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メディア野郎 田端 信太郎 氏との出会いと珍道中(ローディー編)

「高級焼肉の定義はなんですか?」

こんな会話でスタートした田端さんとの付き合いも今年で約13年になる。
上司と部下という関係ではZOZOへの転職タイミングまでなので約10年だ。

そして私の社会人人生はこの田端 信太郎 氏との出会いで大きく変わることになる。いつか上司と部下という関係が終わった時に10年間の珍道中をブログに書きたいと思ってきたがようやくこの時がきた。(noteだけど)

ちなみに「高級焼肉の定義」の下りで連れていっていただいたお店はここです。「どうだ。ここの店内はまさに韓国だ。うまいぞ」と力説していただいたのをよく覚えてます。おいしかったです。皆さんに取ってここは高級焼肉ですか?

田端さんってどんな人?

この質問は本当にいろんなところで聞かれます。
自身のプロフィールに「趣味炎上」と書いてるくらいなので普通ではありません。なかなか一言では言い表せないくらい普通じゃないのですが、あえて例えると、ひょっこり現れ、まわりをかき回し、良い感じに着地させ、知らぬ間にいなくなり、またひょっこり現れる「フーテンの寅さん」のような人かなと。

後「かっこいい」人だったと思います。絶対に人の悪口とかは言わなかったし、人のせい、部下のせいにすることもなかったなと。よくTwitterで炎上していろんな悪口書かれてましたが、その人たちに対してもコメントでマジレスはしてたけど陰で悪口は言ってなかったと思います。恐らく基本的に「ダサイ」ことはしたくないという美学がそうさせてるのだと思います。
色々厳しいコメントをして早々と去っていったかと思うと背中からシャツがはみでてたり、首に社員証かけたまま社員証探してたり、常に誰でも後ろからスリッパで突っ込めるスキを見せてましたね。

一言でうまく説明ができませんが、恐らくこんな珍獣上司に出会うことは2度とないだろうと思います。

それでは本題へ....

最初の数年はまさにローディー時代

田端さん率いる事業企画部というのは(ライブドア事件から数年が立ち選択と集中を行っているタイミングで)何十と存在するサービスのコンセプトやKGI/KPIの再確認をしそれらを毎月モニタリングしていくという中立的な横断組織でした。その中で私が担当した主な業務は4つ。

1.田端さんが出席するほぼ全ての会議に出て議事録を書くこと
2.サービスのコンセプト/KGI/KPIが整理されたシート(レビューシートと呼んでいた)を毎月更新し、数値の変化や各サービスが行った策に対して赤ペンでチェックし田端さんに報告すること。(当時は紙でした)
3.月一で行われる全体集会(田端さんが拡声器を持って演説)用の資料をPPTで作成すること。(約30ページくらい)
4.田端さんの居眠り防止役

ひたすら書きまくった議事録

恐らく議事録を書いた数は誰にも負けない気がします。(多分)
現場会議から経営会議までとにかくありとあらゆる会議に出向き議事録を書いていたと思います。
これは今になって思うが、結果的に偉い人の会議にも同席することが多かったので質の高い話が聞け、それを議事録としてメモし、後で調べるという繰り返しは良い訓練でラッキーな経験だったと思う。

メンタルを鍛えられたレビューシート

サービスの現場が記入したKPIの進捗や対策に対して私が赤ペンでチェックし、コメントを書き、変化があればその変化の理由を現場確認し田端さんに報告するという作業があり、最終的には月一のレビュー会議でそのシートを使って田端さんがサービス側の担当者に詰め寄るのである。

とにかく辛かったのが仲介役の自分がとにかく板挟みで詰められるということである。現場からは「また田端の回し者がやってきたと」言わんばかりにあしらわれ、田端さんには「ここの確認が甘い」と詰められのであるw 

ちなみに数十あるサービスを一人で見ていたので当然夜中までかかることがあったが、恐れられていた女帝Nさんがよく助けてくれた。(意外と優しい)

とにかく辛かった全体集会のスライド作成

(自分が喋るんだから自分で作れば良いのに)と内心思いながらも毎月やってくる全体集会の資料作りをやっていた。とにかくこの仕事が嫌いだった。
大体本番の2週間くらい前から準備が始まるが、まずは今月のテーマを決め資料の骨組みを作成し田端さんに報告し承諾を得る。次にスライドに肉付けをしていく。最後に田端さんに加え執行役員2人を招待し私が3人の前で仮プレゼンを行う。そこで許可が出ると初めて田端さんがその資料を使って面白おかしく喋るのである。(よく君がプロデューサーで俺が役者だ、いくらでも面白くしてやるから台本かけと言われてました)

とにかくきつかったのが最後の仮プレゼンである。とにかくここで3名にボロクソにいわれ修正を繰り返すのだが喋る本人はニヤニヤしながら笑っている。

ちなみに”いつかみんなにあの資料は黒子の木原くんが作ってたんだよ!と公開しようぜ!”と言っていたが結局忘れてコンデナストに旅立って(転職)いったw(おいっ!)

寝てない!お前が起こせ!

これはもう界隈で有名な話だが、田端さんはとにかく寝る。打ち上げで疲れて寝るとか可愛い物ではなく、会議中に寝るのである。しかも自分自身がオーナーとなっている会議で寝るのである。会議室の隅っこでこっそり寝るのではなく真ん中で堂々と目を閉じて寝るのである。当然招待された側は怒り、会議が終わった後にスカイプを通じて「人を会議に呼んでおいて寝るとはオタクの上司は何を考えてるんだ!」となぜか私が怒られるのであるw
とりあえずスイマセンと謝りながら本人に「流石にあれはないです!寝たらダメです!」と注意するのだか田端さんは普通じゃないので「寝てない!」「目を閉じてただけ」と言い張るのです。しまいには「そういう時は君が横からボールペンでつついてくれ」である。もうコントのレベルだ。
ただ一応フォローしておくと(明らかに寝ているのに)質問を振られるとあたかも起きて聞いてたかのように身振り手振りで的確なコメントをするのでそこは流石だなといつも関心はしていた。(実際寝てなくても寝てるとまわりに思われては意味がありませんよ!といつも注意してた。)

きっかけは大河ドラマ「新撰組!」

ちょっと余談。仕事をしていくうちに少しづつ信頼関係を作っていったが一気に距離を縮めたのは「新撰組!」という大河ドラマでした。

「君さー新撰組は見たことあるの?」あまりにもしつこいので「まー上司との会話のネタにもなるし一応見とくか」そんなノリで見始めた「新撰組!」でしたが見事に大ハマり。今でもたまに食事にいくとこの新撰組の話で盛り上がります。ちなみに私はこれをきっかけに篤姫、翔ぶが如く、天地人など大河ドラマファンになっていきます。

赤坂忘年会事件

年末が近づいてきたある日の事
「木原くん!今年もそろそろ忘年会の時期だな。予算はXX円くらいで近場で調整してくれや!」と田端さんから指示があり忘年会の会場探しをしていました。
この頃になると私も色々とこなれてきて当然会場の値段交渉もお手のもので、やるべき交渉はしていました。もうここが落とし所だなと判断し、その金額で持ち帰ったところ「なんだこの金額は!もっと安くできんのか!ん?本当に交渉したのか君は!」とお怒りです。流石の私もカチンときて「じゃー田端さんお手本見せてくださいよ!」と切り返したところ「おう。見せてやろう。ついてこい」と。「わかったわかった、すまんすまん、これでいいよ」ではないのです。
「お手本見せてやるからついてこい」です。流石、田端さんだなー、やっぱ自分の交渉は甘かったかのかなーとちょっと反省しました。

再交渉の当日、2人でお店に乗り込みました。そこへ店長が現れ、明らかに「あ、こいつ親分連れてきたな」という顔です。そして早速再交渉が始まります。
「先日木原がご相談させていただいたこの金額ですが、もう少しお安くXX円に調整できませんか?人数もこれくらい入りますし。」という感じで言葉巧みに交渉します。でも店長からの切り返しは「無理です」です。

ほれみろ。内心ホットしました。

さーどうする?そんな時でした。(流石に親分出てきたのに申し訳ないと思ってくれたのか)店長が「うーん。分かりました!それではあれを皆さんに1本づつ差し上げましょう」と。店長が指を指したのはお店が恐らくPR用にもらった山積みのミネラルウォーターでした。これを皆さんに当日1本づつ差し上げますのでこれでいかがですか?と。「いやいや水くらいじゃダメでしょう。田端さんがそんなことで納得するわけがないじゃないか!」と考えていると

「いいですね!」

「えっ?」「田端さん!水一本ですよ」「さっきあれだけ怒ってたのに」

結局値引は出来ず我々は「水」を勝ち取りました。

帰り際ニヤニヤしながら「田端さん。水ですか?」と突っ込んだところ、やはり普通じゃないので「悪いね!ダメだったよ」ではなく「何もないよりかはましだろ!」です。ただちょっとにやけた顔で申し訳なさそうにもしていました。なんだかんだで田端さんも普通の人なんだなと。

そうして月日が流れ、ある日のこと、ちょっといい?と呼ばれ一言

「君、明日からGoogle Adsense担当ね。よろしく!」

この一言がさらに私の人生を変えます。Googleとの出会い、そして広告事業のキャリアスタートです。いよいよ物語も中盤、ローディー時代から右腕時代への突入です。この珍道中はGoogle Adsense(display部門)売り上げAPAC NO1(個人調べ)へと転がっていくのです。

次回予告(仮)
メディア野郎 田端 信太郎 氏との出会いと珍道中(Google編)



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