夏の記憶

「友達に戻れるかな?」

少し笑いながら君が言う。

「戻れるよ、きっと」

「きっと、、、いじわるぅ」

自分で言ったのに僕も全く同じことを思っていた。

「じゃー、戻れるよ」

「もう」と、笑いながらこっちを見る君の瞳が少し揺れていた。

思わず顔をそらした僕は

「戻ろう」と呟いた。

「ありがとう」

蝉が遠くで鳴いていた。

もう夏も終わる。

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