#8 『金持ち父さんの子どもはみんな天才』 ロバート・キヨサキ
社会に出てから「それを学校で教えてくれよ!」って思った筆頭は「お金」についてではないですか?
誰も教えてくれないけど、お金のことって、知っていれば得をするけれど、知らないといつの間にか損をしていることがとても多いです。
最近は、高校の家庭科で金融教育が必修化されました。とてもいいことだと思うけれど、お願いだから、楽しく、興味を持つような導入をしていただきたいと切に願います。
それでも、学校に頼るのは嫌なので、「お金」については、早い段階からどうやって子どもに興味を持たせるかとずっと考えてきました。
いろいろ読む中で、とりあえずこの1冊から始めるのがいいと思っています。
2人の父さんからの教訓話
『金持ち父さん』シリーズで有名な、著者のロバート・キヨサキ氏は、実の父である貧乏父さんと、近所の金持ち父さんの二人に育てられたという人物。
貧乏といっても実の父は、学歴社会のエリートでハワイの教育局長をしていた人です。だけど、いつも請求書に追われるような日々を過ごしていたので貧乏父さん。
一方の金持ち父さんは、事業をいくつも持ち、豪邸に住んでいるような絵に描いたような金持ち。
設定の段階で、すでにアレルギーを発症する人もいるような話です。つまり、投資とか事業とかの話になった瞬間にシャッターをおろしてしまう人がいるということです。「リスク」に過剰反応をする日本人はとても多いと言われています。
だけど、2人の父から受けた教育のいい部分とそうでない部分が書かれていて、とても参考になります。
まったくもって同感です。
金持ち父さんも貧乏父さんも、基本的な教育の発想が共通しているのはおもしろいところ。
1か100ではないんですね。いい塩梅、加減があって、場合に応じて正解ではなく最適解があるということ。
子どもが学ばなければならない勝利の方程式
「学習のための勝利の方程式」とは、もちろん偏差値を上げることや、東大に行くこと、という意味ではありません。
そこそこ重要だよ、とも取れる言い方。
100点を取ることが大事じゃない。100点を取る方法を自分で見つけたこと、努力をしたことが大事。
学習をしてみて、気づくことは少なくない。
何が好きで何が嫌いか。
何が得意で何が苦手か。
つまり、何もしないで好きなことだけしていても、「才能を見つける」という自己分析は進んでいかないと思います。
「学ぶ」という行為において、PDCAじゃないな、と思っているので納得。呑気に計画立てている場合ではないのです。
「間違う」が、「学習」のプロセスには入っているというのは強調したいところ。
学校との向き合い方
そういえば、教育のことばかり考えているけれど、子どもの小学校の通知表はほとんどちらっと見るくらい。
中学・高校になると、もうちょっと客観的な評価が下されるから大切かもしれません。
でも、小学校の成績はほとんど参考にならないですね。
この部分も、過程の大切さを述べているように見えます。
学校の先生は、カリキュラム通りに授業をすることが仕事であり、一人ひとりを伸ばす教育が仕事ではない。だから、できすぎて退屈な子もいれば、ついていけなくて勉強嫌いになる子も出てしまいます。
それが問題ではあるわけなんですが、たぶん今後も変わらないでしょう。
だから、頼るのをやめてからどうするかを考えたほうがいい。
うーん、辛辣。
人はその人の価値観を尺度として、人を評価します。
自分もそうならないよう、戒めないといけない話。
マネー教育
この本で提案されているのは、「3つの貯金箱」という考え方です。
貯金箱を3つ持ち、区別して使います。
1つ目は、十分の一税。総収入の十パーセントを寄付するための貯金箱。
2つ目は、貯蓄用。一年分の生活費を賄うために必要な貯金をしておくもの。
3つ目は、投資用。危険を冒すことを学ぶためのお金。
3つ目を持てると、いろんなお金の使い方を学ぶことができそうです。でも、投資をしたことがない人からはお金の使い方も本当のリスクも学ぶことができなさそうです。
この本で学べることは、稼ぐ方法とか大金持ちになる方法ではありません。お金との上手な付き合い方だと思っています。
大切なことは、本の中で何度も語られている
「お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる」
という考え方を早期に身につけることです。
考え方を知識としてではなく、実感としてどう我が子に身につけさせるかが、腕の見せ所ですね。
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