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「中華ちまき」が食べたかった裏切りの朝


朝起きてキッチンに行くと竹の皮に包まれたものがどーんと置いてあった。

祖母が「そのちまき食べていいよ〜」と言うので、ちまきっ!ちまきっ!と気分を高揚させながら竹の皮を剥がしてみると、


なんということか、"ちまきもち"だった。

黒いものがうっすら見えていたけれど、信じたくなくて中身をチェック。餡子。もち確定。


もうそのときの私はまるで、欲しかった電車のおもちゃを父が買ってきてくれたと思ってわくわくしながら包み紙を開けると、その正体が食パンだったために異様なほどショックを受ける、小津安二郎『麦秋』の実くんだった。

まあ、私は実くんよりは子どもじゃないので、
ちまきを床に投げ捨てたり、蹴ったり、
祖母に「ちぇっ!」と言ったりはしなかったし、もちは大好きだから素直に美味しくいただいたけれども、
腰を抜かしたよね。



それでふと、ちまきのことが気になって調べてみると、東西で端午の節句の「ちまき」の認識が違うらしかった。

東はいわゆる、中身がおこわの「中華ちまき」、西は笹の葉に包まれた細長いお団子、
そして、鹿児島では灰汁に漬けたもち米を竹の皮で包んで炊いた「灰汁巻き」がある、
ということ。

このとき、私が幼少期から抱えていたある謎が解明した。それは、

「竹の皮の中身はなんだろな」問題

なぜこの問題があったのかというと、

(まあまあ聞いてあげてください)

「中華ちまき」の存在はもちろん知っていたし、私の地元は鹿児島寄りだからか「灰汁巻き」にも馴染みがあったし、この日みたいに笹の葉ではなく竹の皮で包まれた餅を食べたこともあった。

竹の皮に包まれたものが1つではなかったのだ。

「謎は全て解けた!」

(※『金田一少年の事件簿』日テレで日曜夜22:30〜放送中だよ)

とはいえ、中華ちまきでもない、灰汁巻きでもない、笹の葉で包んでいるわけでもない、この餅は一体なんだ?

"ちまき餅"と呈していいのか?

新たな問題がまた1つ。

(謎、全て解けてないやないかーい)



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