このプロジェクトの目指すところ

今の子供ってどんな夢を持ってるんやろか?
日本の子ども,ブラジルの子どもそれぞれ夢はやっぱりちがうんやろか?

「プロ野球選手になりたい,ジャイアンツの選手になりたい」と卒業文集に書いていた小学生のころの自分。
大阪桐蔭に入って,甲子園出るんや!という夢を持ちながら野球をしていた中学校のころの自分。
でも,現実に,自分の実力がわかりはじめて,“あれ?大阪桐蔭無理ちゃん?”“プロ野球選手になるんってめっちゃ難しいんちゃん?”ということが,だんだんと分かりはじめて,自分の卒業文集に書いた夢ははかなく消えていきました。

ただ,幸いなことに高校時代にであった先生のおかげで,教師という新たな夢を見つけることができました。

あの高校に行かなかったら,あの先生に出会っていなかったら自分は今頃何をしてるのか全然分かりません。

夢を持つきっかけ。これはいつ・どこで・どんなタイミングで出会えるかはまったくわからない。

自分が教師として指導者として大人として,子どもにこの先の未来を楽しいと思える未来にして欲しいと思っているわけです。

要は 夢を与える ここです。

【このプロジェクトを成功させたい2つの理由】
1,広い世界を知るきっかけを作る
2,一度破れた夢を叶えるため

1,広い世界を知るきっかけを作る
私はブラジルでの生活をはじめ,すでに1年と2ヶ月が経ちました。
日本では考えられない常識が時折現れては,混乱させられる全く非日常の生活。そんな環境の中で,間違いなく,ものの見方や,考え方は変化していると自分なりに感じています。
ブラジルの素晴らしいところもたくさん発見できているし,日本の素晴らしいところに改めて気付くことができている,そんな感じ。

正直,ここに来るまでは外の世界を何も知りませんでした。
野球や仕事を通じて出会った人々との中で得たもの。その中での経験しか私にはありませんでした。
知らない世界がまだまだ山ほどあると知ったとき,私は外に出ることしか考えられなくなっていました。

くしくも,社会科を教えていた私は当然世界の地理や,歴史に触れます。
しかし,実際は外国に行った経験ほとんどなく,自分の目で見たことがないことを教えていることに,ずっと違和感を感じていました。
もちろん,知らないことでも,自分で学び,生徒に面白いと思ってもらえるような授業を心がけてはいましたが,正直自分の力不足を常に感じていました。
学習指導要領の内容プラス,実際に経験したその人自身の経験のネタが,面白い授業を作ると私は思います。
だって自分自身がそうでしたから。自分の経験をオモシロおかしく伝えてくれる先生が私は好きでした。“そんな世界があるのか僕も行ってみたい。”
そう思わせくれる先生や大人こそ,生徒のいろんな可能性を引き出す存在ではないのかと思います。

日本から出てまだわずか1年半という期間。少なく感じますが,たくさんのこと学ぶことができると,とても感じます。

外に出たことで,外に目を向けたことで,ドッカーーんと入ってくる,自分の知らなかったことやものの情報量の多さ。
“その常識に縛られる必要ってないんちゃう?”って考え方。
“いやいや,こういう生き方もありまっせ!”という考え方。

外国にきたからこその発見だと思います。


いくらインターネットが普及し,SNSの力が凄まじくなっていても,それを使ってみないことには,何が起こるのか?やってみなくちゃ何も分からないし,生活も変わらない。それと一緒。
“あ〜あの国ってこんなんなんかぁ〜”“あの国行ってみたいな〜”と思っても,やっぱりきっかけがないとなかなか動きにくいんですよね。

じゃあ,今度はそれを提供したい。
私がブラジルに来て多くを学んだように,ブラジルの人たちにも,日本を感じ,日本を知ってもらいたい。
TVや人伝いに知っているうわべだけの情報じゃなく,自分の肌身や嗅覚でその国を感じてほしい。

こう思うようになりました。


ブラジルは,日本とはとても繋がりの深い国の1つ。
世界の中で一番多くの日系人が今もなお住んでおり,今年は日本人移民110周年の節目の年を迎えました。

私が毎日一緒に野球をしている選手の中にも,日本名の名字を持つ選手が数人います。

(↓ ★リンクのブログに詳しく書いています。)

日本からの移住者は,昔から,勤勉で素晴らしい。日本人から多くのことを学ばなければならない。と,ブラジルの人々の口からよく聞きます。

それほど,ブラジルにとって日本という国は特別。(だと,いろんな人とお話をさせてもらい,そう感じてらっしゃることが多いと感じます)

また,日本にとってもブラジルは特別な国です。
日本の教科書ではブラジルに広がる日系社会は,ほんの数ページにまとめられているだけです。しかし,それ以上に日本人はブラジルのこともっともっと知るべきだと,ブラジルに住み感じます。
日本を思いながら毎日を過ごしている人たちがたくさんいるブラジル。そのことを,何人の日本人が知っているでしょうか。


今の自分にできることは何か?


日本には,お世話になった学校があり,毎日を彩ってくれた生徒がいる。
またブラジルにも,言葉もろくに分からない自分に,親切に家族のように扱ってくれる人たちがいるし,ここにもまた可愛い選手たちがいる。

私がこれまでの人生の中で,巡り会えた素晴らしい人たちがたくさんいる。
その人たちを是非繋ぎたい。

http://world-diary.jica.go.jp/hirosetakuya/activity/_no2_1.php


2,いちど破れた夢を叶えるため

現在,私が指導するチームには2人のU-12ブラジル代表選手がいます。
ともに11歳・12歳のカテゴリーのブラジル代表チームに召集され,今年の7月に行われた東京での軟式少年野球世界大会に参加しました。
2人にとってはとてもいい経験ができたと無邪気に話していました。

しかし,本当のところはもう1人代表に選ばれた選手がいたのです。

その選手の実力を代表の監督は買い,選出され練習を始めたのですが...
連盟の金額提示の曖昧さ,保護者とのコミュニケーション不足により,その選手の家庭はお金を出すことができず,代表として日本に行くことはできなくなってしまいました。

彼自身,ずっと日本に行きたいと言う気持ちを持っていただけに,叶う寸前まで手繰り寄せた夢を,結局かなえることができず涙を流す結果となったのは本当にかわいそうで,辛かったです。

子どものころの夢はとても大きな可能性があります。
あるひとつの経験により,その子ども自身の将来は大きく変わると私は思っています。
その夢を今回は,大人が叶えてあげられなくしてしまったという現実。これは絶対になんとかしないといけない大人の問題であると私は思いました。

これが本当に正しいあり方かどうかはわかりません。
ただ,「夢が敗れました残念でした」という話で終わらすこと私にはできないです。
私がここにいる理由,それはやはり多くの子どもに夢を与える。野球を通じてたくさんの人を繋げる。

可能性があるのなら私は挑戦するべきだと思います。

本当にこれが成功するかどうかは分かりません。子どもにとってどう影響が与えられるのかも現時点ではわかりません。しかし,何かを感じ将来に活きてくれる経験となれば嬉しい話です。

とにかく,今自分にできること,周りの人との関係の上で挑戦できることは,全部やり尽くして日本に帰ろうと思います!

日本の人に,
「廣瀬はこんな人たちに囲まれながら,楽しくやってます」と伝えたいし,
「ブラジル人は良い人ばかり」というのも知ってもらいたい。
また,「明るいキャラで貪欲に野球を楽しむ姿」を見て欲しいし,
「ブラジル流の挨拶」「ブラジル流のコミュニケーション術」を知ってもらいたい。

また,ブラジルの選手や保護者,ブラジルの人に,
「廣瀬はこんな場所で,生まれ育ち,こういう仲間たちを作り,支えられてきました」と紹介したいし,「日本人,日本の誇れる部分」を肌で感じてもらいたい。また,野球を通して「日本の道具を大切にする心」「規律ある態度」等の中で,参考にできる所はどんどん盗んでブラジル野球に持ち帰って欲しい。

イメージだけで語るのではなく,実際の出会いや経験をもって,お互いにお互いを語れるようになってもらう機会づくりになれば良いなと思っています。

その経験の中で,将来,どこかで子ども同士が再び,海を越えて繋がるような話になれば,面白いな〜なんてのも思ったり。

ただの自己満足かもしれません。
でも,その自己満足から生まれる,何かのきっかけが作ることができるなら,自己満万歳です。

たくさんの人に頼ってしまうことになると思います。

が,その時は全力で助けてくださいね♪笑

あ〜書いたら,ドッと実感湧いてきた。

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