マガジンのカバー画像

詩や、遊んだ文章など

76
特殊な感じで書いた文章をまとめます。暗いのもあります。
運営しているクリエイター

#文芸

『ミュシャ』2019.10.07

再考する星の群れに捧ぐその細い金髪が、彼女の頬を撫でた。蒼い空を渡る夕暮のときめき、会い…

『深海』2019.10.06

限りなく深い世界の底に沈んでしまった時, 夜の夢を見る。(ヒーターを入れた水槽。)ぱちぱちと…

散文詩『三千世界』2019.10.05

大きな蓮が咲いている。線香の煙が帯を作っている。仏様が (大きな舟に乗せて) 罪を種の中に閉…

散文詩『光』2019.10.03

心臓が延長する。アンドロイド, 思考は身体だ。両とも"延長”する. 遠くにある光源に, 人間な…

散文詩『カルトワルツ』2019.10.02

額に当てられた手のひらの温度を覚えている。うばうようであり与えるようでもある。少年の聖典…

散文詩『自閉』2019.10.01

筆圧の高い鉛筆画を彼女は永遠に描いていた。 天地を創造し始めて二週間。予定のピンを、上か…

散文詩『記憶のドラゴン』2019.9.30

サグラダファミリアは青銅色の板に閉じ込められた. 警告だ, (洗脳しよう). 錆びた鎧を着なければならない, 剣を持って. 閉じ込められた過去に魔物が潜んでいるとするなら(自己ではない), 分離された卑俗, 焔を吐く形相(既知は恐ろしく常). 猫の瞳を覗き込み, 行方不明の正体を炙り出せ. 削り取ってもいい (分離しなければ), さもなければ剣は, 緑青に解けるだろう. 死ぬというのは(ペプチド結合), ほぐれることだ. 魔物は何でも喰う, 例えば記憶を. かつて殺された勇者

散文詩『ネバーランド』2019.9.30

鼻を抜ける微かな香りは白いスカートの薄い生地, 円形に舞う(淡い花の香)夜明けのむらさき咲い…