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震度5強で始まった2024年、ダメな見本だったOnlineShopを復活させる目標ができた

能登半島地震で被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

元日そうそうの大地震。富山市では震度5強、私の六十年の人生でも初めて経験する、強く長い揺れだった。幸いなことに自宅も工房も大きな被害は無く、棚から落ちた作品破損が数点、2日に入っていた体験教室のご予約がキャンセルになった程度で、4日からは通常通りに仕事を始めることが出来た。

机から落下してごちゃごちゃになった心棒とガラスの細引き
2024南天柄のとんぼ玉

倒れてごちゃごちゃになってしまったシャフトと、細く引いたガラス棒を分けて使えそうなものを回収し机を掃き清め、バーナーに向かって深呼吸。
最初に作るのは南天のとんぼ玉に決めていた。
模様を入れるため、数色の色ガラスを混ぜ合わせたケーンを用意する。葉は3色の緑に赤を少し加えて。実は透明な赤、不透明の赤など3色の赤を混ぜ合わせて。枝にはアベンチュリンをクリアで覆ったものを細引きに。
南天には「難を転じて福となす」の意味がある。

テレビやネットからは被害に遭われた方々の痛ましいニュースが流れる。輪島にいる友人たちも、避難所での生活はさぞ不自由だろうし、今後の製作や生活に不安も多い事だろう。
いや、うちだって将来の不安は他人事ではない。リーマンショックや東関東大震災での景気の悪化、4年間のコロナ禍で受けた融資の返済。ロシアのウクライナ進行による材料費や燃料費の高騰。この地震はまた仕事に影響があるのだろうか。

ざわざわする気持ちを押さえながら、炎に向かう。避難生活をおくる友人たちに比べればこうして日常通りに仕事ができるのは、当たり前では無くなんと幸せなことだろう。炎に向かってガラスを溶かせば集中せざるを得ないし、余計なことを考える必要もない。
私に出来ることは作ること、作ったものを欲しいひとに買っていただき稼ぐこと。

大晦日から元旦にかけて、良い事もあった。アメリカのLevel42Gallery に出品した私の作品を紹介したギャラリーのリール動画に1,500件以上の「いいね」があり、タグから私のインスタグラムにもフォロワーが200人増えたのだ。

投稿をシェアすると作品を購入したいというコメントもあり、試しに出来たばかりの南天と柚子の根付をネットショップに掲載してインスタにタグを付けたところ・・・ アメリカから注文が!

2024柚子のとんぼ玉根付

ネットショップに関しては、今まで典型的な「ダメ」の見本のような状態だった。ずいぶん前にCreema というハンドメイド作品の販売サイトに登録したのだが、目的が購入して頂くというよりも新規取り扱い店などに向けた商品カタログのようなもので、作品ではなく定番商品しか掲載していなかったし、1点物の作品を頻繁に掲載するようなマメなことが出来なかった。まれに注文はあったのだが、展示会で他県に1週間の出張中に急ぎのご注文を頂いて困ったことがあり、次の出張で休店にしたまま数年が経過した。
その後コロナ禍で展示会も教室も中止になったときに、自宅で楽しむサンキャッチャーのキットを販売しようとBASEを使ってネットショップを立ち上げたものの全くの素人仕事。富山県新世紀産業機構の勉強会に参加もしたが、一人で製作できる程度の量で楽天やアマゾンなどで検索の上位を狙うような方法はとれないし、広告を出す予算も無い。SNSで紹介して友人に購入してもらうだけの売上。その後、県の補助金を利用してマスク・ストラップの撮影やロゴマークをプロに依頼し掲載してみたものの鳴かず飛ばずの閑古鳥。

それが今年に入って6点の売上。しかも購入者の二人が海外から。
私に向いている方法が少しつかめたような気がする。
よし、今年の目標は通販サイトを頑張ってみよう!
まずは魅力的な作品作り、そして写真撮影、ショップへの掲載とインスタグラムへの英語表記。できないことを思い悩むよりもできることからコツコツと。

輪島や珠洲の工芸作家仲間たちにも、生活が落ち着けばきっと工房を再開する活動が始まるだろう。クラウドファンディングなどもあるかもしれない。 その時に、少しでも応援できる私になる。

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読んでいただきありがとう御座います。
ガラス工芸作家 林 裕子

〒930-0151
富山県富山市古沢237-3 富山ガラス個人工房4号棟A
蜻蛉玉丙午/KOGURE Glass Works

◇ウェブサイト
https://www.kogureglass.com/

◇Instagram
https://www.instagram.com/hayashikogure/

◇Facebook
https://www.facebook.com/hiroko.hayashikogure

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