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黄金比と大和比

今日のおすすめの一冊は、はせくらみゆきさんの『一寸先は光です 風の時代の生き方へ』(青林堂)です。その中から「風の時代の生き方」という題でブログを書きました。

本書の中に「黄金比と大和比」という、とても興味深い文章がありました。

一般的に、日本人は「かわいいもの」好きで、西洋人は「かっこいいもの」好きと言われています。アニメなどのキャラクターなどを見ても、なるほどという感じで、たとえば、アンパンマンやドラえもん、キィティちゃんは「かわいい」し、スーパーマンやスパイダーマンは「かっこいい」の部類に分類されますよね。
実は、このようにとらえる感性の奥には、神様が設定した長さの比率…黄金比と大和比(白銀比)がしたためられていたのです。黄金比は約5:8の比率で、大和比は約5:7です。名刺やクレジットカードと、コピー用紙の縦横の割合、と考えてもらったらよいでしょう。
例としては、黄金比として有名なのが、ミロのビーナスやモナ・リザ、パルティノン神殿など。この比率のことを、レオナルド・ダ・ヴィンチの時代では神聖比と呼び、尊んでいたそうです。ちなみにダ・ヴィンチが描いた人体の絵…ウィトルウィウス的人体図にも黄金比が潜んでいるとのこと。
一方、大和比(白銀比)である1:1.414(1:√2)の比率は、法隆寺の五重塔の下の屋根と上の屋根の割合とか、大工さんがかつて、よく使っていたL字型の曲尺、ドラえもんやアンパンマンの縦横の比率も大和比です。ちなみに、キティちゃんは、顔の縦横の比率が大和比なんですね。
もともと、この大和比は、木造建築が多い日本において、丸太を無駄なく使いきるための比率(正方形の一辺と対角にあたる直線の比率)でもあります。それぞれに与えられたイノチ(ここでは木)を生かしきる視点…「もったいない」が原点にある比率ともいえます。
自然界において、黄金比は、主に目に見える世界を担い、動的で、進化と成長を司っています。一方、大和比は、主に目に見えない世界を担い、静的で、調和と安定を司っています。このように、目に見える世界は、装飾的で華美な「かっこいい」黄金比が受け持っているけれど、それらの底支えとなっている見えない世界は、実用的でシンプルな「かわいい」世界の比率…安定・安心・調和の大和比が受け持っていたということでもあります。
つまり、「大和比」を抱く国…日本という国が持つ本質的役割は、目に見えない世界を担う国…「ひ」という精神原理を大事にする国だったんだな、と思ったのです。それは今後、日本が世界をリードする時代が来ると、よく言われる言葉ではありますが、この意味するところは、何も声高にリーダーシップを取り、ガンガン行くというよりも、すでに宿っている、日本人が持つ精神性…自然の一部として、あらゆる全てとの調和を図りながら、和合進展しようとする姿…を、実践を通して示してしまう、ということなのかなと思います。
今までの時代は、目に見えるものに価値を重んじる、物質中心の世界でした。この世界観は、主に近代合理主義を中心とした西洋が担当してくれました。たとえると、ドーナツ型の実の部分を、しっかり育ててくれていたのです。時満ちて、やっと、ドーナツの穴の開いた部分、中心核となる見えない部分が醸成されてきたのだと思います。この部分を天の経綸とし担っていた国が、東洋の端に位置する「にほん」だったのです。

「ひ」は「日(ひ)の本(もと)」のことです。

アインシュタインが1922年に来日したときに残した言葉があります。

『近代日本の発達ほど世界を驚かしたものはない。その驚異的発展には他の国と違ったなにものかがなくてはならない。果たせるかなこの国の歴史がそれである。この長い歴史を通じて一系の天皇を戴いて来たという国体を持っていることが、それこそ今日の日本をあらしめたのである。私はいつもこの広い世界のどこかに、一ヶ所ぐらいはこのように尊い国がなくてはならないと考えてきた。なぜならば、世界は進むだけ進んでその間幾度も戦争を繰り返してきたが、最後には闘争に疲れる時が来るだろう。
このとき人類は必ず真の平和を求めて世界の盟主を挙げなければならない時が来るに違いない。その世界の盟主こそは武力や金の力ではなく、あらゆる国の歴史を超越した、世界で最も古くかつ尊い家柄でなくてはならない。世界の文化はアジアに始まってアジアに帰る。それはアジアの高峰日本に立ち戻らねばならない。我々は神に感謝する。神が我々人類に日本という国を作って置いてくれたことである。』

今、まさに日本はGAFAに負けっぱなしで、世界のランクからも遠く外れてしまいました。しかし、まだまだ、日本古来の精神性は残っているはずです。大和比の時代が到来する、すなわち、このコロナ禍が過ぎたら、いよいよ日本の時代が静かにやってくる、ということを信じて、日々を明るく過ごしたいと思うのです。

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