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『先送り0 ー「今日もできなかった」から抜け出す[1日3分!]最強時間術』感想

『先送り0 ー「今日もできなかった」から抜け出す[1日3分!]最強時間術』jMatsuzaki/佐々木正悟 技術評論社

タイトルどおり、やろうと思っていることがあるのに時間がなくて今日もできなかった、ずるずるとひきずって今日もできなかった、つい先送りにしてしまう、そういったことから抜け出す方法について書かれた本。

そのためにはルールがあります。
本の紹介文にも書かれているその3つのルールとは、

  1. 1日の初めに今日やることを決める

  2. 1日の終わりにその中で先送りしたものの数を数える

  3. 1分でも手をつけたら「先送り」とはしない

この3つ。
とても簡単なルールですが、それでも私のような筋金入りの3日坊主だと簡単には行きません。
でもね、この本を読んでからの約1ヶ月、少しずつでも取り組んできました。そして1ヶ月前と較べると、確かにほんの少しだけど変わってきているという実感があります。

少し前に日記でも書きましたが、それはほんの少しの変化。
ただこれまでの自分が、ゆるーい上り坂をゆるーーーくのんびーり上っているのかどうかもわからないくらいゆるーく上っていた(もしかしたら下っていたのかもしれない)としたら、今は、少しずつではあるけれど、階段を上がっているような感じがある。
上り坂と階段と、どっちも上がってみたらその高さは同じじゃない?って思われるかもしれないけど、違うんですよ。
前は、ゆるーくゆるーくゆるすぎて本当に上っているかどうかわからなかったうえに、ときどきは下り坂だったかもしれないし、足場はしっかりしているように見えて、でも実際は砂かもしれないところをだらだらと歩いていただけだったのが、いまはほんの少しずつではあるけれど確かに上ってきているし、気づけばそこは坂道ではなく階段で、しかも石段なの。

ぱっと見、自分のいる高さは坂と階段とでは変わらないのかもしれない。
でも、砂地の上り坂ならば上っているつもりでもしかしたら足元の砂がさらさら流れて、気づけば上っているのに全体から見たら落ちているなんてこともあるかもしれない。
だけど階段ってのは自分の土台ごと上がってる。それも石段だったら、そこからまず下がることはないですよね。
この先送り0を読む前の自分と読んだ後の自分では、それくらい自分の足元についての安心感が違っているのです。

この本を書かれたのは、jMatsuzakiさん

そして佐々木正悟さん。

そしてこの本の考え方の裏付けとなっているのは、タスクシュートです。

タスクシュートとは、タスク管理のやり方の一つ。自分のやったことを何でも記録していきます。
なんでもなので、つまりめんどくさいといえばめんどくさいのですが、私の場合は100時間残業していた頃に自分がどの仕事を済ませたのかの記録のために始めました。
一度にあんまりにも雑多な仕事が降ってくる上に当時の上司があんまりにもあんまりで、保身のためにもちゃんと自分のやったことの記録を残しておこうと思ったのが始まりです。
タスクシュートには単にログを取るだけでなく、振り返って仕事の分析をするとか精度を高めるとかいう使い方もあるのですが、私の場合は始めた理由が理由だっただけにログのために使い続けていました。
というか、今もまだそういう使い方をしています。

だけどこの先送り0を読んでから、タスクシュートの本来の使い方である、ログを取って、そのログを振り返り、分析して次に活かす、ということがようやくできるようになってきたんじゃないかという気がしています。
まだまだ最初の一歩を踏み出したばかりだけれど。

長々と自分語りをしてきましたが、最初に戻って先送り0の3つのルール。

  1. 1日の初めに今日やることを決める

  2. 1日の終わりにその中で先送りしたものの数を数える

  3. 1分でも手をつけたら「先送り」とはしない

この中で何が一番の肝かと言うと「3. 1分でも手をつけたら「先送り」とはしない」だと思うのです。

その日に決めた目標というのは、全部やり終えてこそ目標達成だと常々思っていました。
けれどこの本では、ほんの1分でもいい、やると決めたことにほんの少し手を付けただけでOKというのです。
とにかく1分でもやる。たった1分でも10日やれば10分だし、30日やれば30分です。
毎日たった1分だけってことはないでしょうし、一度やり始めればエンジンはかかりますから、30日やったらきっともっと長い時間やっているでしょうね。
たった1分でも手をつけて、それを習慣化すればいいのです。

このあたりは先日感想を書いた井上新八さんの『続ける思考』と同じような考え方ですね。
実際、井上新八さんも『先送り0』を読んで、自分の書いていることと似たようなことが書いてある、といわれてました。

そうして毎日たった1分でもいいから手を付けて、それを習慣化=ルーティンとして回していけるようになればいい。

このやり方を始めて1か月。私はずーーーっとさぼりがちだったnoteが続けて書けるようになってきました。
まだ毎日ずっと、とはいかないけれど、だいたい週に5~6日は書けています。
どうしても時間がない時には3行日記でもいいじゃない。
そんなふうに割り切れるようになりました。
前は短くても1,000字は書かなきゃ。最低でも700字は超えてなきゃ駄目って思ってたんですよね。
仕事があまり忙しくないときはいいんですけど、今は繁忙期で正直苦しい。
去年の春先に途絶えたのも、繁忙期で生活リズムが狂ったときに、それでもそれなりの文字数で書かなきゃ、と思い込んで書けない日が続き、書けなくなるとだんだん先送りをするようになり、結局noteから遠ざかり……。
という悪循環だったわけです。

それが『先送り0』に出会い、1分でもいいから手を付けよう、と実践してからnoteを書くというプレッシャーがほとんどなくなりました。
1分でもいいし、どうしてもきついときは休んでもいい。でも諦めずにまたやり始めればいいのです。

『先送り0』は、単に先送りしないためのメソッドだけではありません。
やる気を出すにはとりあえずやってみる、とはよく言われることですが、『先送り0』のメソッドもそれと同じ。
やってみると自然と「やる気」や「気持ち」の部分も走り出し、いつの間にかその日やるはずのことができているという不思議な感覚を最近は味わっているのです。


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