向に向かって、私も避難を始めました。

その時放送が入り、「今のは誤報でした。異常はありません。」
すると、人々は何事もなかったように、またぞろぞろと元居た場所に戻ってきました。お店もシャッターを開けだしました。別にぶつぶつと不満を言う人もいません。
もしかして、しょっちゅうあることなの?
その後、特に「今のは・・・のために・・・して誤報になりました」というような状況説明のアナウンスもありませんでした。
なんだよ~、驚かせやがって、変な誤報を鳴らすんじゃねぇ~、と思うのは日本人の感覚なんでしょうか?

 そういえば、勤務しているイギリスの工場も、火災報知器は町の消防署とつながっているため、報知器が鳴るとすぐさま消防車が駆けつけてきます。
現場点検の結果 誤報だとわかると、「良かったですね。本当の火事じゃなくって」と言って、消防車は帰って行きます。
日本の工場だと、なぜ誤報がなったのか、整備が悪いのか、周囲に煙の出るものがなかったか、再発防止策は・・・、などと結構対応が大変です。
国民性の違い? トラブルに対する考え方の違いでしょうか?

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