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荏原の新技術でプラスチックの再生が進むか

1)ユニクロで買ったリサイクルポリエステルの服

毎年夏になると購入するユニクロのポロシャツとパンツで、今年も5月頃に買ったドライEXポロシャツとウルトラストレッチドライEXショーツという商品がとてもきやすい。。。
さてリピート購入しようとしたら、これが実はリサイクルポリエステルの服であることに気づく。

ユニクロもこのような取り組みをしようとしてることを知りつつも、普通に気心地がよいので、ユニクロのその取組みをググってみました。ペットボトルを回収し、砕いて洗浄。そしてリサイクルポリエステルチップにし、糸にする。それが商品に使われているようで、色々な商品にすでに使われていることを初めて知ることに。


2)ペットボトルのリサイクルの現状は?

ちょうどそんなペットボトルのリサイクルに興味が湧いているタイミングで、7/6の日経新聞の記事には再生プラスチック技術について、「きょうのことば」に取り上げられていました。

▽…プラスチック原料の石油などの天然資源の消費を抑え、海洋汚染や埋め立てなどの環境負荷を減らすリサイクル技術。手法は2つあり、廃プラを原料に新たな樹脂製品をつくる「マテリアルリサイクル」ではペットボトルなどが代表例。高温で熱分解して合成ガスなどの他の化学品に変えて取り出す「ケミカルリサイクル」も普及する。
▽…プラスチック循環利用協会によると、廃プラ総排出量は2021年に824万トン。うち再生利用するのは約2割にとどまる。リサイクル費用がかさむ点が課題で、最も主流の有効利用法は焼却による熱利用だ。発電や燃料代替として使う事例はプラごみ全体の約6割(511万トン)に上る。
▽…政府は「プラスチック資源循環促進法」を22年に施行した。今後は埋め立てやプラの単純焼却を減らし、35年までに使用済みプラを熱利用も含め100%利活用する目標を掲げる。三菱ケミカルグループや出光興産、積水化学工業など廃プラを再利用できるリサイクル設備への投資は盛んになっている。

2023/7/6 日本経済新聞 朝刊「きょうのことば」

日々日常の暮らしではペットボトルは分別回収されていると思っていましたが、再生利用するのは約2割にとどまるようで、ユニクロの取り組みにあるようなリサイクルポリエステルにして利用するのは、要するに「マテリアルリサイクル」に相当すると思いますが、そのようなことに回っているペットボトルは一部ということ。驚くのは、最も主流の有効利用法が焼却による熱利用ということで、これでは温室効果ガスの削減にはまったく寄与していないのではないか。。。今まで日常でしっかりと分別回収してきたのにも関わらず。

政府は「プラスチック資源循環促進法」を22年に施行ということで、まったくの不勉強で把握していなかったのですが、2022年4月1日に
・プラスチックごみ問題(マイクロプラスチックによる海洋プラスチックごみ問題)
・気候変動問題
・諸外国の廃棄物輸入規制強化(廃プラスチックの輸入・利用規制が厳格化)
ということが背景で施行されたとのこと。テレビのニュースでこのあたりのこと、やっていたのかな。。。


3)荏原の新技術によるプラスチック再生

「きょうのことば」に再生プラスチック技術が取り上げられたいたのは、ちょうど今日の一面に、「ごみ分別せずプラ再生 荏原、高温処理で新技術」という記事があったからです。
今の技術だとプラスチックとそれ以外をしっかりと分別する必要があるようで、これがプラスチック再利用の際のネックになっているとのこと。

プラなどが混ざったごみは現状では焼却処理される場合が多い。資源としてリサイクルする場合も、生ごみなどとの分別が必要だ。「ポリエチレンテレフタレート」を使うペットボトルは分別回収されることが多いが、汚れが目立つ場合はリサイクルできない。

2023/7/6 日本経済新聞朝刊

それが荏原の新手法では、可燃ごみと資源ごみを一緒に回収できるとのことで、曜日別の回収といった手間が減り自治体の運営コストが下がるという点、さらには汚れがついていて再利用できなかったプラスチックを再利用することにもつながるか。

2022年にようやくプラスチック資源循環促進法を施行したのは、国際的な情勢によってやむを得ずだと思うのだが、もっと先を読んで早くやっていればこの技術、実用化が2030年度らしいが、もっと早い段階で実用化できたであろうし、このような素晴らしい技術が世界にはやく出て行けていたのではないか。

いずれにしてもマイクロプラスチック問題解決、そして資源再利用によるカーボンニュートラルへ一歩でも進むことは嬉しいことです。


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