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「自分らしく生きる」の本当の意味

今日のおすすめの一冊は、川野泰周(たいしゅう)氏の『精神科医がすすめる 疲れにくい生き方』(クロスメディア・パブリッシング)です。ブログも本書と同名の「疲れにくい生き方」と題して書きました。

本書の中に『「自分らしく生きる」の本当の意味』という心に響く一節がありました。

自分らしく生きるというのは今の時代のキーワードだと思います。世の中で注目されたり、メディアで話題に上ったりする人は、過去の固定概念に囚われず、独創的な生き方やキャリアを築いてきた人物が多いですよね。

「自分らしく」という言葉をそのままとらえると、まわりに気を取られず、我が道を行くといったイメージを持たれるかもしれませんが、本当に自分らしい生き方を楽しんでいる方々は、皆さん共通して利他の心に富んでいるように感じます。 

私たちが何かしらのメディアを通して、一人の方の生き方を知ったり、その人が発するメッセージを受け取り、「この人っていい生き方をしてるな」と思うのは、その方の利他性、つまりまわりの人たちや社会に対する思いやりの心に共感するときなのではないでしょうか。 

逆に、利己的な視点だけでまわりを気にせず、やりたいことだけをやっている人は、たとえ自分らしく生きているように見えても、憧れたり共感したりすることは少ないと思います。

たとえばSNSはその典型例です。今は多くの方がSNSで自分の日常に起こったことなどを発信していますが、SNSの中でだけ輝いている自分を表現することによって、他の人からの「いいね」という評価を得ることが目的になっている人が少なくありません。

もっと端的に言えば、自分の人生はうまくいっているという「自己 暗示」をかけるためのツールになっているということです。 

もちろん全員がそうというわけではありません。社会のため、地球環境のため、あるいは平和な世界のために、多くの方にメッセージを伝える手段としてSNSを活 用している方もいますし、グローバルで有益な情報をやりとりするための貴重な場になっているというケースもあるでしょう。 

しかし、SNSでかりそめの優越感や自己満足を得ようとする人たちは、現実の生活において大きな問題を抱えていることが少なくありません。私が実際に、生活の大半をSNS上で過ごしている人たちのお話を聴きますと、結局のところSNSでは一時的な安心しか得られないと知りながらも、架空の世界に居場所があることで生きていけるという方がたくさんいらっしゃいました。

真に「自分らしい生き方」ができている人とは、周囲のご縁のある人たちや社会に対する貢献をすることで、その人から感謝してもらえる体験をたくさん持っていますが、その根底には「それをしていることが楽しい」という思いが必ず存在しています。

そして楽しんで取り組んでいる限り、自己犠牲にはなり得ません。やりがいをもって楽しみながら他者貢献することで、心からの感謝を受け取ることができる。それこそが本当の「自分らしく、幸せな生き方」と言えるのではないでしょうか。

だれかを喜ばせることや、利他のための行いを苦痛に思う人もいる。それは、利他の行為を「ねばならぬ」とむりやりやらねばならないと思っているからだ。利他はそんな大ごとで考えるのではなく、日常のほんのちょっとした他人への「挨拶」や「笑顔」「温かな声掛け」も立派な利他行だ。

人が喜んでくれれば、自分も楽しい。無理なく、自分らしく生きることができる人でありたい。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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