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夫婦で一緒に仕事してなければ、もっと早くに別れてた

いま、執筆中の「離婚回避のトリセツ」。

編集者のHさんが、出逢って35年、結婚して25年、延べ2万人の人を幸せに導いてきたというプロフィールのほかにこんな紹介をしてくれた。

驚くのが旦那さまがビジネスパートナー。いつも共にいるのを見て、円満の秘訣を本にしてくださいと提案しました。

じつを言えば、夫婦が仲良く仕事をすることが、どれだけむずかしいか、最近まで気づかなった。

いや私たちにとっては逆だ。一緒に仕事をしていなかったら、当の昔に別れていたか、家庭内別居になっていたに違いない。

さっきまでケンカしていても、いざ同じ目標に立ち始めると、仲たがいしていてはいけないというお互いの理念が一致し、同じ目標に向かって歩み始めるのだ。

~ふたりのなれそめ

元々、私ことひろ健作は、まるで自信がない男だった。優柔不断で目標が無く、ただ漠然と成功したい願望だけある。自己啓発本が好きで、おのれの成功を夢見る男だった。

働く目的もなく、なぜこんな意味もない仕事をしなければならないのかと疑問だった。まだネットも携帯もない時代だ。

なのにまるでいまの若者がタイムスリップしたかのように、昭和の時代でひとり浮いていた。自分の居場所がなく、やりたいことがない。ただ漠然と人と仲良くなりたい。成功したいという夢だけがあったのだ。

その夢の前に天使のように現れたのがいまの妻だった。やさしく、繊細で、か弱く、女性らしさがいっぱいの人だった。うる星やつらのラムちゃん、いまで言えばエヴァンゲリオンの綾波レイみたいなスレンダーな女性だった。

だがしかし、ふたりにはトラウマがあった。私は父の確執。妻には父の女性問題だった。私は父のようにはなりたくない。いつか成功者のような人になりたい。妻は愛されたい。いつか結婚して幸せになりたいという願望だけがあった。

そんなふたりが出逢ったのだから、よくケンカしていた。すれ違い、話が合わず、2度別れた。3度目に付き合ったときは、自由恋愛しようなんて私が言って束縛から逃れた。要は結婚したくなかったのだ。

まるでいまの一部の男性と同じ生き方だ。やりたいことがなく、漠然とした成功願望があり(いまの言い方では起業願望)、結婚はしたくない、自由でいたいと思っていた。

だから一緒になるなんて夢にも思わなかった。結婚を決めたときの日のことはいまでも覚えている。しかたなく一緒に住んでいたある日のこと、師と仰いでいた人から迫られたのだ。

「ひろくん、結婚してもしなくてもどちらでもよい。それはきみの選択だから。だが結婚というのは社会的責任を負うということなのだよ。いままでのように自由な僕ではいられないということなのだよ。どうするかね」

「・・・・・・」

ものの15秒くらいだろうか、それ以上待たせたらいけない。ヤバいことになる気がした。別に結婚しなければいけないわけじゃなかったけれど、しなければ悪いことが起きそうな気がしたのだ。

「はい、します」

すると女性の副代表のほうから尋ねられた。

「言わされてない? 自分で決めた?」

「はい」

短く、小気味よい返事だった。だがあの瞬間、私の人生が変わった。同じ目標に向けて走り出したのだ。

同じビジョン、同じ目標――誰にでも可能性があり、愛される資格がある――をテーマにずっと走り続けてきた。

趣味も、考えも、性格も、家族環境も違う私たちがなぜ、ずっと一緒にいられるか、幸せでいられるか。それは言うことを思い切り言って、相手の想いを受け止める――たったひとつのことを大切にしてきたからだ。

ふつう、人は自分の考えが正しいと思っている。だから自分はこうだと主張する。

一方相手もそう思っている。だからぶつかる。ぶつかって話し合いをしてもらちが明かない。共通項が見い出せないからだ。

だがそれは相手の言い分であって、絶対じゃないし正しいわけでもないとわかると、少し聴く耳が持てるようになる。言い分をそのまま受け止め、スルーすれば、相手は聴いてもらえたと思えてスッキリするのだ。(これをクリアリング効果という)

そして思い切り自分の想いをぶつけた後は、すっきりとし、自分も、夫婦関係もバージョンアップしていることに気づく。それまでの関係から一歩進化(深化)し、あたらしくなっているのだ。

だから教えもふたりの間で進化(深化)し、あたらしいものとなっていく。ふたりの間で新芽がふくようにみずみずしいものとなっていくのだ。

だからたぶん、出逢った頃、結婚した頃よりもいまのほうが新鮮な感覚でいられるのだと思う。

夫婦になったら仲良くなきゃ、とかこうしなきゃ、とかいろいろと束縛が出てくる。けれどそういうのも踏まえて、ふたりで同じ目標に沿って解決していけたらどんなにいいだろう。

まさに私たちは道の途中――

だけどハタから見たらよくケンカしているように観えますよ(笑)。

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