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漢方note始めます。

はじめまして!

漢方専門医のROMIと申します。

昨今は様々な医療情報が溢れていますね。漢方に関する情報もまさに玉石混合で、混乱しています。

そこで、漢方専門医として、漢方の専門的知識をわかりやすく提供するnoteを始めようと思います。
第一回目のテーマは、漢方ってそもそもどんなものなの?です。

漢方ってなあに?

「漢方」とは、古代中国の「漢」の時代に作られた医療技術のことです。

江戸時代、鎖国によって、西洋文明はオランダから伝えられたため、西洋の医学は「蘭方」と呼ばれました。それに対して、中国から伝わってきた医療のことを「漢方」と呼んだのです。

さらに細かくいうと「漢方」というのは「漢」の時代を起源とする「医療技術」のことをいい、薬だけではなく、鍼灸治療も含めて漢方と呼ぶことが多いです。

江戸時代にこの漢方は日本人の体質に合わせて独自の発展をしました。しかし、明治維新の時に政府は正式な医学としては西洋医学しか認めないとしたため、漢方は衰退してしまいました。

現在の日本でも、医学部で西洋医学を学んで国家試験に合格しないと医師にはなれません。漢方だけをいくら学んでも医師にはなれないのです。

漢方と似た言葉として、「中医学」や「東洋医学」があります。中医学は、中国全土に広がる様々な伝統医学を国家主導で統合して体系化したものです。中医学も漢方も起源は同じなので同じ方剤もありますが、使用する量が違ったり、診断に至る考え方が少し違ったりします。日本にしかない方剤や中国にしかない方剤もあります。

東洋医学というのはもっと大きな区分で、漢方・中医学の他に、朝鮮半島の韓医学やインドのアーユルベーダなどアジアの伝統医学を含んでいることもあります。

漢方の薬=漢方薬とは?

様々な薬理作用のある動植物や鉱物を生薬(しょうやく)と言い、この生薬を組み合わせて煮たり粉にしたり練って丸めたりしたものを内服します。基本的には数種類の生薬が組み合わさって、一つの処方となっています。

例えば有名な葛根湯(かっこんとう)は、葛根(かっこん)、麻黄(まおう)、桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)の7つの生薬が組み合わさってできています。

一方で、昔から民間の間で伝わってきた民間薬は、一種類の生薬を使用することが多いです。(ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコなど)

現代での漢方薬は某ツ○ラさんのエキス顆粒など、袋に入った粉薬として目にすることが多いと思います。あれらは生薬を煎じて抽出した湯液を、フリーズドライで顆粒状にしているものです。ですので、元々の形に戻すために湯で溶いて飲むのが一番良いとされています。(内服方法についてはまた別で詳しく書こうと思います)

ざっくりとではありますが、漢方について少しわかっていただけたでしょうか。次回以降、具体的な方剤の解説や、症状別に推奨される漢方薬など、具体的に役に立ちそうなことも書いて行きたいと思います。

また、漢方についての基礎知識、応用、豆知識的なことも書いていくので、漢方マニアの皆様にも喜んで頂けたらと思います。

どうぞよろしくお願いします!

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