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症状緩和のための看護師さんの評価・記録・ケア

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「患者さん、辛そうだな。早く効果のある薬処方されないかな。できることないかしら。」 ①各症状ごと、処方されてる薬ごとに評価項目をまとめてみようと思います。 ②全てを記録する時…
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オピオイド(麻薬)による呼吸数低下を認めたとき

オピオイド(麻薬)による呼吸数低下を認めたとき

オピオイドは強力な痛み止めですが、呼吸抑制に注意しましょう。具体的には夜に寝ているときの呼吸数をみます。(酸素化が悪化してからでは遅い)

私の職場では基本的に以下のように指示しています。

患者さんの呼吸が1分間に8回まで下がっても、すぐに声をかけたら反応があり、呼吸も戻る場合は見守りましょう。ただ、これはケースバイケースなので、注意して観察してください。

呼吸が1分間に8回でも反応が鈍い場合

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オピオイドを飲ませる時間の少し前に痛みが出た時

オピオイドを飲ませる時間の少し前に痛みが出た時

たとえば、定時の鎮痛薬を飲む予定の少し前に痛みが出たとき、その薬を早めに飲ませることがありますね。でも、本当はすぐに効くレスキュー薬を使うべきです。

がん患者さんが感じる痛みは、「ずっとある痛み(持続痛)」と「急に出る痛み(突出痛)」の二つに分けられます。持続痛の対策には「定時内服」を、突出痛への対応には「レスキュー薬」を使います。

持続痛の管理のコツは、定時で薬を飲み、血中の薬の量を安定させ

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トラマドールは麻薬じゃないけれど

トラマドールは麻薬じゃないけれど

トラマドールは麻薬の扱いではありませんが、オピオイド、つまりモルヒネと同じメカニズムの痛み止めです。

効き目:トラマドールの内服薬25mgは、モルヒネの内服薬(オプソが有名ですね)5mgくらいの強さがあります。注射薬50mgは、モルヒネの注射薬7.5mgと同じくらいです。これは、1日でモルヒネの注射を180mg使っている人が、痛いときに追加で使う分(レスキュー薬)と同じです。なんとなく強い痛み止

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