fuchi/ガラス職人

ガラス工芸作家・林裕子 バーナーでガラスを溶かし、とんぼ玉、装身具、盆栽鉢などを製作し…

fuchi/ガラス職人

ガラス工芸作家・林裕子 バーナーでガラスを溶かし、とんぼ玉、装身具、盆栽鉢などを製作しています。 Note では私の作品についての思い、生まれたきっかけなど、SNSで発信するには長くなりすぎる文章を投稿する場にと思っています。富山在住

最近の記事

ひと冬分の長葱を使い切り、明日は立春大吉

今朝は豚汁を炊いた。 一汁一菜が多い私の朝食、豚汁を作っておけば3日ほど手抜きしても豊かな気持ちで頂くこととができる。 実家では豚汁と言えば大根、里芋、人参で白みそ仕立が定番だったが、私はかなり「適当」。味噌味に合いそうな食材はなんでも入る。里芋は欲しい所だが無ければジャガイモ、南瓜、薩摩芋でも良い。その他、根菜を中心に十種類くらいは入れて作る。  今朝の豚汁で、長葱を使い切ってしまった。 地元のファームから毎年注文用紙が届き、ひと冬分の長葱をまとめて注文する。こういうの

    • 震度5強で始まった2024年、ダメな見本だったOnlineShopを復活させる目標ができた

      能登半島地震で被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。 元日そうそうの大地震。富山市では震度5強、私の六十年の人生でも初めて経験する、強く長い揺れだった。幸いなことに自宅も工房も大きな被害は無く、棚から落ちた作品破損が数点、2日に入っていた体験教室のご予約がキャンセルになった程度で、4日からは通常通りに仕事を始めることが出来た。 倒れてごちゃごちゃになってしまったシャフトと、細く引いたガラス棒を分けて使えそうなものを回収し机を掃き清め、バーナーに向かって深呼吸。 最初

      • 世界第3位の豪雪都市・富山とモチノキ

        富山は世界第3位の豪雪都市である。 昨日から今朝にかけてこの冬初めての本格的な雪、我が家周辺も50cm近く降り積った。 うちの工房は富山市の施設「富山ガラス個人工房」敷地内の一角にあり、広い駐車場は市で除雪をしてくれるのが大変ありがたい。ただし除雪は道路が優先となるので雪の状況によっては数日車が入れないこともある。 工房から自宅は徒歩3分。明朝には体験教室の予約が入っているので、念のために散歩がてら様子を見に行った。 途中には数軒の民家があり、季節ごとの庭木が目を楽しませ

        • 落ちている「つめ」を拾って思うあれこれを取り留めも無く

          表題の画像は猫を飼ったことがある人には馴染みであろう、あの剥離した爪だ。爪とぎ用の段ボールや麻縄を巻いた柱のそばによく落ちている。片側だけの薄いものが見つかることが多いので、これくらいしっかりした形状のものが見つかると、つい嬉しくて取っておきたくなる。多頭飼いの場合は爪や髭が落ちていてもどちらの物か不明な場合が多いと思うが、我が家の場合は2匹のうちどちらのものか、一目瞭然である。 画像の左、大きく厚いのがトラ♂で、右の小さめで薄いのがミケ♀の爪。私がいままで飼ってきた他の猫た

        ひと冬分の長葱を使い切り、明日は立春大吉

          【自己紹介】手直しー好きな本や音楽を追記したが、長すぎるだろうか?

          #自己紹介 はじめまして、林ひろこと申します。 昭和38年生まれの卯年、今年還暦を迎えました。 埼玉県川越市出身、富山県富山市在住。 職業はガラス工芸作家 主にとんぼ玉の装身具を製作しています。 家族は同じくガラス作家の夫と息子がひとり、猫が2匹。 好きなこと・ものは読書、お茶、工芸品、民芸品、着物、音楽、料理など。 #読書 幼いころから本は大好き。小中高と学校の図書室や県立図書館など通い詰めて物語を中心に手あたり次第読んでいました。 海外のファンタジーには特に魅かれて小

          【自己紹介】手直しー好きな本や音楽を追記したが、長すぎるだろうか?

          体験教室を通じて言葉の贈り物を頂き「言葉の持つ力」を改めて感じた日

          ガラス工芸作家として自分の作品をつくるのは一番好きな仕事だが、「教える仕事」も年々楽しくなってきたのは、歳のせいもあるのだろうか。 今日も「娘の9歳の誕生日プレゼントにとんぼ玉&サンキャッチャーの体験を」という仲の良いご家族3人連れが来られた。Kちゃんは明るくしっかりした女の子、「ずっとずっと楽しみにしていました!」と元気にスタート。炎に向かってガラスを溶かすあいだも、サンキャッチャーのビーズを通すときも何度も「楽しい!」と言いながら真剣な表情で向き合い、素敵な作品を完成さ

          体験教室を通じて言葉の贈り物を頂き「言葉の持つ力」を改めて感じた日

          国際郵便のラベル作成サイトでは「英語」を選ぶべし

          アシュビル(ノースカロライナ州)で11月18日より開催されるガラス展に、夫・小暮紀一が出品することになり、昨日から作品の選定やリスト作り、出荷作業に追われている。 私のとんぼ玉は雑な扱いをしようがほぼ割れることは無いが、夫のコアガラス作品はそうはいかない。作品の選定、撮影、リスト製作、それから丁度良いサイズの桐箱を選び、薄紙に包んで梱包していくのは毎度のことながら気を遣うし時間もかかる。やっと荷造を終えて今度はパソコンに向かい入力作業。 国際郵便のサイトは入力する項目が多く

          国際郵便のラベル作成サイトでは「英語」を選ぶべし

          女は度胸、お江戸日本橋でガラス展とワークショップ開催中

          とんぼ玉と手作りガラスビーズを使ったアクセサリー作りのワークショップを開催している。 会場は「日本橋とやま館」日本橋三越本店新館と、日本橋の間に立つビルの1階に7年前にオープンした富山県の情報発信拠点&アンテナショップ。 同じ会場で3回目となるワークショップだが、今回の新メニューはイヤリング・ピアス。好きな色のビーズを6個選んで仕立てる、色合わせがとても楽しい。 事前の準備はドキドキで、頭の中で何度も工程を思い浮かべながら材料や工具を荷造した。「3日間のあいだに補充はでき

          女は度胸、お江戸日本橋でガラス展とワークショップ開催中

          面倒くさい仕事の注文もありがたい「富山曼荼羅彩」のガラス

          私が住む富山市は「ガラスの街とやま」をつくることに40年近く前から取り組んでおり、富山県でも「とやまブランド」の一つとして富山ガラスを推奨しているくらい、ガラス推しの地域だ。 でも「富山ガラス」って何? 富山ならではの特徴は? と問われると困ったことになる。焼物であればその地域独自の土があり、その土を使うから生まれる特徴や伝統がある。それに比べるとガラスは全国どこでも同じ素材を使う。しかも色を付ける材料は世界共通で、吹きガラスならクグラーやライヘンバッハ、ランプワーク用ならモ

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          聖徳太子の愛用品? お数珠とトンボ玉のおはなし

          私が作るとんぼ玉はネックレスやブレスレットなど、アクセサリーに仕立てることが多く、それに次いで帯留、羽織紐、かんざしなど和装小物、まれにではあるが数珠に仕立てることもある。 画像は「蜻蛉玉金剛子念珠」と名付けた片手用数珠。108つの四分の一27珠のうちとんぼ玉11、金剛菩提樹8、金剛子(水晶)8の三種類の玉を連ねて製作している。これは聖徳太子の愛用品と言い伝えられる念珠に由来する。 トンボ玉を作ることを生業(なりわい)としている私、作家として作り始めた頃からの疑問であったし

          聖徳太子の愛用品? お数珠とトンボ玉のおはなし

          捨てるものから価値あるものへ ー呼継のとんぼ玉

          #私の作品紹介 私が主に使っているガラス棒はイタリア・ムラノ島で作られているエフェトレ社の「モレッティ」と呼ばれるガラス棒、ヴェネチアンビーズと同じ材料といえばわかりやすいだろうか。 直径8mmほどのカラフルな棒ガラスで、これをバーナーの炎で溶かしながら数色混ぜて模様のパーツを作ったり、細く引き伸ばしたものを使って玉を成形して文様を入れる。 正確な幾何学模様を作るためには同じ大きさに引いたパーツを規則正しく並べていかなければならず、新しいデザインの玉やネックレスの色合いを思

          捨てるものから価値あるものへ ー呼継のとんぼ玉

          とんぼ玉ってなに?【その1】

          「とんぼ玉」「蜻蛉玉」「トンボ玉」、表記がいろいろでまぎらわしいんだけど、どれが正しいの? そもそも「とんぼだま」って何なの? 表記に関してはどれもが有り、統一されてはいません。「とんぼだま」は日本独特の呼称で、英語では glassbeads 単に「ガラスのビーズ」です。 一応現在の「とんぼ玉」(これが一番多い表記なので、これで統一します)の定義は、 1.ガラスで出来ている 2.穴が貫通していて、紐を通すことができる 3.2色以上の色ガラスを使ってつくらている という条件が

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