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《あいちトリエンナーレ2019》駆け込みメモ:2019年10月6日〜8日

はじめに

 閉幕まであとわずかのあいちトリエンナーレ2019を10月6日、8日とがっつりまわってきました(7日は全館休館だった)。せっかくなので、まわったルートとか感想を書いとこうかなと。これから行く予定のみなさんや、興味を持たれた方の参考にもなれば幸いです。

 会場を巡った人からのTips

 会場エリアは大きく【愛知芸術文化センター(A)】【名古屋市美術館(N)】【四間道・円頓寺(S)】【豊田市美術館・豊田市駅周辺(T)】の4つに区分けされています。

 私の場合は2日間でまわりました。

【1日目(10月6日)】
・11:00前ぐらい〜17:00頃まで、愛知芸術文化センターをじっくり。

【2日目(11月8日)】
・10:00ちょうどに豊田市美術館に着き、そこを起点に豊田エリアを。
・13:30ごろに豊田市駅から愛知芸術文化センター(A)に戻り1日目に観ることができなかった(A)の作品を観る(この日10/8から今回話題になっている「表現の不自由展・その後」の展示が再開され、それに伴い抗議で展示を中止していた他の作家さんの作品もすべて公開となったので)
・16:00頃に着くように名古屋市美術館(N)に移動し、1時間ぐらいかけて観てまた(A)に戻る。
・18:00の四間道・円頓寺(S)行きシャトルカーの最終便に間に合うように切り上げ、最後は時間が許すまで(S)ですごす。

 得た教訓は・・・予習の大事さ(笑)。とはいえ、個人的にはあまり予定決めまくって回るの好きじゃないので良かったのですが、この作品好きかも・・・でも時間が!ってなる可能性あるので、これ絶対観たい、とか気になる作家さんや作品を予めピックアップしといた方が時間配分的にスマート。

 必須アイテムが、会場の要所要所に山積みされてるA3版の新聞紙みたいなガイド。めちゃ役に立ちます!データのPDFリンク貼っときます。 https://aichitriennale.jp/news/item/guidemap_web_1008.pdf
 あと、会場の作品には全てQRコードが付いてて、公式アプリで読み取ると展示作品前にある説明と同じ表示をスマホなどで観ることができます。音声で読み上げてくれる作品もあります。履歴も残るので、自分がチェックした作品を振り返ることができます。ただ、作品や場所によっては読み込みに時間がかかったりするのでけっこう電池減っちゃうかも。
 あと(A)、(N)、(T)の豊田市美術館、で活用させていただきましたがWiFiとんでます。ありがたや。(円頓寺ではスマホ全然観なかったので電波状況わからず)あと、充電サービスみたいのはないです。(一応スタッフさんに訊いてみた。笑)
 愛知芸術文化センターの8階の段ボール城的な事前予約制の託児所、自分が子供だったらここで遊びたかった。ゆっくり観たいお子様連れの方は活用するのも良いかもしれません。

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 蛇足かもしれませんが、(A)〜(N)間は徒歩20分強、タクシーで混んでなければ片道8分880円ほど。
 (A)〜(S)間は徒歩40分、電車20分強、車で15分ほど。運営が30分に1回、無料のシャトルカーも出してるので、スタッフさんに行き先の会場へのシャトルバスの乗り場と運行時間を訊いておおまかに目安をつけてうまく利用するのが一番スムースかと。
 (N)〜(S)間は徒歩35分弱、電車25分弱、車で12分ほど。
 (A)は栄町駅直結。少し建物の中とか通路とか歩きますが、ほぼ栄町駅と思っていいです。オアシス21を抜けてスタバなどがあるフロアからセンター内に入る行き方が個人的には好きでした。(S)は名古屋駅に一番近いエリアです。
 とはいえ(A)(N)(S)間はわりと近いですが(T)だけぽこっと遠くて電車で1時間ぐらいかかります。でも、2日あればかなり網羅して楽しむことができるのではないかと思いますし、名古屋周辺だけ、とか豊田だけ、でも見ごたえあると思う。
 なお2日間以上鑑賞予定があるのであれば3000円のフリーパスを買うと手ぬぐいもついてきます。(A)の10Fなど、会場入り口で直接買うこともできますがクレジットカードのポイント貯めたい方などは公式やpeatixなどで事前にweb購入しておくといいかも。手ぬぐいはほかにも、グッズなどを3000円以上買うと貰えます。ちなみに会場でのグッズ購入は現金のみ。

出展作品の感想

 個人的に印象深かった作品を14点ほどピックアップしてみます。

【A 愛知芸術文化センター】

A06 ウーゴ・ロンディノーネ《孤独のボキャブラリー》

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 このピエロたち実は中に人が混じってて立ち上がったりするんじゃないかってぐらい本当によくできていて人間っぽい。無表情の45体のピエロは、「一人の人間が、人生のとある一日、その24時間で繰り返し行っている家の中での孤独な振る舞いを示して」いるそう。カラフルな衣装が鑑賞者を楽しませてくれるけど無表情なのでこちらに何かを求めてくる感じはしないというのは、紳士的なホスピタリティというか上品さを感じます。孤独な振る舞いをしたままそこから永遠に動かない姿が側に来た者にとって自分を映す鏡になり得る、沢山の人が写真を撮って去っていく、その間彼らは彼らで在るだけでじっと動かないという。優しい作品だなーと思いました。写真撮りたくなるよね。

A07 クラウディア・マルティネス・ガライ《・・・でも、あなたは私のものと一緒にいられる・・・》

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 8日に展示再開し観られるようになった作品。奥に展示されている 《あなたを生き継ぐ》という映像作品を観ていたら途中で時間が来てしまい、引き込まれてきたところだったので「あと10分早く来ていれば!!」と後ろ髪を引かれながら移動したので今回の心残りの1つ。詩的で、人間の奥深くに潜るような、想像力を掻き立てられる作品。

A12 伊藤ガビン《モダンファート 創刊号 特集 没入感とアート あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情》

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 面白かった!雑誌感あります。まさに「入れる雑誌」。一部はここで観られます。ブラックなのも含めユーモアたっぷりで最高です。「Modernfart」というタイトルもartじゃなくてfart(おなら)だし。体感していただけるとわかると思いますが、ドットを増やして、減らして、数字つけて、桁増やして、金魚にして…、とか、思わず笑ってしまう。

A20 袁廣鳴(ユェン・グァンミン)《日常演習》《トゥモローランド》
 写真撮ってないですが、どちらもすごく印象に残った作品。「日常演習」は台湾に実際ある防空演習らしく「台湾って空爆に備えた退避訓練毎年やっているのか!」という驚きがあり、そのあとに来る「トゥモローランド」がまたフィクション感ありながらも強烈な爆破音とともにメリーゴーランドの馬とかが回転しながらスローモーションで飛んでいく様は切ないしすごく生々しい。 観る順番も大切な作品だなあと。ちゃんと動線がそうなっています。

A30 タニア・ブルゲラ《10150909》

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 かねてから体感したかった作品なので8日に展示再開されて嬉しかった。最初は《43126》という名前だったようです。この数字は難民の数を表していて、今回のあいトリの初期は《1050088》、数字が何回か更新され私のときは《1050909》でした。手の甲にその数字のスタンプを押され、同じ数字が壁に印字されている白い部屋に入るとそこに充満しているキツすぎるメントールに強制的に泣かされます(近隣の展示作品にも漂ってるぐらいの強いメントール)。きわめてシンプルなデザインなのに強烈に批評的だった。白い部屋に7個ある細長い送気溝がなんだかガス室を思わせるし、中に居るのをガラス越しに眺められる真っ白な部屋にいると「収容された」感覚に。

A31 ミリアム・カーン

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 とっても印象に残った作品群でした。美しく吸い込まれるような色の世界観だけど、心の上に乗っかった重石、あるいはずっと付いて回る影や鈍い痛みのようなものを内包してるような印象。内省的な気持ちにさせられます。白い、スッキリとして圧迫感のないこの会場で観れてよかった。

【N 名古屋市美術館】


N03 藤井光《無情》

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 1940年代の「台湾の人々を「日本人化」する目的で台湾内に複数設置された「国民道場」の様子を報じた」モノクロフィルムと、「愛知県内で学び働く若い外国人らが、フィルムの中で行われている訓練や、宗教儀礼の様子を再演」しているカラー映像が並置されています。「日本人化」される様子。。。沖縄出身の私としては、沖縄も「日本人化」の歴史をたどっているのでドキッとさせられる作品でした。

N04 モニカ・メイヤー《The Clothesline》

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 不自由展の中止に伴い、寄せられたメッセージが床に散らばる配置に変更されていたようですが、8日に訪れた際は一部以外元どおりの展示でした。男性も女性も立ち止まってゆっくり読んでいる姿が印象的で、今回出展作家のジェンダーバランスが半々である今回のあいトリを象徴するような景色だなあと思いました。 ハラスメントなどを受けた体験だけ書くのならばどうしようかなーと思ったけど、「そのとき本当はどうしたかったですか?」の選択肢も用意されてたので私もエピソードを書いてきました。

N07 青木美紅《1996》

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 あたり一面刺繍、という凄まじい作品。何かに対する想い、外に出され得ない抑圧された強い想いのようなものが切々と表現されているような印象。作家の「18歳のある日、母親から、自身が両親に切望されて配偶者間人工授精で産まれてきた子供であることを知らされる」「「選択された生」にまつわる偶然と必然、与えられた祝福と呪詛について考察を続ける」という展示説明を読みながら逃れがたい重力を感じます。美しく、あたたかいけど怖さがある。織るとか編むもそうだけど「縫う」という表現もまた「育てる」「生きる」に注がれる想いの代弁に相性がいい手法なのかも、と思ったり。

【T 豊田市美術館・旧豊田東高等学校


T09a 高嶺格《NIMBY (Not in My Back Yard)》

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 コインを入れて望遠鏡の中を覗くと、全方位カメラで撮影された沖縄・辺野古での基地建設反対のデモの様子が見えて、機動隊と反対派のちょうど間くらいに撮影者が立っているので機動隊側からデモ隊側を眺めることも、デモ隊側から機動隊側を眺めることもできます。映像は、最終的に撮影者の高嶺さんが機動隊に排除されていました。しかしこれが遠く小さく見づらく、この問題に興味がなくほとんどニュースもあまり見ない人が説明書きも読まず文脈を知らない状態で観たら、「ふーん」と言って見るのをやめてしまうのかも、と思うと切なくなり苦笑してしまった。金屏風は黒と黄色の警告色でデザインは旭日旗を思い起こさせるため、この望遠鏡越しに見える状況、あるいは望遠鏡を眺めようとする私達の姿に対して、まだ太平洋戦争は終わっていない、あるいはいつまた起こるともわからないという警告のように感じられる作品でした。

 高嶺さんの作品は、豊田市美術館そばの旧豊田東高等学校にあるプールの底を一部切り出して立ち上げたこの作品も圧倒的な存在感でした。

T09b 高嶺格《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》

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 プールの底を立ち上げる、というのを実際にやってしまう実物を見ると説得力がすごい。私は最初、これも無理やり圧倒的な力で引き剥がされ本来あるべき形ではない不自然さで土地や生活を改変された沖縄、あるいは日本を象徴しているのだろうかと、そしてタイトルの《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》も、美しかった何気ないかつての風景を偲びながら権力を前にした無力感に空を見上げ、「そのブルーな(悲しい)色に本来の自分を思い出せないほどに染まり果ててしまった」、という市民の想いのメタファーなのだろうか、と感じていて、プールから降りて帰りがけにまた作品を見上げると、鉄条網越しであるあたりがさらに在沖米軍基地を連想したのでした。あいちトリエンナーレ リポート 豊田市美術館・同市駅周辺①によれば、これは「米国のトランプ大統領が不法移民や薬物密輸対策として、メキシコとの国境への建設を主張する壁の高さ」でもあるらしいです。
 作品の裏側など、周囲をウロウロすると鳥の声や葉擦れなど自然音が豊かにきこえてくるので、屋外の作品ならではのしなやかさ力強さを感じて豊かな感覚に触れられたように思います。

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 この作品の出口、緑の簡易トイレと校舎の間の道を進んでいくと、《としのこえ、とちのうた》というグループ展が開催されています。参加アーティストは荒木優光、あまのしんたろう、安藤卓児、梶千春、河西進、千賀英俊、田代智裕、つちやみさ、水野なな、山岸大祐、中崎透、のみなさん。校舎に響く映像の音声が、グレゴリオ聖歌のように重なり合い、やがて取り壊される校舎への鎮魂歌のように響いていました。ここまでいらした際は足を伸ばされてみるといいかもしれません。


T11 スタジオ・ドリフト《Shylight》

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 植物の運動を詳細に観察・解析して作られたというこの作品は天井の高いホール状の空間に有り、その下にはクッションが置かれていて、クッションを枕にしてその動き眺めているとリラックスして眠くなります。美しい、心地よい、単純に癒される作品。


【S 四間道・円頓寺】

S08 キュンチョメ《声枯れるまで》
 写真を撮っていないのですが、FtM、MtF、Xジェンダーの改名を選択した方たちにインタビューし、最後はその名前を叫ぶ内容。フレンドリーでちょっとひょうきんな空気を醸し出す画面の中でインタビューされる彼らはみなとても笑顔が繊細で美しく魅力的でした。それは、マイノリティであることで生じてしまう環境や社会からの圧力に屈して自分を殺すことをせず、「あたりまえに自分らしく生きる」ことを(それだけのことがなぜか自分の場合困難だった、としても)選択する覚悟を決めた強さからくる美しさなのかもしれなくて、でも同時に笑顔にあらわれている繊細さが垣間見えて、そんなことを感じながら最後に自分で決めた自分の名前を叫んでいる彼らの声を聴いていたら、なんだか涙が出るほど感動してしまったのでした。


S11 毒山凡太朗《Synchronized Cherry Blossom》

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 《君之代》という映像作品が大変興味深かったです。個人的に父が戦時中台中に疎開していたことからそれをきっかけに交流のある台湾人の友人がいること、また沖縄はもともと台湾と物理的な距離も近く、近年は特に文化的交流も盛んで私自身台湾へ目が向いていることも影響してるかもしれませんが。今回のあいトリでは不自由展の騒動も相まって「政治的」という言葉がよく使われます。この作品は政治的な影響を受けた人たちの話ではありますが、なんだかとても「文化的」だなと思いました。戦時中日本が台湾を統治して行なった日本語教育の話が多く出てくるのですが、最後に出てきたご夫婦の話を引用すると、日本人の先生が厳しくて「行儀が悪い」とよくみんな殴られたと。小さかったからよくわけもわからず本当に悔しかったと。でも、日本人に対して悔しいと思っているかと訊かれたときに「今はそう思っていない」と。先生は好きなものを持っていきなさいと本をたくさんくれたりもしたと。他のインタビュイーの方もそうですが、当時の日本の教育を否定することはなく、「台湾人は日本人が来ていないとこんな暮らしはない」と語ります。
  一般的な日本人より丁寧で知的な日本語じゃん。。と思ったりしたし、素朴で優しそうな、構えていないあっけらかんとした話っぷりに、「癒やされる」と言うと変ですが、人は一人では生きていけないように、国家も地域も互いに存在しないとありえないんだなと沁みました。
 贖罪の意識と敗戦の劣等感と全共闘の傷と・・・そういった多層的なフィルターに75年かけられ続けいろんな文脈にがんじがらめになった私達日本人にはすっかり描けもしなくなった素朴な日本の良さを、台湾の、戦時中を知る最後の世代を通して日本を見ることで教えてもらえるような気がします。美しい言葉を使うとか、人が来たらお茶を出すとか、真面目なしっかりした教育とか、純粋にそれだけに想いを馳せることができないでいたなあと。
 教育勅語や、皇民化教育の強制的な実施は今振り返ると人権侵害であり他文化の侵略、侵害だったのではないかというのが私の立場ではありますが、そういうレベルの議論に直結させるのではなく一度それを脇に置き、一つの資料として眺めたい作品でした。私達はいつも自分で自分の姿はみえないものよのう、と思う。

さいごに

 ここには書ききれませんでしたがその他にも、A17 菅俊一《「その後を、想像する」》(ピタゴラスイッチみたい、と思ったらピタゴラスイッチの人だった。たまらない寸止め作品群でした)、A19 今村洋平《「tsurugi」「peak」》(作品の精度に、気が遠くなるような集中力と忍耐力を思い圧倒される)、A33 キャンディス・ブレイツ《ラヴ・ストーリー》(引き込まれて大スクリーンのは全編観ました。難民のエピソードが交差して語られます)、A14 dividual Inc.《ラストワーズ/タイプトレース》(カタカタ言う音と、遺言の画面を眺めてたら泣けてきた。つらさではなく、愛情を感じて。 [10分遺言] https://typetrace.jp/ )など、その他にもまだまだ印象深い作品はあるのですが、このへんで。あと、8日に展示再開になった《表現の不自由展・その後》に関しては、せっかくなのでダメ元で一応申し込んでみましたが抽選に外れ観れませんでした。

 全体的な素朴な感想としては、3000円でハイレベルな作品をこれだけ観られるのすごすぎない?という感じです(トリエンナーレとかビエンナーレとか、こういうものなの?)めちゃめちゃたくさんのインスピレーションを得ることができて、あと作家さんのアティテュードをこれだけ一気に肌身に感じられるというのは貴重な機会だなとしみじみ。個人的にはありがとうしかない。スタッフさんやボランティアさんも一生懸命で皆さん親切だったな。全然関係ないけど、私円頓寺のことなぜか円頓堀ってずっと言ってて、あとで間違ってたことに気づいて恥ずかしい!ってなりました。シャトルカーのスタッフさん、つっこんでほしかったな。。
 津田大介さんが芸術監督なだけあってジャーナリスティックな視点の作品が多かったように感じました。難民、ジェンダー、戦争や政治、権力による圧力や歪に目を向けたものなど。これらはおそらく今の世界の最大の関心事にほかならないと思うので、それに日本や世界の各作家さんがどういう態度をとっているのかを感じられたことはモノをつくる者としても勇気をもらえたし視点の幅を広げてもらったように思います。(了)


私が今回観た作品は以下です。

【愛知芸術文化センター】
A02 エキソニモ《The Kiss》
A03 アマンダ・マルティネス《欲望の構造》
A04 レジーナ・ホセ・ガリンド《LA FIESTA #latinosinjapan
A05 アンナ・ヴィット《60分間の笑顔》
A06 ウーゴ・ロンディノーネ《孤独のボキャブラリー》
A07 クラウディア・マルティネス・ガライ《・・・でも、あなたは私のものと一緒にいられる・・・》(including 《あなたを生き継ぐ》)
A08 永田康祐《「Function Composition」「Semantic Segmentation」Translation Zone》
A09 石場文子《「2と3、もしくはそれ以外(わたしと彼女)」》
A10 村山悟郎《Decoy-walking》
A11 田中功起《抽象・家族》
A12 伊藤ガビン《モダンファート 創刊号 特集 没入感とアート あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情》
A13 ヘザー・デューイ・ハグボーグ《Stranger Visions, Dublin: Sample 3》《Stranger Visions, Dublin: Sample 6》《Invisible》《Stranger Visions》
A14 dividual Inc.《ラストワーズ/タイプトレース》
A15 シール・フロイヤー《Untitled(Static)》
A16 文谷有佳里《「なにもない風景を眺める」 ほか》
A17 菅俊一《「その後を、想像する」》
A18a,b ジェームズ・ブライドル《ドローンの影》
A18c ジェームズ・ブライドル《継ぎ目のない移行》
A19 今村洋平《「tsurugi」「peak」》
A20 袁廣鳴(ユェン・グァンミン)《日常演習》《トゥモローランド》
A21 パク・チャンキョン《チャイルド・ソルジャー》
A22 CIR(調査報道センター)《ボックス:独房のティーンエイジャーたち》
A24 スチュアート・リングホルト《原子力の時計》
A25 ワリード・ベシュティ《「FedEx」「トラベル・ピクチャーズ」》
A26 パンクロック・スゥラップ《進化の衰退》
A27 ハビエル・テジェス《歩行者》
A28 イム・ミヌク《ニュースの終焉》
A29 澤田華《Gesture of Rally #1805
A30 タニア・ブルゲラ《10150909》
A31 ミリアム・カーン
A32 藤原 葵《Conglaturation》
A33 キャンディス・ブレイツ《ラヴ・ストーリー》
A34a,b 加藤 翼《2679》
A35 ピア・カミル《ステージの幕》
A40b アート・プレイグラウンド あそぶ PLAY
A60b 高山明(Port B)《【展示】高山明 (Port B)『パブリックスピーチ・プロジェクト』》

【名古屋市美術館】
N01 碓井ゆい《「ガラスの中で」》
N02 今津景《生き残る》
N03 藤井光《無情》
N04 モニカ・メイヤー《The Clothesline》
N05 桝本佳子《五重塔/壷 ほか》
N06 パスカレハンドロ(アレハンドロ・ホドロフスキー& パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー)《サイコマジック:アレハンドロ・ホドロフスキーへの手紙 「アレハンドロ・ホドロフスキーのソーシャル・サイコマジック」》
N07 青木美紅《1996》
N08 タニア・ペレス・コルドヴァ《Portrait of a woman passing by》
N09 Sholim《Sholim Inspired by Tokyo Story》
N10 カタリーナ・ズィディエーラー《Shoum》
N12 バルテレミ・トグォ《アフリカ:西欧のゴミ箱》

【豊田市駅周辺】
T01 トモトシ《Dig Your Dreams.》
T02a 小田原 のどか《↓ (1946-1948 / 1923-1951)》
T02b 小田原 のどか《↓ (1946-1948)》
T02c 小田原 のどか《↓ (1923−1951)》
T04 ホー・ツーニェン《旅館アポリア》
T05 アンナ・ヴィット《未来を開封する》

【豊田市美術館】
T06a アンナ・フラチョヴァー《ミッションからの帰還》
T07 シール・フロイヤー《Fallen Star》
T08 タリン・サイモン《「隠されているものと見慣れぬものによるアメリカの目録」「公文書業務と資本の意思」》
T09a 高嶺格《NIMBY (Not in My Back Yard)》
T10 レニエール・レイバ・ノボ《革命は抽象である》
T06b アンナ・フラチョヴァー《アセンション・マーク I》
T11 スタジオ・ドリフト《Shylight》

【旧豊田東高等学校】
T09b 高嶺格《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》

荒木優光、あまのしんたろう、安藤卓児、梶千春、河西進、千賀英俊、田代智裕、つちやみさ、水野なな、山岸大祐、中崎透《としのこえ、とちのうた》 

【円頓寺】
S08 キュンチョメ《声枯れるまで》
S10 弓指寛治《「輝けるこども」》
S11 毒山凡太朗《Synchronized Cherry Blossom》


ありがとうございます!糧にさせていただきます。