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【著作権】美術と写真の著作物を展示するのに複製していいの?
今回は美術と写真の著作物を展示するのに小冊子に複製するのは許されるのかについてお伝えします。
展示が許される場合、著作権者の展示権の行使ができないということですが、これはあくまでも展示が許されただけであって、著作物の複製が許されたわけではありません。
複製するには展示が許されたとしても別途著作権者の許諾が必要となるのです。
展示の権利、つまり展示権については以下をご覧いただければと思います。
では、展示が許された者は、展示された著作物の解説や紹介するための小冊子程度に掲載するのに別途著作権者の許諾を得なければならないのでしょうか。
答えはノーです。
許諾は不要ということです。
要するに、美術の著作物と写真の著作物の原作品について、展示することを許された者は、観覧者のために著作物を解説したり紹介したりすることを目的とする小冊子に掲載できるのです。
解説や紹介の小冊子というのはカタログ等のことですね。
これはあくまでも解説や紹介のためのものですので、美術の著作物や写真の著作物の代わりとなるような豪華な品質のものは許されません。
小冊子に掲載だけでははなく、上映したり、自動公衆送信したりすることも許されます。
上映、自動公衆送信については以下をそれぞれご覧いただければと思います。
以下は上映です。
以下は自動公衆送信(公衆送信権の内容として言及しています。)です。
また、紙での提供に限らず、上映する場合とか、ネット上で閲覧できるような場合とかも許されるということです。
さらに、原作品展示者等(国、地方公共団体の機関、非営利の法人で文化庁長官が指定する者)は、展示著作物の所在に関する情報を提供するために展示著作物を複製したり公衆送信を行うことができます。
展示することができる者には自由に利用する範囲をいくつか法律で設定しているということですね。
今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。
(美術の著作物等の展示に伴う複製等)
第四十七条 美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者(以下この条において「原作品展示者」という。)は、観覧者のためにこれらの展示する著作物(以下この条及び第四十七条の六第二項第一号において「展示著作物」という。)の解説若しくは紹介をすることを目的とする小冊子に当該展示著作物を掲載し、又は次項の規定により当該展示著作物を上映し、若しくは当該展示著作物について自動公衆送信(送信可能化を含む。同項及び同号において同じ。)を行うために必要と認められる限度において、当該展示著作物を複製することができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 原作品展示者は、観覧者のために展示著作物の解説又は紹介をすることを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、当該展示著作物を上映し、又は当該展示著作物について自動公衆送信を行うことができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該上映又は自動公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
3 原作品展示者及びこれに準ずる者として政令で定めるものは、展示著作物の所在に関する情報を公衆に提供するために必要と認められる限度において、当該展示著作物について複製し、又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製又は公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
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