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【閲覧注意】意味が分かると怖い話 part④

○トイレの盗撮魔          ★☆☆
 駅のトイレで個室に入っていた。そしていざ終わって出ようとしたら、誰かが入って来た。どうにも出づらい雰囲気なので、俺はそいつらが出るまで待つことにしたんだ。
 しばらくすると会話が聞こえてきた。
「ねぇ、知ってる?トイレの盗撮魔」
「聞いた聞いた。ほんとキモいよね〜。なんかこの辺りのトイレにも出てるらしいよ」
「早く捕まって欲しいよね」
「あーマジ気持ち悪い」
 その女達は性犯罪者の愚痴をこぼしながら、ようやくトイレを出て行った。
(ったく…もっと早く出てってくれよ)
 俺は心の中でそう思いながら、持って来たカメラを鞄にしまった。


(解説)
何故トイレにカメラが要るんでしょう?


○素晴らしい仲間達         ★★★
 俺には素晴らしい仲間達が居る。小学校から高校まで一緒だった。
 そんな懐かしい仲間達に会う為、俺は地元の町に戻って来ていた。実家に荷物を置いてから、ぶらぶらと散歩に出かけた。
 すると駄菓子屋の前を通りかかった。かつて俺を含めた全員が使っていた駄菓子屋だった。とても懐かしいので、俺はその店で何が菓子でも買っていくことにした。
 店の中に入ると、あの時と同じおばちゃんが店番をしていた。
「…おや?あんた、帰って来てたのかい?」
「あぁ、おばちゃん。久しぶりだな。ちょっと懐かしくなって寄ったんだ」
「もう友達の所には行ったのかい?」
「いや、まだだ。これから向かうところなんだけど、皆が今居る場所って分かる?」俺はおばちゃんに尋ねた。
 おばちゃんは静かな声で言った。
「…とても言いづらいんだけどね、アンタ昔、伊田くんって子と一緒に居たろ?」
「あぁ…伊田ね。覚えてるよ。ソイツがどうかしたの?」
「一昨年ね、首吊って自殺しちゃったのさ」
 その瞬間、俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。何故、アイツが自殺なんかしたのか。動機なんて無いはずだ。
「そんな!嘘だろ!?」
「嘘じゃないよ。ほら」おばちゃんはそう言って新聞を差し出した。
「ここの記事みてごらん」
 俺はおばちゃんが指で示した記事を読んだ。その記事は小さく簡潔に書かれているだけだった。
「何…小井川町に住む伊田稔さん、二十三歳が首を吊って死亡…警察は自殺と見て捜査を進めているという……。何で自殺なんか…」
 その時、数々の思い出がフラッシュバックして来た。
 俺と伊田を含めた全員が遊んでいる光景。…そうだ。サッカーをよくしてたんだよな。蹴って蹴って蹴りまくって、それでもスカしたりしてて笑ったんだっけ…。夏はプールでバシャバシャはしゃいでたな…。
 思い出に浸っていると、おばちゃんが続けた。
「伊田くんね、どうやら虐められてたらしいんだよね。どうもそれが原因らしいんだけどね、よく分かってない部分も多いのよ」
「虐められてた?伊田が?アイツが虐められてたなんて…」俺は驚愕した。
「…実家にあった日記帳から、複数人から殴られた、蹴られた、金をせびられたとか、色々記述があったんだって。……絶対に許されることじゃない」
「こんなの…絶対に許されることじゃないだろ!俺も思うよ!」俺は激しい憤りを感じ、大声で叫んだ。
「本当にそう思うかい?」
「あぁ!勿論だ!素晴らしい仲間を自殺に追いやった奴らを俺は許さない!」
「そうかい。でも、起きてしまったことは仕方がない…。もうどうしようもないんだよ。傷は消えない。罪も消えない」
 ふと窓に目をやると既に日は落ちていた。
「また明日友達を連れて、みんなで来ると良い。明日で忌々しい思い出を振り払ってしまおう」
「じゃあ、おばちゃん。また来るよ」
「あぁ、気をつけてね」
 俺は暗くなった帰り道を歩いた。
 やはり『素晴らしい仲間達』というのは、俺の幻想でしかなかったのか。悔やんでももう遅い。
 …どうやら、おばちゃんは全てを知っているらしかった。
 俺はそれを受け入れるしか他なかった。


(解説)
伊田くんを死に追いやったのは主人公。作中の思い出の描写に注目して欲しい。サッカーとは、伊田くんをひたすら蹴る行為のこと。プールでバシャバシャはしゃいだというのは、伊田くんの顔を水面に押し付けて遊んでいたということ。そして新聞記事には自殺の動機について言及していた部分は無かった。それなのに駄菓子屋のおばちゃんは、『実家』から見つかった日記の話を知っている。つまり、おばちゃんが伊田くんの母親だということ。丁度主人公が帰って来て、息子の復讐が出来ると喜んだ彼女は明日、それを実行するつもりで「また明日おいで」と言った。主人公はそれを分かっていて受け入れるつもりでいる。


○自慰行為             ★★☆
 今日は家に誰も居ない。なので俺は居間でポルノ動画を見ながら自慰に耽っていた。すると姉が帰宅して来た。その光景を見て姉はパニック。俺は姉を宥めようとしたが、全く口を聞いてもらえない。ギャーギャーと喚くばかり。
 何だよ、そんなに自慰行為が嫌なのか、男だったら誰でもするだろと思った。しばらくして両親も帰って来た。俺は両親にも口を聞いてもらえなかった。自慰行為というのはそんなに罪なことなのだろうか?


(解説)
主人公は自慰行為のしすぎにより、既に亡くなっている。口を聞いてもらえないのもその為。


○良いニュースと悪いニュース    ★☆☆
 ある男が友人に言った。
「君に良いニュースと悪いニュースがあるんだ」
「早く教えてくれよ」
「君の奥さんがさっき、交通事故で亡くなられたんだ」
 友人は驚きながら言った。
「それは本当かい!?」
「あぁ、本当だ」
「…ちなみにに悪いニュースは何だい?」


(解答)
友人の最後の台詞に注目すると…




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