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房指輪

とても気になるものを見つけた。

それは「房指輪」。
沖縄伝統の金細工です。

金細工は「くがにぜーく」、
もしくは「かんぜーく」と読みます。

房指輪は「ふさゆびわ」と読む。
「フサ イービ ナギー」とも呼ぶらしい。

沖縄の金細工は、主に3種類。
(1)房指輪
(2)ジーファー
(3)結び指輪

「ジーファー」は、沖縄かんざし。
「結び指輪」は、2本の銀線を結わえて作る指輪。

私が気になっている「房指輪」は、
7つのモチーフに彩られた銀の指輪です。

婚礼の際に「娘が一生、来世も守られ、幸せでありますように」と願いをこめ、親から娘へと贈られてきたものです。モチーフはそれぞれに縁起の良い意味が込められています。

日本デザインストアHPより引用

そのモチーフが、とても素敵。
モチーフひとつひとつに、意味や願いが込められていて、とても惹かれる。

金細工またよしのHPより引用。

華美な装飾はないけれど、ひとつひとつが愛らしい。そして、7つ揃うと、とても華やか。

琉球舞踊でも使われると知る。

この指輪を付けると、どうなるんだろう。

見つけました。
房指輪を着用した古典女踊り「諸屯」の動画。

ゆっくりとした手踊りの動きに合わせて、静かに、しなやかに、揺れる。

指輪の美しさを損なわないように、指を伸ばし、揃え、むしろ、指輪を守るように動きを添えているようにさえみえる。美しい。

指輪に、込められた想い。親から子へ。子の幸せを願う気持ち。今世だけでなく、来世も幸せでありますようにという深い愛。その想いを受け取り、子も親の幸せを願う。

嫁入りという別れは、喜びだけでなく、悲しみや心配や不安も、きっとあったはず。

房指輪に、どうぞ娘をお守りくださいという「愛」と「願い」を込めた親の気持ちと、送り出される娘の気持ちを想像するだけで、ちょっと泣ける。

ひとつの指輪に7つもモチーフをつけちゃう。
その豪快さというか、てんこ盛り感も、とても好き。

あれも、これも、どれも、必要だもんね。

伝統工芸は、素敵だ。何世代にも渡り、伝統を受け継ぎ、次の世代につないでくれている職人さんのおかげで、現代でもその技術を見ることができて、手にすることができる。感謝です。

金細工またよしの七代目又吉健二郎さんが、
動画のなかで、次のように話していた。

伝統工芸の継承とは「道具と音の継承」である。

「伝統工芸の技術は、言葉では言い表せない。」
「言い表せないものがひとつの文化じゃないかと。」
「それ以上にそれ以外の何かがある。」

作業中の音の響きを聴き、音からでる空気感を身につける。

伝統工芸の継承は、技術の継承だけではない。
先代の歴史や想いという形のないものを受け取り、伝えることなんだ。

大切に継承され続けてきた沖縄の金細工。

私も、いつか手に入れたい。

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