冷え性のお話
だんだんと暑い日も増えてきている今日この頃ですが、冷え性というのはオールシーズン私達を悩ませる問題です。なぜなら、夏は夏でクーラーによる冷えがあるからです。(私は冬の寒さより夏のクーラー冷えの方が嫌いです。冬は着込めば良いし屋内は温かい。しかし夏の屋内の寒さと言ったら・・・上着を忘れた日には地獄です。)
この冷え性、漢方が非常に得意とする分野です。漢方薬には体を温める働きの生薬が沢山あります。
しかし、ひとくちに冷え性と言っても、様々なタイプがあり、それぞれ治療法が違います。また、冷えているようで実はそうではない場合もあります。
私は、冷え性は大まかに以下の3タイプに分かれると考えます。
①末端型冷え性
手足の先だけ冷えるタイプです。これは、実は冷えというよりも血行不良です。体の血の巡りを良くする漢方薬を用います。
②上熱下寒型冷え性
いわゆる冷えのぼせです。足先は冷たいのに、顔は火照ったり上半身に汗をかいたりします。上に昇ってしまった気の流れを下げるような漢方薬を用います。
③全身型冷え性
熱産生が低下して、全身に冷えが認められます。これは本当の冷え性と言えるでしょう。体を温め代謝を良くするような漢方薬を用います。
例えば末端型の冷え性タイプの人に、全身型冷え性の漢方薬を用いても、体は暑くて汗をかくのに末端が冷たいまま、ということになりかねません。また、上熱下寒型の冷え性の人に全身型冷え性の薬を用いても、上半身の火照りが悪化してしまいます。
自分の冷えがどういうパターンなのか、よく観察することが大切です。
判別のコツとしては、湯船に長く浸かっていられるかどうかを聞くと役に立ちます。のぼせてしまって長く浸かれない場合は、①末端型や②上熱下寒型のことが多いです。
具体的によく使われる方剤名については、次回ご紹介します。
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