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受験国語 短歌

🧡五句三十一音→五七五七七の定型詩

古代の日本人は五文字と七文字の組み合わせにより、独特の言葉遊びを考えつきました。初めは長歌と言って、長く書いていました。それが五七五七七だけの和歌となり、明治時代からは短歌と呼ばれるようになりました。

😀何区切れになるか→意味を考えよう。
😀体言(名詞)止め→なにを強調したいのか考えよう。
😀反復に注意→作者の心情を感じ取ろう。

海恋し/潮(しお)の遠鳴り/かぞへ(え)ては/少女(おとめ)となりし/父母の家  → 与謝野晶子(よさのあきこ)

初句切れ
ひとつ目の句のあとで区切れる。恋しいという心情を先に言っている
体言止め
→父母の家→海の近くにあった生家が恋しい(なつかしく焦がれる)心情

ふるさとの/なまりなつかし/停車場の/人ごみの中に/そを聴きにゆく
→石川啄木

二句切れ
ふたつ目の句のあとで区切れる。ふるさとのなまりがなつかしいと一番言いたい心情を書いている
そ→それ
東北なまりの事
停車場
上野駅の事。昔は上野が東北に帰る人の始発駅だった。お金もなく新幹線もないので時間がかかる。だから上野駅にふるさとなまりを聴きに行ったのだ。

たらちねの/母が釣りたる/青蚊帳を/すがしと寝(い)ねつ/たるみたれども
→長塚節(ながつかたかし)
四句切れ
→すがしと寝ねつの後ろで切れる
たらちねの
→枕詞、母の前につける
青蚊帳
→あおがや。緑色の細かい目の網状のもの。寝る時、蚊が入らないように部屋の四隅から釣った。
すがし
→すがすがしい
寝ねつ
→「いねつ」と読む。寝たという意味。
たるみたれども
蚊帳は、部屋の四隅の高いところから強く引かないと、たるんでしまう。たるみによって母が年老いたこと。それに対する心情を表現している。

みちのくの/母の命を/一目見ん/一目見んとぞ/ただに急げる 斎藤茂吉
句切れなし
みちのく
→東北
一目見ん一目見んとぞ→反復。くりかえして心情を強調。
→強調。
ただに急げる→ひたすらに急いでいる。
中学生なら、前のげる係り結びとなっているのに注意。
母が危篤(きとく/亡くなりそうだ)と知らせが来て、生きているうちに一目でいいから会いたいと、東北へ急いでいる。新幹線などない。時間がかかる。

いちはつの/花咲きいでて/わが目には/今年ばかりの/春ゆかんとす
正岡子規(まさおかしき)
句切れなし
いちはつの花→アヤメ科・白・むらさき
今年ばかりの春
作者は当時不治の病といわれていた結核にかかっていた。来年はもう見られない花を見て、春をかみしめている。

たは(わ)むれに/母を背負いて/そのあまり/軽ろきに泣きて/三歩あゆまず
→石川啄木
句切れなし
たは(わ)むれに→ふざけて
そのあまり軽ろきに→そのあまりにも軽いのに

ふざけて母をオンブしたら、あまりにも軽いので、その苦労を考え泣いてしまって三歩も歩かなかった。

😀短歌は、作者の心情を読みとることが大切です。色々な表現を使うからには意味があります。
😀受験ではその技法が何なのか、正確に把握していることが大切です。
😀意味を現代訳したものと短歌を複数ならべ、一致するものを選択させる問題もあります。
😀作者がどのような背景で作ったのかを知っていると得なことがあります。
😀長文の中に入っており、あらかじめ知っていると得な場合があります。

🧡枕詞

たらちねの→母→足ら(垂ら)乳根が語源
ひさかたの→光・空・天→久しい方向(遠い方向)に見えるものが語源
ぬばたまの→黒・夜・髪→ぬ~っ!ばあっ!と魂(たましい)が出てくるのは夜
あをによし→奈良→空・山の木々の青色に、中国風の朱塗り(あか)の建物が引き立って良い
あしひきの→山→足を引っ張ったようにすそが広がっている

🧡くわしくは、YouTubeを見てね。


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