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戦争の記録

図書館では、戦争の記録を展示しているコーナーを時折見つけます。写真や遺品の数々の展示から、当時の神戸・阪神間の空襲の様子を知ることができます。神戸の空襲も酷かったようで、私の住む須磨の街も焼け野原となったようです。

心に迫る展示と感じたのは、当時の方が出された葉書がありました。女性が友人に宛てた繊細な字で書かれた葉書。葉書を出してしばらくして、亡くなられたのだとか。満州から姉に送った葉書。検閲された印もありました。どちらの葉書も相手の体を気遣う言葉が添えられています。心のこもった言葉は、現代の私達の心へも深い印象を与えてくれます。

火垂るの墓は、神戸三宮の駅の構内から物語は始まります。兄と妹、2人で住んだのは西宮の満池谷ニテコ池が舞台。可愛らしい4歳の妹と一緒に懸命に生きようとする兄に迫る戦争の悲惨さに何度涙を流しながら観たことでしょう。兄の膝に眠る妹、その2人の後ろ姿。

戦争でいつも思うのは、国など大きなものだけでなく、親を亡くした孤児を虐めたり、そんな市井の人の自分本位の心こそ憎んでしまいます。

火垂るの墓の兄と妹が今この国を見たら、どんなふうに感じるでしょうか。

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