内向的な人間がnoteを始めたら、生産性が上がった話
今回のポストは、特にナレッジとかでなく、あくまで個人の体験であり、一例です。こんな例もあるのだなと、気軽に読んでもらえればと思います。
内容は、今年の振り返りです。
"未来と今を誰もが面白がりながら成長できる社会"をVisionとされているFilamentの角さんにお声がけ頂き、Advent Calendarに飛び入り参加させて頂きました。お声がけ頂いていなかったら、振り返りを書くこともなかった気がします。このような機会をいただけたことに、まずは感謝です!
何を振り返るか
今年もたくさんの出来事があったのですが、せっかくなので、noteを書き始めて変わったことを書いてみたいと思います。
きっかけは、ちょうど一年ほど前、年が上がったタイミングで、今年に頑張ることをいくつか宣言しました。その中の1つとして、自分が得意かも知れないことをナレッジとして伝搬する、というのを書きました。
元来、私自身はとても内向的な人間で、プレゼンをしたり、スピーチで自分の意思を伝えることはとても苦手です。社会人になり立ての頃に比べれば、多少はマシになったと思いますが、それでも何かプレゼンした後には、いつも強い後悔があります。なぜかというと、本当に言いたかったこと、伝えたかったことを全て表現できることがないからです。
その出しきれない内容をアウトプットする先として、noteを始めました。
何を書いたか
まず何を書いたかですが、主にマネジメントのことを言語化して、アウトプットしてみました。組織マネジメントのこと、プロダクト・プロジェクトマネジメントのこと、それに付随して、今所属しているLINEのAI事業のビジョンなど。
今年書いた記事は、全部で10ほどです。記事の数自体は多くないですが、割と1つ1つが長めで、個人的には結構な量を書いたな、という思いです。
元々は、2年半ほど前に現LINE社に転職した際、頭の中には、こうやってマネジメントするとうまくいくのではないか?というボヤッとしたイメージがありました。
そして、LINE社にジョインした後、いくつかのプロジェクト・プロダクトで実践してみたのですが、どんなチーム、どんなプロダクトでも、どんな状態でも、再現性を持ってその効果が確認できたので、それを言語化してnoteに書いてみました。
書いた結果としては、予想以上に良いことしかなかったのですが、何がよかったか、順番に書いてみたいと思います。
仕事の生産性があがった
一番の効果、それはタイトルにも書いたとおりですが、本業の生産性が劇的に上がったことです。
私は、プロダクトやチームをマネジメントする役割のため、社内でも非常に多くの人と関わりながら仕事をしています。誰かと一緒に仕事をする時、1つ1つの物事に対して、Whyを共有するのはとても大事なことです。
しかし、noteを書いてみて気づいたことがあります。それは物事に対してのWhy以前に、自分の哲学・基本的なものの考え方を共有することで、劇的に仕事がスムーズになる、ということです。
なぜかと言うと、とてもシンプルな理由ですが、誤解がすごく生じにくくなるから、です。
1つ1つの物事に対しての議論は、いくらWhyを言語化しようとも、どうしても表面的な内容になりがちです。それに対して、個人の哲学を共有することで、言葉の裏にある思いを誤解なく伝えることができます。
理想としては、毎度、その哲学を直接、共有できれば良いかもしれません。しかし、現実的な時間的制約がある中で、毎回時間をかけてそれを伝えるのは、関わる人が増えるにつれて、不可能に近くなってきます。(そして、内向的な私にとっては、時間的制約がなくとも、毎度プレゼンするのは、とても辛いです。。。)
その思いを効率的に伝える手段として、根本的な考えやスタイル、ビジョンを言語化してnoteに書いたことで、同じ内容を数多くの関係者に効率的に共有できるようになりました。
それにより、短時間で誤解のない意思疎通が可能になり、さらにリモートワーク環境下でも、誤解から生じる問題とは無縁で仕事することができました。
良いフィードバックが得られるようになった
誤解なく考えが伝えられたことに加え、その内容に対するフィードバックのクオリティも上がりました。
今になって思うことは、納得感のないフィードバックがあるのは、そのフィードバックをくれた相手の問題でなく、そもそも自分の考えを伝えられていない自分自身が原因でした。
自分の考えを積極的に発信するようになってからは、納得できるフィードバックを得られる機会が圧倒的に増えました。それが賛同であれ、批判的な内容であれ、とても的確な内容ばかりです。
批判的な内容であっても、"あなたのスタイルは理解したけど、こういう視点から考えると、こうではないか?"という具合ですね。そこまで整理して頂いてフィードバックを頂けたら、自然に納得できますよねw
さらには、次のインプットも得られるようになりました。そういう考えだったら、こういう本を読んでみたら?、この記事を読んでみたら?、この人と話してみたら?、といった具合です。
アウトプットすることが、次のインプットを生み出す、そしてそれを元にまたアウトプットする、つまり、学びのサイクルが回るようになりました。(だんだんと自分の処理能力がボトルネックになってきていますが、、、それはまた別の課題)
このように良いフィードバック、新たなインプットが増え、より効率的に自分をアップデートすることができるようになりました。
偶発的なチャンスに巡り合えるようになった
内向的な私にとって、自ら主体的に人間関係を気付いたり、チャンスを獲得することは、なかなか体力と気力を消耗します。
そんな中、"noteを見たんだけど、ちょっと話しませんか?"と声をかけてもらったり、社内でマネジメントのインタビューのオファーを受けたり。それ以外にも、全然別の仕事の話をしている中、会話の終わりに、"そういえばnote見てます、実はこんな課題が~"と話題を振ってもらったり。
自ら積極的に切り開くのが苦手な自分としては、繋がりや話題のきっかけをもらえるのは、とても助かります。
また、新たな繋がりだけでなく、上の例のように、私が役に立てることを相手から教えてもらえることも増えました。自分は何が得意なのか、を毎度伝える必要も減り、効率的に自分の強みを活用できるようになったと思います。
内省の機会を作ることができた
noteを書く時、言いたいことを構造化して、文字にする作業は、それ自体が良い内省になります。書き始めた当初は、頭の中のイメージをすぐ文章にできず、数回は書き直していました。
書き出す過程で、矛盾がある考えは整理され、思考が構造化されます。思考が構造化されると、自然にワーディングができ、ワーディングができると他の人に対しても簡潔に説明しやすくなりました。
また、後からの振り返りも、とてもしやすくなりました。
ある内容を書いている時点では、頭の中の思考を全て出し切っているつもりです。ただ、例えば、今、1年前の記事を読み返してみると、多くの足りない視点に気づきます。1年間の新たな経験ももちろんありますが、アウトプットをきっかけに、良いフィードバックが多く得られたのも、大きな要因の1つです。
過去の自分の思考と比較し、足りない視点に気づくことで、またそれをアウトプットすることができます。そのサイクルを繰り返すことで、思考をループさせることなく、自分をアップデートすることができるようになりました。
まとめ
noteを書いて、良かったことです。
1. 仕事の生産性が劇的に上がった (誤解が生じない)
2. 良いフィードバック、次のインプットがたくさんもらえた
3. 偶発的なチャンスが生まれた、自分の強みを効率的に使えるようになった
4. 今の自分、過去の自分に対して質の高い内省ができるようになった
こう書くと、いいことばかりですねw でも、私にとっては本当に良いことばかりでした。
ちなみに、今年の全記事のView数は62,000ほどでした。View数を伸ばすことが目的でないとはいえ、読まれる数が多くなるのは単純に嬉しいです。読んで頂いた結果、それが何の役に立っていればいいなと思います。
以上、noteを書いてみたことの振り返りでした。
今回の内容は、ナレッジとして一般化できるものではないかもしれません。あくまで私にとって良かったことであり、一個人の体験です。ただ、1つの事例として、参考になればうれしいです。