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TEAM SWYKって何??

TEAM SWYKとは2016年に39人の子どもたちと一緒につくったチームです。
生きにくい今の時代。そんな時代に新しい風を吹かせたいという想いから作ったTEAM SWYKとは?  

▼TEAMSWYKができるまで

私は2年前まで公立中学校で社会科教師をしていました。
子どもの成長をこんなにも間近で見られることができる。子どもから学ぶことが山ほどあり,自分の未熟さを教えてもらえる等々,夢だった職に就くことができ毎日がキラッキラしていました。
しかし,時間が経過すると共に分かってくることも多い。楽しい職場であることは間違いないものの,今まで見えなかった子どもの世界の現実を目の当たりにしました。  

・家に居場所がない
・両親が家に帰ってこない
・大人に存在を気付いてもらいたいがために走る非行
・ストレスのはけ口がないがためのいじめ行為
・信用してもらった経験がないため声が出なくなった子ども
・あまりの寂しさから自分の体に傷を作る子
・高校に進んだものの自らアクションを起こせず,友だちができないと毎日のように中学校に泣きつきに帰ってくる生徒
 等々

その子自身以外のところで生じている問題により,傷ついている子どもがたくさんいることを気づかされました。  

そんな現状を目の当たりにしながら,自分にできるのは話を聴くこと。
話を聴いてもらうだけで,スッキリした顔で「ありがとう」と帰っていく。
“居場所が必要なんや”と感じました。

そして初めて担任させてもらったクラス。
これまで感じていた子どもの孤独を,少しでも解消できる場をここに作りたいという想いでクラスを開きました。

名前を1年◯組と呼ばず,TEAMさわやかと名付けました。(この言葉は初任の学年からのもの。初心を忘れることのないように。)
理由はこう。日本中,1年◯組はたくさんある。でも,きっとTEAMさわやかと名前がついたクラスはウチだけ。そんなオンリーワンを目指したかったのです
世界一のクラスになるというビジョンを掲げ,「支え合う・わかり合う・やりきる・感動する」という目標のもと39人の子どもたちと突っ走った一年間。  

・教室は心落ち着く第2のHOMEとする
・誰がリーダーとなっても良い
 何が得意で何が苦手かを見極め,39人全員が何かしらのリーダーになる
・給食当番,掃除当番,クラス内の係は基本決めない。自分の得意分野を活かせる場所を自分で探し,やってみる。そして輝いてみせる。

自己肯定感を育み,人の役に立つ。
苦しい時は支え合い,気の合わない人もいる,ネパールから来た日本語がほとんど分からない仲間もいる中で,お互いを分かろうと努め,分かり合う。そして,自分で決めたこと,チームで掲げた目標は途中で投げ出さず,最後までやりきる努力をする。その先にある感動体験を全員で味わいつくす。  

という,チームの共通理念のもとで,様々な行事を通し,共に一年間成長しました。  

そんな初代TEAM SWYKの解散の日に伝えた言葉はこうです。

《たくさんの感動をありがとう!》引用:H29.03.24 学級通信より
廣瀬学級・初代TEAMさわやかは明日をもって解散です。  
“みんなこれで終わりじゃないですよ。実は廣瀬がこのクラスをチームとしてやってきた意味はまだあるんです。それは,『TEAM SWYKが未来のみんなを繋ぐ』ということ。『廣瀬がいるところにTEAM SWYKあり』。
これから先,廣瀬はちょっと寄り道をすることもありますが,ずっと人と関わり人とともに育つ“共育”の場に身を置くつもりです。たとえ,今と同じ中学校に戻ってこなかったとしても,自分がクラスやチームを持ったら『TEAM SWYK』と名前をつけます。そこで,どの代にも負けないTEAMさわやかを作ります。理由はTEAM SWYKという共通点で『人と人を繋ぐため』。

将来,みんなは中学校を卒業しそれぞれの進路に進みます。そこからまた勉強を重ね,社会の中に飛び込んでいきます。そんな右も左も分からないときに,共通点のある人が隣にいたら心強いですよね。その共通点。いうならばみんなを繋ぐハッシュタグを『TEAM SWYK』にしてくれたら廣瀬はとっても嬉しく思います。
イメージしてください。例えば,みんなが高校三年生の時に新一年生が入ってきたとします。普段の生活ではあまり関わりはないけれど,部活でその子は後輩になりました。その後輩は高校に入りたてなので,不安だらけなはず。そんな時にあなたが『こんにちは。何中から来たん?』「◯◯中です」『そうなんや!ほんなら廣瀬って先生おらんかった?』「いました!担任でした!」『と,いうことは..』」「はい!TEAMさわやかです!」『おーーー!じゃあほんまの後輩や!あのペンギンマークのな!私ら初代さわやかやねん!』「えー!そうなんですか!」って会話ができたら,その後輩にとっても救いの先輩ですし,あなたにとっても共通の話題で話せる大切な後輩となります。人生は結局『縁』。やっぱり人との繋がりが『自分』という人間を作っていくんだと思います。その出会い1つで人生がどのように動くかはわかりません。未知です。希望だらけです。そのみんなの人生の1つのきっかけに,このTEAM SWYKで過ごした日々を活かしてもらえればなと思います。

『解散』と聞くと,バラバラになってしまうイメージがありますが,TEAMさわやかは2年生になっても3年生になっても卒業しても心は1つ。一生繋がっていきますので。大人になっても集まりましょう。これからも末長くよろしくお願いします。”

さわやか 1年7組学級通信 最終号 2017年3月24日
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そう言い,私は次年度からブラジルに来ました。

現在は,教室ではなく青空の下の赤い土の上で“TEAM SWYK”の子どもたちと『支え合う・分かり合う・やりきる・感動する』の共通理念のもと毎日ボールを追っかけています。

国は違えど,文化は違えど,未来にでっかい夢をもつ子どもであることは一緒。

TEAM SWYKを卒業した生徒は,チーム章を持っています。
いつかそのチーム章を参加証とした同窓会を開くのが夢。
同じ理念のもと,歩んできた者同士の交流の場。
世界を身近に感じることができる場を提供したい。  

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現在はそのチーム章,日本だけでなく,ブラジルの国旗が入ったものもあります。
これからも自分が世界へ飛び出て,縁を作り,TEAM SWYKを大きくする。
いつでも帰ってくることができるプラットフォームをグローバル化することで,次のステップを笑顔で踏み出せるような場所であり続けたい。

見知らぬ土地へ子どもが出て行った時にどこからか,「TEAM SWYK」ってフレーズが耳に入ってきた時に子どもがとるリアクションを見てみたい。「え?嘘やろ?まさかな!」って思いながらも,“1人じゃないんや!”ってふふっと笑顔になれればそれでオールオッケー。
自分だけでなく,このチームを巣立って行った子どもたちがこの意志を繋げてくれたら最高だななんて,夢を描いています。
これは39人の子どもたちとの約束。小さな1つの教室から始まった大きなチームをこれからも広げていきたい。そう願っています。  

一人じゃない。
何にでもなれる。
あなたの居場所はここにある。

出会ってくれた、繋がってくれたみんなとつくっていくチームに。

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▼TEAMSWYK 第2章

《2018年1月》TEAMSWYKが海を越えた日

《2018年11月》TEAMSWYK 第2章 集大成

《2018年12月》新たに同窓会参加章を持つ子どもたちが。



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▼TEAMSWYK 第一回同窓会

《2019年3月》地球の裏側で開催されたTEAMSWYK第一回同窓会
2019年の3月20日〜3月31日に『TEAMSWYK PROJECT』と題して、ブラジルから10人の子どもと日本遠征を行いました。

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▼そしてTEAMSWYK 第3章

《2021年9月》野球を通して生まれた日本で2つ目のTEAMSWYK


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▼TEAMSWYK Since 2016

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1st TEAMSWYK 
SADA J.H.S HIRAKATA - OSAKA / JAPAN (2016-2017) 【39】

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2nd TEAMSWYK 
ACENBI INDAIATUBA -  São Paulo / BRASIL (2017-2019)【14】

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3rd TEAMSWYK 
BASEBALL LESSON MINOYAMA FIRES YAWATA - KYOTO / JAPAN (2021-)【28】

To be continued… TAMO JUNTO.

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