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朝ドラと私 ③朝ドラは推し発掘の宝庫

朝ドラは俳優さん発掘の場

これまで、①、②と、私にとって朝ドラは幼いころから生活の一部だと、書いて参りましたが、従って世に出る前の俳優さんを見つけることも多くあります。ヒロインの女優さんのみならず、朝ドラのちょい役で見つけたら後で大化け!というパターンは多くある気もします

それ(俳優さんの大化け)を顕著に感じた最初は、オードリーでした。このドラマで私が最初に認識したのは、佐々木蔵之介さんと堺雅人さんです。
このオードリーは、京都太秦撮影所近くの旅館が舞台だったので、撮影所のシーンも多く、そこにいたスター俳優が佐々木蔵之介さん。そして、若手映画監督の役が堺雅人さんでした。2人ともこれを見るまで全然知らない役者さんだったし、佐々木さんなんて(スター役とはいえ)ほとんどセリフのない役だったのに、何故か私は「この二人はきっとこれから出てくるんじゃないかな」と思って見ていました。

程なくして二人とも人気俳優になりましたが、逆にヒロインやヒロインの相手役だった、(その頃人気のあった)役者さんは、そののちあまり見なくなりました。

純と愛で初めて見つけた(認識した)のは吉田羊さん。世間的にはその後に放送された「HERO」で認知され始めたと言われがちですが、私はこれでした。大阪のホテルに勤めた主人公・純の上司で教育係。できるキャリアウーマンの役がとても素敵でした。

特撮ヒーロー第二のステージとしての朝ドラ

近年、松坂桃李さん(侍戦隊シンケンジャー→梅ちゃん先生)、高橋光臣さん(轟轟戦隊ボウケンジャー→梅ちゃん先生)、福士蒼汰さん(仮面ライダーフォーゼ→あまちゃん)、竹内涼真さん(仮面ライダードライブ→ひよっこ)、磯村勇人さん(仮面ライダーゴースト(演じたのはネクロム)→ひよっこ)など、特撮ヒーローの主演を演じた男優さんが朝ドラを第2のステージにしてブレイクするというパターンも多いですね。それの始まりはいつからなのかな…?と私なりに調べたんですが、もしかしたら村上弘明さん(スカイライダー→都の風)からなのかなと思います。あとは倉田てつをさん(仮面ライダーブラック→君の名は)もそうでした。

でも、吉沢亮さんや菅田将暉さんなど、特撮ヒーロー出身ながら、様々な現場を経てある程度人気が出てから朝ドラというパターンもあって、必ずしも特撮直後出てブレイクと言うわけでもないようです。

推しが入れ替わる現象発生 ~ゲゲゲの女房

ゲゲゲの女房は、私にとって、かなり思い出深い作品です。これがスタートする前、向井理さんがいいなあと思っていた私は「ヒロインの夫役!そしてあの水木しげる先生の役!向井君が毎日見れるとはなんという幸せ!」と、物凄い期待値をこめてこのドラマを見始めました。

子役を経て、しげるさんの初登場回。風変りだけどいい味出してる…でもあれ?なんかハマれない。(私が求めてたのはこういう向井君じゃない)
始まる前の期待値が大きすぎたのか、毎日見るにつれ、向井理さんへの興味が何故かだんだん薄れていってしまいました。

それは多分、向井さんへの思いと反比例して、全くノーマークだったヒロインの弟役である星野源さんに心が奪われていったのも大きかったと思います。文枝さんを支えるけなげな弟。可愛らしい笑顔に毎日癒されました。

それまで何年も、ドラマや映画にも出ていたにも関わらず、私は星野源と言う人を全く知りませんでした。当時はまだサケロックというインストバンドで音楽活動をしていただけで、ソロデビューはしていなかったのですが、この星野源と言う人がもっともっと知りたくなり、YouTubeでサケロックを探り、ギターを弾く姿を見てギャップ萌えし、更にノックアウト。かっこいいじゃん“たかし“!いや、“星野源”!

もう完全に逆転です。向井から星野へ完全シフトです。弟のたかしは結局海の事故で命を落とし、ドラマ半ばで退場してしまったのですが、ちょうどゲゲゲ放送中(6月)に、時を同じくして星野源さんが歌手としてソロデビューしたので、歌を聞いてまた衝撃!すごくいいじゃないか、たかし!いや、源ちゃん!いくつかサケロック時代の曲の歌リメイクもあったものの、素朴な歌声とウイットに富んだ歌詞にもう私は虜です。

すぐにCDが欲しくなり、CDショップに走った私は、「星野源さんのCDください!」と言ったら「え?誰?」と店員さんのまさかの返答。「サケロックの…ギターの…」「は?何ですかそれ?バンド名ですか?」と、らちがあかない。結局どうしても通じなかったので、生まれて初めてネットで注文してCDを買いました。これが今やワールドワイドに人気のある星野源の12年前です。

それ以来、ラジオ番組にリクエストをして応援し、初期の近場のライブには何度か足を運びました。初期は曲が少なくて、何曲か他のアーチストのカバー曲も歌っていた、地元ライブハウスでのライブももう遠い思い出ですが、今やライブチケットはドームツアーでもプラチナ級。地元にも来てくれなくなった彼を見つけて、ソロデビューの様子を見守れたのは、皮肉にもゲゲゲの女房の際の「推し逆転現象」のおかげです。朝ドラはそんなスペシャルな出会いももたらしてくれる、私の大切なドラマ空間でもありました。

その後、先章に書いたような新しい役者さんの発見、特撮ヒーローズの発掘は、少しずつあったものの、星野源さんの時ほどの衝撃的な出会いはしばらくありませんでした。そして、先章で書いた向井理さんや、古くはチョッちゃんの頃の世良公則さん、なつぞらの時の井浦新さんなどのように、他作品で大好きになった役者さんが朝ドラに出演しても、何故か萌えないという不思議。

しかし、私は101作目の朝ドラ「スカーレット」で、また驚きの出会いを体験するのでした( ⓸「スカーレット~推しと推しキャラにWで出会う」に続く)


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