hiromasa iwasaki

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木の葉の標本、保存形式/アケビコノハ

ビーティングと言われる昆虫調査、採集方法がある。 木の枝を叩いて揺らし、枝についている生き物をまとめて落っことすものだ。ただ地面に落としも見つけるのが困難なので、白い傘や専用のネットに落とす。 このビーティングをしていると、いろんな生き物が落ちて来る。その中に今回紹介するアケビコノハという蛾もいる。他にはクモ、カエル、コウモリなんかも落ちる。さてこんな方法で蛾を採集しているのかと思われるが、私がビーティングをして狙う昆虫は主にとあるカミキリムシで、アケビコノハはこの虫を採集

    • スプリング エフェメラル

      春の女神やら妖精やらと呼ばれる蝶がいる。春に咲いて散る草花なんかをスプリング・エフェメラル、春の女神・妖精と呼ぶ。同じように冬の終わり、春の始まりを告げる蝶たちもスプリング・エフェメラルと呼ばれる。この妖精たちは日本には何種類か存在するが、その代表格は日本固有種であるギフチョウだろう。 自由に林を飛び回り、長い禁欲の冬の終わりを告げる。この蝶はまさに、春を祝福する妖精だ。 また地域によって様々な特徴があるため採集家、写真家問わず蝶好きでこの蝶を知らない人は日本には存在しな

      • マイマイカブリ 夏の夜、高尾山

        夏の夜、高尾山を懐中電灯を片手に歩く。目的はミヤマクワガタとヨコヤマヒゲナガカミキリ、その他シンジュサンなどいろんな虫たち。そして可愛らしいムササビが見れたら嬉しい。 また季節を変えて秋になれば、狙いはウスタビガといったところだろうか。 そんなわけで結局のところ、主には登山道沿いの外灯とその周辺の木の葉や地面をみて歩くことになる。あとは倒木があればテントウムシダマシやゴミムシダマシの類だろうか。 サルノコシカケ類のキノコの裏にはコブスジツノゴミムシダマシという、手当たり次

        • キベリタテハ

          キベリタテハというとても気品のある美しい蝶がいる。鼈甲色を中央に、そして月のような黄色の縁取り、よく目を凝らすとその一つ手前に複数の青い紋が一列に並んでいる。 僕がこの蝶を初めてみたのは、中学生の頃だった。理科室にあった先生の大量の標本箱の中にその蝶はあった。煌びやかな蝶たちの影にひっそりと姿を隠していた。最初は金属光沢を帯びたり熱帯の果物のような極彩色の蝶にばかり目が行き何百も何千もある標本を眺めて過ごすうちにだんだん目が慣れ、そうしてようやくこの蝶の美しさがわかるように

        木の葉の標本、保存形式/アケビコノハ

          虫の話 1/759 Cameronhighland Malaysia 14.Ⅶ.1972 x 2016.3.31-4.4

          NFRC:P25 アカエリトリバネアゲハTrogonoptera brookiana という蝶がいる。 標本を眺めると、なるほど、肩に赤いラインがあるから赤襟なのだとわかりやすい。アゲハはアゲハチョウのことだとわかるだろうが、残るトリバネは鳥の羽のように大きいという話である。 この仲間にアレクサンドラトリバネアゲハというチョウがおり、とある話で有名だ。それは、あまりの大きさに、鳥と見間違えた動物学者が散弾銃で撃ち落とした。という話で、僕はつい最近まで本当だと思っていたが

          虫の話 1/759 Cameronhighland Malaysia 14.Ⅶ.1972 x 2016.3.31-4.4