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「読者に役立つ記事を書かなきゃ」と思うと書けなくなる


「読者の目線に立って」「読者に役立つことを書こう」と言われて、何を書いていいか分からなくなって止まってしまった。

6ヶ月講座に参加を検討している方との無料相談を、2ヶ月間で20人ほどの方とやった。その中でよく聞いた話だ。

起業塾やブログの書き方を教える先生などに、「読者目線に立って」「共感される文章を書いて」「読者に役立つことを毎日配信!」と言われて、何をどうしていいかさっぱり分からず、発信が止まってしまったという声も聞く。

「読者に役立つ記事を書け」というのは一見それっぽいアドバイスのようだが、本当にそうだろうか?


「役立つことを書けない自分はダメ」なのか?

Blue Greyscale Photo Swimming Quote UAAP_NCAA Twitter Postのコピーのコピー


「役に立たなきゃ」と思い過ぎて苦しいのは、「役に立つ人間じゃないと自分には価値がない」という発想から来ているのではないか。


役に立たなきゃここにいてはいけない。役に立たなきゃ好かれない。
そんな世界は生きづらい。息が詰まると私は思う。


「役に立つことを書かなきゃ」と思うと書けなくなるのは、自然なことだ。だって、心が萎縮して、自由じゃない状態だから。

自分を大きく見せようとしたり、相手からどう思われるかばかりを気にして、本当に伝えたいことを見失っている状態だろう。


「役に立つ人」は、隣の役に立つ人と比べて消費される

Blue Greyscale Photo Swimming Quote UAAP_NCAA Twitter Postのコピーのコピー (1)

たとえば、片付けの仕事をしていて、「100均アイテムでこんなに簡単スッキリお片付け!」みたいな記事は、読者の役に立つかもしれない。

でもそんなことを書いている人は、ゴマンといる。

「100均 収納アイテム」で検索されて、上位に上がってきたところで、その記事を読んでその人に興味を持つかは、また別の話だ。

いいことを教えてくれたな、役に立ったありがとう、とページを閉じられて終わり。その先に、この人のことをもっと知りたい、この人の記事をもっと読みたい、と思われるには、そこにその人なりの視点や人間性が感じられることが重要だろう。役立つ記事だけでは足りないのだ。


「簡単・誰でも・すぐに」できるテクニックばかり発信して、自分の価値が伝わるか?

Blue Greyscale Photo Swimming Quote UAAP_NCAA Twitter Postのコピーのコピー (2)

たとえば、子育て中のママ向けのコーチングをしているとして、「こういう言葉掛けがいい」「子供にイライラしたらこうすればいい」というノウハウを書いていたら、

どこかのタイミングで、いや、こういうノウハウやテクニックだけを知っていても、うまくいかないんだけどな。と思うことがあるかもしれない。

本当に伝えたいのは、ノウハウやテクニックではなくて、もっと根幹的なことだとしたら、「こういう記事を書けばバズるかも」「こういう誰でも簡単にすぐできるノウハウが受けるんでしょ」みたいな気持ちで発信していると、本当に自分が伝えたいことと、今発信していることが矛盾して、つらくなってくる。

「本当に伝えたいことはこういうことではないのに、読者はどうせ難しいことなんてわからない(自分の頭で考えない)人たちだから、こんなレベルでいいでしょ」という考えは、読者に失礼だ。

(もちろん、これは内容の話であって、書き方の話ではない。読者は、知らない単語が2つ出てきた時点で離脱する。難しいことを難しい表現のまま書いたって誰も読まない)



「読者の役に立つか」を決めるのは自分ではない

「こういうことを書けば読者の役に立つはずだ!」と勢い勇んで書いたとしても、それが読者の役に立つかを判断するのは、読者である。

誰に向けて書いているかを決めずに、相手の気持ちを知りもしないで、「こういうことを書けば役立つはず」というのは空想に過ぎない。

自分では「これは役立つはずだ」と思ったことが、役には立たないかもしれないし、自分では「こんなことは別にたいしたことじゃない」「こんなことを知りたい人はいない」と思っていたことこそ、誰かにとっては、すごく知りたかったことかもしれない。

「こんなこと」と心のゴミ箱に捨ててしまってはもったいないのだ。


この人の視点が好き、この人の考え方が好き、と「人で選ばれる」最強説


「自分が書きたいことではなく、読者が知りたいことを書こう」というアドバイスは、それっぽいが、私はちょっと違うと思う。

自分が書きたくないことを、いくらそれが相手に役立つからといって書いていても、ちっとも熱が入らない。熱のこもっていない「これ書けばいいって言われたから書いてるんです〜」みたいな文章を読みたい人はいないだろう。

正確に言うと「自分が伝えたいことを、読者が知りたいことに変換する」のがいいと思う。

あくまでも、自分が熱を持って「伝えたい」と思うことがスタート。じゃないと、続かない。書きたくもないことを、毎日発信するなんて地獄だ。

そして、「書きたくもないけど、これはあなたの役に立つんですよ」みたいな発信に興味を持ってくれた人がいたとして、その人が本当に自分が伝えたい相手か?と問われると、確実にNOだろう。そこには信頼も何もない。

「読者の役に立つことを書く」というのは、自分の頭で考えた「これが読者の役に立つんでしょ?」という妄想を書くことではない。

自分の頭で勝手に作り上げた「理想のお客様像♡」に向かって書くことでもない。

キーワードで検索されるための「お役立ち記事」を量産することでもないのだ。

自分が本当に「こういう思いを持っている人たちのためにやりたい」と心の底から情熱が湧いてくるような人たちに向かって、自分が本当にこれを伝えたい、伝えたくてたまらないと思いが溢れてくるようなことを、

相手に伝わりやすい言葉で、相手が受け取りやすい文章で書く。


それは、「簡単・だれでも・すぐに」できるテクニックなんかではない。

同業者が書いていないすごいことを書かなきゃ、なんて思う必要もない。

便利な人、役立つ人、になってしまったら、同じように便利な人、役立つ人が出てきた瞬間、人はそちらに行ってしまう。

役に立つかどうかよりも、「この人の視点が好き」「この人の考え方が好き」「この人がいうことを聞き逃したくない」そう思われるような人になる方が強い、と私は思う。

替えが効かない人。ノウハウやテクニックではなく、もっと深い話をしてくれる人。

そういう人になるには「読者の役に立つ記事を書く」よりも、もっと大事なことがある。


「人間性で選ばれる人」になるための文章の書き方は、こちらの本に詳しく書いています

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