見出し画像

地域産業活性☓コミュニティプラットフォーム 『Tailor Works』 創業とサービスリリースまで

こんにちわ、テイラーワークス共同代表の難波です。

先日クローズしたシードラウンドの資金調達もあり、会社のメンバーも増え事業進めていく上で様々なパートナーやクライアントの皆様から聞かれることが多くなってきたので、テイラーワークスという会社とTailor Worksというサービスを立ち上げた経緯を改めてまとめてみることにしました。

少しばかりお付き合い下さい。

テイラーワークスとは?

『社会課題解決、地域課題解決の汎化』を目的に活動しているスタートアップです。事業の1stフェーズとして、地域向けのビジネスコミュニティのプラットフォーム提供や企画、運用支援を提供してます。

コミュニティオーナーとして、地域インフラ系(金融機関、ガス、鉄道、建設、不動産、メディアetc...)の企業や地方公共団体などが展開するビジネス向けコミュニティにオンラインコミュニティの機能を提供し、コミュニティに参加するビジネスユーザーには情報コンテンツや短中長期に必要なネットワークの醸成を行っています。

プロダクトも10月末に大幅アップデート予定です。

画像3

会社の内容を少し。

お気づきの方もいると思いますが、社名の由来は仕立て屋さんの「Tailor(テイラー)」から来てます。Worksには「作品」とか「その人が持つアウトプット(日本でいう著作物)」のような意味があります。

我々が適切なヒトコトカネを、適切なヒト達に合うように「仕立てる」ことで、新しい「作品」とか「アウトプット」を出せる、そんな価値を提供したいという思いから付けました。

また会社を紹介する時にユニークな内容として、フルリモートワーク型の組織という話してます。現在の社員の50%以上が関東圏以外のメンバーであり、全国色々な地域で正社員として活躍してくれています。

↓全国からメンバーが参加するオンライン歓迎会

スクリーンショット 2021-09-03 20.35.15

そういえば、2020年の5月末にこんな記事を書きました。

オフィスレス企業になります。新しいチャレンジでニューノーマルな働き方へ。

当時書いた、安心安全な仕事環境/プライベートと仕事は限りなく近づく/都心のライフステイタスから地方のゆとりの選択、という3つの価値観の変化に従って良かったなと思ってます。

今ではもうコロナ禍に関わらず、事業として地域フルリモートワークはなくてはならないもので、場所を選ばない(選ばせたくない)働き方は、企業と社員、そして地域に対しての新しいロイヤリティの形になっています。

なぜ地域課題解決をビジネスにしようと思ったか

大きく分けて3つあります。

1つ目は、前職で独立系のマーケティングエージェンシーで様々な地域に足を運び、外資系やスタートアップのIT商材を地域事業者へ紹介するプロモーション活動を行っていた際に、事業者の課題感は二の次で商材ファーストでプロモーションの展開が行わているなと思った違和感。

多くのイベントや見本市は、商材の紹介が主だった提供価値です。協賛や出展という内容に対してコストが発生しているので、当然といえば当然ですが、課題感を無視したプロモーション活動は、当然の如く地域のビジネスユーザーに響くことは多くなく、事業会社にとっても効果的だったか、というと全面的にYesとは言いにくかったなと思います。

一方で、ちょうど同時期に首都圏を中心にSaaSのビジネスモデルの普及が始まったこともあり、当時のGoogle Apps、Marketo、トレジャーデータなど、名だたる企業のユーザーコミュニティの発足を手伝う機会がありました。

↓当時のマルケトユーザー会の様子

画像1

その中では、sell through the communityの概念にもある通り、「あの人に紹介してもらったサービスだから間違いない、使ってみよう」という感じで、コミュニティで育まれる信用経済がビジネスのスケールに大きな影響を及ぼしている実例を何度も見てきました。

このあたりで、地域経済に対して「信用経済を育んだコミュニティ形成ができれば、狭い商圏だからこそ非常に効果的なのでは?」という視座が芽生えていたように思います。

東京に身を投じてみて感じた、地元と田舎の産業衰退

2つ目は首都圏と地元と田舎、それぞれを知ることで開かれた視座があります。

田舎は沖縄と岡山、育ちも千葉の奥まった所でもあり、地域と産業は割と昔から身近にありました。東京で仕事をしながら田舎に帰ったりする度に景色が簡素になっていく様を幾度となく見てきました。

原因はやはり産業の衰退。本来産業は循環が行われるもので、古いビジネスモデルが淘汰され、その地域で新しいビジネスモデルが発足すればいいのですが、古いビジネスモデルが淘汰されたあとも、新しいビジネスプレイヤーが地域から育たなかったり入ってこなかったりと、基本下降線です。

ただ、沖縄など関係人口に高いロイヤリティを発揮している地域では、続々と新しいプレイヤーがUターンやIターン、オンラインでの関わりと持ったりと、新しい発展の形を遂げようとしているように思います。

地域で真面目に、面白さや楽しさを起こせるか。

その取組みを地域みんなで面白いと思って担ぎ上げることができるか。

地域のポテンシャルを信じる人達が「気持ちよく同じ視座を持っている仲間と活動できる環境」って大切です。

こういう考え方は、当時地元や田舎で過ごしていた時にはなかったなと、改めて思います。

信用経済を共創できるパートナーとの出会い

3つめは、現在の静岡銀行会長の中西会長との出会いです。

創業当時は、「コミュニティ」に大きな可能性を感じているぐらいで、具体的なニーズまでにはたどり着けていませんでした。静岡銀行の中西会長と出会い、現在のクライアントでもある静岡銀行と静岡県とTECH BEAT Shizuokaの活動を通じて、コミュニティプラットフォーム「Tailor Works」の地域課題解決☓コミュニティという軸が誕生しました。

情報格差という言葉は地域企業にもスタートアップにも等しく存在していて、それぞれがお互いの情報を知らない状態であり、この双方にニーズがあるにも関わらず存在してるギャップを再現性高く解消できないか、と取り組んだのが今のTailor Worksのサービスの原型になってます。

↓2019年でオフラインのみで実施した、TECH BEAT Shizuoka2019

画像2

地域産業活性☓コミュニティの先にあるソーシャルキャピタル2.0

コミュニティは多様性にあふれる人と情報が行き交い、様々なマインドチェンジ、気づき、価値観のアップデートができる宝庫です。企業や家族、周辺の仲間など従来のクラスターにはない「目指すべきロールモデル」に出会えることも代表的な1つのメリットですね。

早稲田のビジネススクールの入山先生の「両利きの経営、知の探索」を見てても、コミュニティは最適だなと思います。

話が少し戻りますが、前職時代の全国各地をキャラバンでイベントツアーをしている時に様々な地元の人々と会話する機会がありました。地域の課題や自社事業の課題を伺った際に、かなり多くの「共通課題」をみつけたのです。

それぞれの地域が抱える、同じような課題。

にも関わらず、課題に対しての取り組みは、それぞれ個別最適で行われていて、小さい予算、小さいサイクルを回し続けています。中には課題解決に向けて大きく踏み出せている貴重な資産やノウハウを持っているコミュニティも存在しているにも関わらず、そのノウハウや資産には他の地域コミュニティの人たちはアクセスする術がありません。

実はもう地域課題解決の手法を汎化できるだけのノウハウが、ある所にはあるんですよね。ただ皆が知らないだけ。キャッチアップできないだけ。

また、同じように地域事業者の方と会話していると、「同じような課題感を持つ人と会話してみたいんだよね」という言葉をよく耳にします。

この言葉、実は割と奥が深い意味を持っているなと感じました。

地域コミュニティのバイアスとして、強い絆やネットワークがある、的なイメージを持たれている方も多いと思います。

ですが、実際の地域事業者の方からの言葉は、「同じような課題感や視座を持つ人と、今の環境下では中々出会えず孤立しがち」という意味を持っていて、地域の事業者も外にベクトルを向けたネットワーク作りのニーズが高まってきていると捉えました。

これまでの、近隣のローカルな経済圏の中のみで活動を主としてきたガラパゴスな地域経済とコミュニティに変革が求められてきているということです。

実家も地域で会社を経営していましたが、結果廃業に至りました。事業が傾いていく際にも「適切なアドバイスをくれる誰か」だったり、「情報を集めて新しいビジネスを作り出す」というような活動は皆無だったのを覚えています。

Tailor Worksが成し遂げたいこと

こういった経験から地域商習慣の課題に変革をもたらすためにも、地域産業活性☓コミュニティのビジネスを事業ドメインにすることにしました。

地域の枠組みを超えた広域連携
コミュニティでの知の探索とソーシャル・キャピタル醸成
事業や産業の困り事、課題解決

今ではこの3つがテイラーワークスが展開するコミュニティプラットフォームの軸になっていて、個人的によく話しているソーシャル・キャピタル2.0の形だと思っています。

困っていることや相談をオープンにして、自分達のビジネスや産業のアップデートを手伝ってくれる人達との、目的に応じた人的ネットワークの醸成。

これからの地域にとって、重要なことだと捉えてます。

改めて、テイラーワークスのビジョンは全国のコミュニティが共創して実現する「地域課題解決の汎化」です。

↓事業ピッチから一部抜粋

スクリーンショット 2021-09-20 0.16.25

市場をコロナ禍が襲ったとき、開疎化や分散型経済の在り方など、様々なマーケットのこれからが語られましたが、その多くは実現には至っていません。

様々なコミュニティを通じて地域ビジネスユーザーが主体的に知の探索を続け、その先にある新しい地域ビジネス経済圏を作れた時に、本当の意味での分散型社会を実現するための基盤が整うと思っています。

道のりは果てしないからこそ、やりがいもありますよね!

冒頭にも記載しましたが、10月末に大幅なサービスアップデートも控えてます。関係人口も巻き込んだコミュニティプラットフォームに今後もアップデートを重ねていくことになると思います。

地域には色々な取り組み、産業、事業、素敵なステークホルダーがいます。そんな地域の『ヒト・コト・カネ』を巻き込み、「自分の街にもテイラーワークスがやってきた!」そんな声がユーザーから聞けるように、メンバーと一緒に進んでいきたいと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?